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便利さを追い求めると楽しさが失われる?

愛車を車検に出し、我が家に代車がやってきた。

この代車、オートマなんですよ。嫌だなぁ。

以前も書いたのですが、わたしは免許をとってからずっとMT車推し。車を買い替えるたびに選んできたのはミッション車です。


どうしていまさらミッション?

「ミッション車に乗っている」と言うと、必ずこう聞かれます。

ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、コネクテッドカー。

車の進化はめざましい。もはや、車は機械ではなくてソフトウェアで制御されている電子システムよね?というのが常識になりつつある。

そんなハイテクカー市場真っ盛りのなかでMT車に乗っていると、世の流れに対抗しているように見えるようです。

反骨精神?いえいえ、そんなものはまったく持ち合わせておりません。

じゃあ、なんでいまだにミッションなんて乗ってるの?不便でしょ?

周りの人は不思議なくらいに理由を聞きたがるんですよ。オートマのほうが便利よ!とか、HVはガタツキが少ないから快適よ!とか、ガツガツきます。

うん、オートマやHVをレンタカーや代車で運転したこともあるので、それも分かる。

じゃあ、なんで?

それはもう、ミッションカーのほうが断然楽しいから。

そう答えると、みんなは分かったような分からないような顔をします。車は必要があるから乗るもので、運転に楽しさを求めていないのかも。

で、どこが楽しいの?と聞かれるので答えます。

1番楽しいのはギアチェンジ!

みんなはまた、分かったような分からないような顔をします。

ギアチェンジの楽しさ、ミッション好きの人には共感してもらえるかなぁ。

まわりの車との距離を見て適切なギアに変える。前方に赤信号が見えたら、徐々にギアを落とし、エンジンブレーキを効かせてスムーズに減速させる。

峠道では、カーブの手前でギアチェンジ、カーブを過ぎてまたすぐギアチェンジ、直進部分を突っ走り、次のカーブ前でまたギアチェンジ。これを繰り返す。

ギアを操作する手、クラッチを踏む左足、アクセルを踏む右足、そしてハンドル操作。別々の動作を連動しておこなうことに快感を覚えます。

自分がこの車を動かしているんだ、という実感がある。それがミッション車の醍醐味。

だから、代車がオートマで、運転する気が失せているというのが正直なところ。オートマは便利なんだけど、楽しくないんだよねぇ。

車は移動手段なので、道具の1つ。道具だから手間がかからず便利なものがいいよね、という意見も分かります。

そういうニーズがあるから技術はこれまで発展し続けてきたし、人間の労力や時間が少なくて済むように、これからもいろんな技術が進歩していくんだと思う。

でも、なんかモヤモヤするんですよ。

便利すぎるのってどうなの?
便利を追い求めると楽しさが失われるのでは?
効率ばかりを重視するとなにかが奪われるのでは?

「AI」や「生成AI」の登場で、効率の良さがますます求められるようになり、世の中がどんどん便利になっている。

でもさ、便利なことって幸せなの?

便利&効率至上主義のいま「AI」がグイグイ生活に侵入してくる。ビジネス、教育、医療、娯楽。芸術にも、デザインにも、創作にも。

「AI」のおかげで生産性は上がり、質も向上しつつある。それは大きなメリットです。でも「AI」との距離をうまくとらないと、たぶん悲劇。

「AI」と至近距離でずっと一緒にいたら、わたしは自分がどんどん怠惰になるような気がしてなりません。「AI」に聞けばなんでもかんでも教えてくれるもの、瞬時に。自分の頭を使って考えなくてもいい。

「AI」の提案から選ぶだけ。「AI」の答えを受け入れるだけ。

そんなことを繰り返すうちに、自分の能動的な意思が少しずつ削がれていくような不安があります。

頭を使ってウンウン考えてようやく行動にうつしたときの突破感だったり、試行錯誤してやっと辿り着いた達成感だったり。創造力を総動員して生まれたなにかや、失敗したときの悔しさ、まわり道をしたから見つけられた楽しさも。

自分の心身を使って得たからこそ湧き上がってくる感情の揺れや楽しみ。

「AI」との距離感をまちがえると、そういったものが失われてしまうような気がしてなりません。

便利さを追い求めた先に、楽しさは生まれるの?

「AI」とベッタリ仲良しになり「AI」の答えを鵜呑みにして自分の頭を使わない人と、「AI」はツールの1つだと考えて「AI」の答えを参考にとどめ、自分の頭で考える人。

数年後や十数年後には、両者では大きな差が開いているんじゃないのかな。わたしは自分で考えることを放棄したくないし、自分で考えて行動したい。

新しい技術との付き合いかたは難しいですね。

自分は何をもって良しとするのか。日頃から意識しておかないと、どんどん「AI」の波に飲み込まれてしまいそう。

そんなことを考えながら、代車のオートマを運転しています。やっぱり楽しくないんだよね。

便利さと楽しさ。もっと両立できたらいいのにな。













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み・カミーノ
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