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Mさんのこと②

前回のおさらい。

札幌市の某町内会の夏祭りボランティアで僕は少し年上のMさんと出会う。
多分、その当時Mさんは26か27くらいだったような。
釧路から札幌に引っ越してきたばかりで知り合いがいなかったので、知り合い作りのためにボランティアに参加したという。

全然関係ないけど干支が分かれば自ずと年齢を算出できるので気になる人がいれば是非とも尋ねてほしい(なんの推奨なんや笑)

さらに脱線して恐縮だがそのボランティアには僕の他にも小説家志望で文学部でもないのに卒論で自作の小説を書いて提出した学部の先輩や台湾から来た留学生など個性豊かなメンバーが参加していた。

その一人一人とのエピソードも紹介したいが、収拾がつかなくなりそうなので今回は泣く泣く割愛する。


さて大分前置きが長くなった。

ボランティアの準備は夕方から夜にかけて行われた。
主に夏祭りの屋台製作や町内の子どもたちに配布するノベルティ?の用意をする。
屋台の看板をペンキで塗るなど皆でワイワイガヤガヤしながらの手作り作業は結構楽しかった。

そして準備作業を終えると、二次会的なノリでみんなでご飯を食べに行くことが定例となっていた。


ある日、バイトやデート等の関係で他のメンバーが早々に引き上げたので、僕とMさんの二人だけで夕食を食べに行くことになった。

北16条付近の夫婦で営んでいる小さな洋食屋さんだったように記憶している。

僕は煮込みハンバーグセット、Mさんはパスタセットを頼んだ。

料理が来るのを待っていると
不意にMさんは

竹内君って彼女いないでしょ。

と言ってきた。

えっ?
何で急にそんなこと聞くんだろ

と思いながら

はい、最近別れました。

と正直に答えた。

やっぱり。
何か今日、〇〇さんがデートだからっていう話をしてた時、何かビミョーな顔してたし。
あ、でも私も同じかな。
ぶっちゃけ最近、婚約破棄したし。
  

えっ、ちょっ、えっ?

僕は少し混乱していた。
ものすごい美人ではないけど(失礼な)
そこそこ可愛くてボインなMさんが婚約破棄?

何があったんだろう。
気になるけど訊ねていいのかな。

色々な思惑がぐるぐる回る。
僕が頭の中で一人周回している間に注文した料理が運ばれてきた。

先ほどのカミングアウトに触れないまま目の前のハンバーグをもぐもぐ食べる。ハンバーグの肉汁はいつでも美味しいな。

食事を終え会計を済ませた後、

おもむろにMさんが

この後、時間ある?

と上目遣いで尋ねてきた。

もともとMさんは小柄なので僕の肩くらいの背丈だから見上げる形になるのは自然だけど、ちょっとドキっとした。

続く

今日も皆様にとって良い一日になりますように。

次回で完結です。多分。

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