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街の明かりと路面電車-The Tram with City lights

今日は冬至。1年でもっとも太陽が出ている時間が短い日です。それは、裏を返せば、夜がもっとも長い日でもあります。クリスマス直前のこの時期はあちらこちらでイルミネーションが輝き、夜が華やかな時期です。普段は自然の中を走るローカル線風景ばかりを撮っている私ですが、この時期ばかりは夜景を絡めた鉄道風景を撮りに、都市へと赴きます。

何度か全国の街に出かけるうちに気づいたのが、この夜景と路面電車の相性の良さです。そこで今回は、これまで撮りためてきた写真の中から、夜の街を走る路面電車の情景をいくつかご紹介したいと思います。

①札幌市電

札幌市電・すすきの(2020年撮影)

まずは日本最北の路面電車である札幌市電。北の歓楽街・すすきのを代表するニッカウイスキーの看板の前を曲がって来たのは、2018年に登場した低床型路面電車のシリウス。もうひとつの低床型車両ポラリスと合わせて、札幌市電の新たな顔として活躍しています。

②函館市電

函館市電・十字街(2009年撮影)

世界三大夜景の街ともいわれる函館。函館山から見る時に夜景がきれいに見えるように、中心街はオレンジ色の街灯が並びます。この写真のバックに映る旧丸井百貨店のようなレトロな建築物も多く、函館山を降りても夜景を楽しむことができるのが函館の魅力でしょう。

③宇都宮ライトレール

宇都宮ライトレール・宇都宮駅東口(2024年撮影)

2023年に開業したばかりの日本最新の路面電車、宇都宮ライトレール。本格的なLRTとして、早速、宇都宮市民のよき足として機能しているようです。訪れた時はちょうどクリスマスイルミネーションが始まったところ。きらびやかな明かりが新型トラムを照らします。

④富山地方鉄道

富山地方鉄道富山市内線・国際会議場前(2012年撮影)

宇都宮が最新のトラムだとしたら、その先駆けとなったのがこの富山地方鉄道富山市内線、通称セントラムではないでしょうか。富山市街に新たに線路を敷いて環状運転を開始したのが2009年。富山城と近代的なホテルやトラムの対比も面白い路面電車です。

⑤万葉線

万葉線・末広町(2023年撮影)

かつては加越能鉄道として運行していた万葉線。2001年、廃止を表明した加越能鉄道に代わって設立されたのが第三セクターの万葉線。昭和の香り漂う高岡の街をのんびりと走ります。加越能鉄道時代から走る古いザ・路面電車がまだまだ元気なのもこの路線の魅力です。

⑥広島電鉄

広島電鉄本線・銀山町-胡町(2013年撮影)

日本最大級の路線延長、車両数を誇るのが広島電鉄。ここ胡町の歩道橋はカーブをしながら広島の市街地を貫く路面電車を撮影できるスポットとして有名です。平日の夕方、ひっきりなしに走る車、路線バス、そして多種多様な形式が走る路面電車。たまらない光景でした。

⑦伊予鉄道

伊予鉄道松山市内線・市役所前(2018年撮影)

四国最大の街・松山の市街を巡り、道後温泉までを結ぶ伊予鉄道の路面電車は、さすがはみかんの名産地、愛媛を思わせるオレンジ色。ここ、市役所前のカーブでは、背後に松山城の天守閣を遠望することができます。車と並走するのでなかなか撮るのが難しい場所です。

⑧熊本市電

熊本市電・通町筋-水道町(2021年撮影)

水の都といわれる熊本市の市街地を東西に結ぶ熊本市電。市内随一の繁華街通町筋には、老舗百貨店の鶴屋があります。昭和モダンな建物で、クリスマスシーズンにはツリーを模したイルミネーションで包まれます。その横を路面電車がガタゴトと走っていきます。

むすびに

街明かりの中を走る路面電車、いかがでしたでしょうか。きらやかな明かりに包まれる街と、旅情を感じさせる路面電車の取り合わせ、いいものがあります。数を減らしたとはいえ、今回取り上げた街以外にも路面電車は全国各地を走っていますので、これからも「街の明かりと路面電車」をテーマに、全国を巡っていきたいと思っています。

(掲載写真はすべて筆者撮影)

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