「ノンフィクションが甘くて」
フィクションにあこがれすぎて
いつしかあれが
本物のような気がしていた
気がしていたのかも
気がつかないくらいに
ずっと適温適遮にしずんでた
そうしていれば
そのままでいられると思って
そうしていれば
そうなれると思っていたし
そうしていれば
また、もとに戻ると思っていた
いつまでも
コーヒーはおいしかったし
あんまりかな…っていうコーヒーは
そのままあんまりだった
知らなかったけれど
もとになんて戻るわけがなくて
そもそも
戻らないのだから
戻るわけがない
あったままで