見出し画像

自閉症の療法DIRフロアタイム、日本語での情報やコミュニティが少しずつ増えつつあります

自閉症児へのアプローチとして、ABA以外のこんな選択肢もありますとDIRフロアタイムを以前に紹介しました。

フロアタイム実践者としてもこの素晴らしいアプローチが日本でも広まって欲しいと願っていますが、一つだけネックがあるとすればそれは言語です。フロアタイムの発祥の地はアメリカですが、今のところ日本語での情報量が非常に限られています。これでは広まるものもなかなか広まらない・・・(そこが私がノートを書き始めた理由の一つでもあるのですが)。

とはいうものの、日本語での情報はじわりじわりと増えてきています。 

まず初めに、伊藤穰一さんをご存じでしょうか。

「大学を卒業していない日本人が、ボストンにあるMITでメディアラボの所長になった」というニュースを耳にした時の「すごっ」という感覚を今でも覚えているのですが、彼はテクノロジーの超最先端の人です。超が付きます。その彼が2018年に「教養としてのテクノロジー」という本を出版したのですが、それを読み彼の教育への考え方や先見性も天才的だと気づき、それ以来、彼の動向に注目してます。

そんな彼はご家族と日本に帰国されて、現在は千葉工業大学の学長を務めながら数々のプロジェクトを同時進行されているのですが、その一つに新しい学校づくりがあります。容易に想像はつくのですが、彼が普通の学校を作るわけもなく。日本でレッジョ・エミリアの園を展開している松本理寿輝さんと共同で、レッジョ+DIRフロアタイムを取り入れた学校を作っています。日本でのフロアタイム・スクールは初です。とても期待しています。

2024年秋の開校に向けたイベントは東京で不定期に開催されています。フロアタイムに興味のある方はぜひ参加してみてください。

フロアタイム関連のイベントの情報はニューロダイバーシティサロンのウェブサイトでも発信されているのでチェックしてみてください。

この学校が火付け役になって、フロアタイムが日本にも広がるいい予感がしています。

実のところ私がフロアタイムの存在を知ったのは2022年ごろの伊藤穰一さんの発信からなんですが、本やオンラインの勉強だけでは物足りなくなり、フロアタイムを取り入れている学校が身近にないか調べ、今の勤務先に辿り着いた経緯があります。現在2年目です。

それまでのキャリアのメインはずっとモンテッソーリ・スクールだったので大きな転換ではあったのですが(モンテは今でも大好きです)、結果的にはとても自分に合っていました。発達障害児の母としても私は教育のフィロソフィーには結構こだわりがあるのですが、フロアタイムは深く納得のいくものでした。情報のアンテナを張っておいてよかった!と思っています。


そしてもう一つ。

これは最近の嬉しいニュースなんですが、日本語に翻訳されていたものの長らく絶版になっていたフロアタイムの本が、2023年の年末に再出版されました! これは本当に嬉しい!

英語の原書は「Engaging Autism」で、DIRフロアタイムの生みの親であるスタンレー・グリーンスパン氏の著書です。

これはDIRフロアタイムを知る上でのコアな本の一つで、先日紹介したICDLでトレーニングを受ける際にも使われます。専門書なのでどうしても値が張るのですが、フロアタイムを知りたい人にはマストな本です。

私は既に原書を持っていますが、先日電子書籍版も購入しました。日本へ帰省の際には紙の本も購入するつもりなので、3冊の所有になりそうです。どんだけ買うんだ自分。

フロアタイムに関する情報はこうやって日本でも手に入りやすくなりましたが、私も引き続き発信していくのでどうぞよろしくお願いします!


いいなと思ったら応援しよう!