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「鬼フィードバック®」はデザイン分野だけでなく、よい「なにか」を作りたいと思うシーンで役に立つ
「フィードバックは財産だと思っています」
デザイナー・前田高志さんは、そう締めくくった。
9月17日、noteのオンラインイベント【作品を磨くための”自己フィードバック”講座】に参加した。講師は“鬼フィードバック”の著者、前田高志さん。
作品を自分で見直し、試行錯誤する「自己フィードバック」ができれば、最後の工夫を通して作品をより良いものにできるのではないでしょうか。
はて?
いままで文章を書いてきたけれど、「自己フィードバック」なんてしたことあったっけ?そもそも「自己フィードバック」ってどうやってするの?
デザイン知識のないわたしには、デザイナーさんがどんな視点でフィードバックをするのか全く見当がつかない。
文章を書くうえで、デザイン知識はあったほうがいいような気もする。参加してみようかな。そんな軽い気持ちで参加を決めた。
鬼フィードバックとはなにか?
書籍のタイトルにもなっている“鬼フィードバック”(商標登録済)とは、作品の完成に向けて、鬼のような数のコミュニケーションラリーをするフィードバック、だそう。
“鬼”と聞いて「鬼軍曹のような人から鬼のような恐ろしいフィードバックをコテンパンになるまで受けること」だと想像していたわたしは、鬼フィードバックの意味を知って安心した。
あぁ、よかった。取って食われるわけじゃないのね。
鬼のような数のコミュニケーションラリー。それなら、1人で壁打ちするよりも深堀りできるし、新しい視点を得られるのかもしれない。
前田さんによると、多くのコミュニケーションラリーによって、デザイナーの力量やデザインはどんどん磨かれていくそうだ。
講義ではその実例として、前田さんのオンラインコミュニティでのやりとりが紹介された。メンバーの作品が、フィードバックを受けてどんなふうにブラッシュアップされたのか、そのBefore & Afterと、具体的なフィードバックが公開された。
「なんか気持ち悪い」の感覚を素通りしない
前田さんは、フィードバックの際には2つの目線が必要だと言う。
例えば、こんな感じ。
「お客様目線+デザイナー目線」
「ディレクター目線+デザイナー目線」
作品に違和感を見つけたら、その違和感を素通りしない。その気持ち悪さを探索していく。ここが大切らしい。
作品の色、フォント、レイアウト、シルエットなどに違和感がないかどうかを探す。例えば、隣り合う文字同士の間にあるスペースに着目し、違和感をチェックする。
文字の間にあるスペースをいったん気にするようになると、それ以降、看板や広告などを見たときに、文字の間にあるスペースの違和感に気づくようになる。
こういった「なんか気持ち悪い=違和感」を素通りせずに向き合えば、デザインは磨かれていくらしい。
「自分で作品を作っていると、だんだんと親バカみたいになっちゃうんですよね」
前田さんのその言葉に、うん確かに、分かるかもと思った。自分の目線ばかりで見てしまい、客観的に見ることが難しくなる。自分の文章に、つい「甘く」なってしまう。
「自分の作品を、自分がキライな人が作ったものとして見たら、めちゃくちゃ客観的に見れますよ。めちゃくちゃダメ出しできますよ」
なるほど。この視点は役に立つ。
文章を書こうとするな。映画監督になれ!
前田さんはnoteでも多くの記事を書いている。この記事は1300を超えるスキ。すごいな。
タイトルにドキッとさせられる。
文章を書くとき、どこに気を配り、どんなふうに文章をデザインしていけばいいのか。「書く人の目線+デザイナーの目線」という2つの視点。その視点から文章を見て展開される話が興味深かった。
詳しくはコチラの動画を見るのをオススメ(面白い!)するが、エッセンスは以下の通り。
ドキッとさせるようなタイトル
シンプルな文章とストーリー
書き手のキャラクターを出す
キメ台詞を入れる
ショッキングな1文を入れる
前田さんは、文章を読んだときに映像が流れるように書くことを意識しているそうだ。それが【文章を書こうとするな。映画監督になれ!】なのだ。
わたしがハッとさせられたのは、前田さんの次の言葉。
「もし自分が文章嫌いだったら?を想定して書く」
中毒レベルに文字を読むのが好きなわたしは、文章を読むのは苦にならず、「もし自分が文章嫌いだったら?」なんて想像して書いたことは、今まで1度もない。そんなことを思いつきもしなかった。
わたしってなんて不親切。というか、自分勝手だな、おい。
だって自分の目線でしか書いていない、ということになるもの。
前田さんが言っていた「フィードバックの際には2つの目線が必要」が、わたしには足りていなかったようだ。これまで読み手目線が不十分だったと反省。
note記事へ鬼フィードバックを実践
イベント後半の実践パートでは、視聴者のnote記事のデザインに前田さんがフィードバックをした。
例えば、タイトルをつけるときのコツ、余白をどうデザインするか、改行のタイミングなど。記事を、文章からの視点ではなくデザインの視点から見る、というところが新鮮だった。
文章の余白にもリズムをもたせる。なるほど、デザイナーさんの視点、勉強になる!#鬼フィードバック https://t.co/B9wnx3zK9h
— み・カミーノ (@bousuku_keyman) September 17, 2021
イベント前半に前田高志さんが言っていた「フィードバックの際には2つの目線が必要」が、実践パートでもしっかり反映されていた。
まとめ
「フィードバックは財産だと思っています」
この言葉がとても印象に残った。
会社員時代、前田さんもたくさんのフィードバックを上司からもらったそうだ。前田さんの現在の判断基準は、そのときのフィードバックがベースになっているらしい。だからフィードバックは財産だと感じている、と。
この感覚にとても共感した。
会社員時代、わたしも数多くのフィードバックをクライアントや上司からもらってきたからだ。フリーランス翻訳者になったいま、できあがった翻訳をレビューする際には、いままでのフィードバックと必ず照らし合わせる。
フィードバックがどれほど重要で、フィードバックを受けるのと受けないのとでは、将来の成果物にどれほど大きな違いが出るのかも、実感として分かっている。
前田さんの「鬼フィードバック」はデザインや文章だけでなく、よりよいモノを作りたい、よりよい関係を作りたいという思いのある、あらゆるシーンで有効活用できるのではないか、と思った。
♢
前田高志さんの書籍「鬼フィードバック」はコチラ。
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