ロンドン買い付け備忘録Ⅱ ①
このページを訪れてくれてありがとう。
名古屋で大学生活を送る傍らヨーロッパで買い付けたヴィンテージ古着を国内で販売しているAmanoと申します。
今回は、二度目のイギリス買い付けと初のイタリア買い付けに関して、商品紹介を交えて綴っていきます。僕が経験したことや感じたことをできるだけダイレクトにお伝えしたいので少々言葉遣いが乱雑になるかも。悪しからず。
それではいきましょう。
まずは深夜バスで名古屋から東京に移動です。
SAでの一枚。
SAでたくさんのトラックが並んでいる様子が好きです。まるで長距離運転で疲れたトラックそれ自体が静かに仮眠をとっているように見えて癒されます。
成田空港に到着。
チェックインを済ませ搭乗。
今回は約12時間のフライトです
機内食ってなんでこんなにワクワクするんでしょうね〜
毎回違った表情を見せてくれる飛行機の中からの景色。大好きです
今回はロシアのウラジヴォストク経由で行ったのですが、トランジットで不具合が起こってめちゃくちゃ焦った。
職員さんに「Unfortunately〜…」と言われた時にはほんまに死ぬ思いでした。
空港内を全力でダッシュして出発20分前になんとか乗せてもらえました笑
ピロシキ食べたかった。次回のお楽しみということで。
無事にイギリスに到着。pm9:30にもかかわらずこの明るさ。サマータイムってやつです。
ひとまずホテルにチェックインして食材を調達しにいきます。今回もキッチンがついたアパートメントタイプのホテルを取り、基本的には自炊していくスタイル。
この日の夕飯です
野菜ゴロッゴロのバターチキンカレーにオートミール、オーブンで焼いたチキンです。イギリスのキッチンにはオーブンがついてるものが多くて助かります
それでは商品紹介といきましょう!
まずは王道
<M-47 French Cargo Pants 60’s後期 size23>
もはや説明が不要なほどミリタリーアイテムの中でも不動の人気を博しているM-47。
1940年代から1960年代に作られ、フランス軍で使用されていたカーゴパンツで正式採用されたのが1947年であることから「M-47」と呼ばれています。
フラップ裏や股の当て布、ポケットの仕立て、裾のアジャスターなど細部まで丁寧に作り込まれたディテールとデザイン性の高さ。そしてコットン素材特有の経年変化と、軍モノの中でも「名作」と言われる所以が随所に感じられます。
さらに、この M-47 を語る際に必ずと言っていいほど出てくる『1990年代にマルタンマルジェラが M-47 を裏返しにして再構築し、アーティザナルラインで発表した』という有名な話があるのですが、その理由が「フランスの縫製技術を世界に示すため」というところも、その完成度の高さを裏付けています。
希少なゴールデンサイズを今回仕入れることが出来ました。また、目立つ傷がない上にボタンも全て揃っており、このような状態のM-47はもう見られないかもしれません。価格も上昇の一途を辿っておりますので、この機会にぜひ。
お次はM47の変わり種です。
<M-47 French Cargo Pants 60’s後期 size23>
M47は作られた時期によって細かい仕様の違いはあるものの、大きくは前期型と後期型に分かれているのが特徴。こちらの後期モデルはやや薄めなヘリンボーンで裾に向かって少し細くなるテーパードシルエット、フロントは1つボタンでプラスチックが多く簡素化した仕様になっています。また色味がカーキグリーンになります。
前述した通りざっくりと前期と後期で分類はできますが、個体によっては色味や作りが他のデザインとは異なるものが稀に見つかります。オーダーメイドや製造過程によるイレギュラーなどによるもの。
こちらの一本は裾がジョガーパンツのような作りをしており、かなり珍しい一品。よりいなたく、ミリタリー感強めの着こなしをされたい方に強くおすすめです。
他に類を見ない貴重なM47のイレギュラー品。
通年活躍してくれること間違いなしです。
M47シリーズ、お次は前期です。
<M-47 French Cargo Pants 50’s 前期 size23>
こちらの前期モデルは生地が厚めのコットンツイルで太めでストレートなシルエット。
フロントのウエストボタンは縦に2つでメタルやアルミの素材を使用、色味はベージュより。
状態と致しましてはバックフロント部にペンキ跳ね、ボタン欠け、各所に傷やネップが見られます。
確かに古着に慣れていない方には少し気が引ける一品かもしれません。
これはヴィンテージ全般に言えることなのですが、1950年代に作られたものが70年近く経った現在でも「服」としての形状を維持し「服」としての用途で用いられている事実。それ自体がヴィンテージと呼ばれる服の完成度の高さ、価値を物語っていると思います。
むしろ僕はこういったダメージから、前オーナーがいかに気に入って使用していたか、とかどんな仕事をしていたのか、とかフランスからイギリスに渡る過程でこのパンツがどんな経験をしてきたのか、だったりを夢想するのがヴィンテージの楽しみ方の一つでもあると考えます。変態です。自覚は有ります。
腐ってもキングオブヴィンテージであるM47。これを機に大胆にペイントを施したりしてみても面白いのではないでしょうか。
僕自身、気に入ってる服に関してはいろんなアプローチをして楽しみます。
切ったり、燃やしたり。
こちらは2年前にリメイクしたTシャツ。
ちなみこのslipknotのバンTは大学受験の時に滑り止め(not slip)の意味を込めて買ったものです(見事に落ちました)
その行為自体が既に滑っていたんですよね。
かれこれ5年くらいの付き合いですが、かなり気に入ってます。
話を戻しましょう。
70年前に製造され、幾多のオーナーの手を渡り、想像も付かないほどのさまざまな遍歴を経て、今回僕が提案させていただくに至ったこちらの一本、もはやそれ自体がアート作品です。70年の刻の中で刻まれた汚れや傷跡ごと可愛がってくださる方おりましたら、是非。
今日はこの辺で👋
thanks regards