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テレビを見て泣いた

毎月一度、薬を処方してもらうために厚生病院の精神科を受診している。

担当の先生曰く、感傷的になったり感受性が強く涙もろくなったりすることがあるけれど、よく聞く症例であるとのこと。たしかに一人の時に誰かに見られるとちょっとヤバいんじゃないかと思われるほど顔をぐしゃぐしゃにしてしまうこともあった。


日曜(2024/7/28)の朝、オリンピックの結果を見ようとテレビをつけたらNHKのドキュメンタリー番組「Dearにっぽん」に目が留まる。民放の番組にチャンネルを変えようとしたけど、「そばにおってくれんと~認知症 ある夫婦の物語~」というタイトルに思わず見入ってしまった。

もともとNHKのドキュメンタリー番組は好きで「にっぽん紀行」や「目撃!にっぽん」などは、ウォン・ウィンツァンのピアノの曲もお気に入りだったから欠かさず視聴していた。

もちろん「Dearにっぽん」も素晴らしい番組だった。
下記は番組ホームページからの引用。

広島県廿日市市に暮らす橋本康男さん(70)は、3年前に認知症と診断された。身支度も難しい康男さんを、支えてきたのは妻の明美さん。
いま2人は、進んでいく症状に揺れ動いている。もともと公務員として忙しく働いていた康男さんは、「このまま自分がなくなってしまうのでは」と不安を募らせ、明美さんは、自分の接し方は正しかったのかと悩みを抱える。それでも、一緒に暮らしていきたいと願う夫婦、その日々を見つめる。

46年前にスキー場で出会い結婚した二人のなれそめを聞いた番組スタッフが

あの頃が一番幸せでしたか?

と質問すると

今が一番幸せだよ

と笑顔で答える康男さんと、それを見て目を潤ませる妻の明美さんの姿に号泣した。

そして追い打ちをかけるように番組の最後のほうで康男さんの通う施設の発表会で披露するために二人の思い出の歌を練習している映像とテーマソングの寺尾紗穂「魔法みたいに」が流れて、僕の涙もとめどなく流れ続けた。

認知症になって「できないこと」が増え、当事者は「自分は社会から必要とされていないのではないか」と感じることもある。介護者は献身的に支えたいという思いがあっても、時に苛立ってしまったり相手を傷つけてしまう言動をすることもあるだろう。

皆、答えが見えない問題に直面し、誰かに代わってもらうことができない苦しみを抱えながら生きている。

番組の中で、ある先生が

この先、どうなるか分からないことに不安で、どうなってしまうのだろうと心配で心が休まらないこともあるでしょう。
それでも、あなたは大丈夫です、と伝えてあげてください。

と語っていた言葉が印象的だった。

自分が認知症になっても大丈夫だと受け止めてくれる人が周りにいれば多少は生きづらさも緩和されるような気がした。
それはハウツーではなくて、どんな人でも尊厳をもって日常的に接することができれば自然に受容できるのではないのかな。

今日も皆様にとって良い1日になりますように。
生きていれば、大丈夫。
僕自身もそう伝え続けたい。

夏になると聴きたくなる楽曲を5月に歌っていました。

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