短文バトル222「徹夜」のおすすめ
短文バトル222、とりあえず全部読んでみた。
テキストが見やすくておすすめ
こちらは、何といってもいちばん見やすかった。
読みやすいというより、見やすい。はじめにスマホで読んでそう感じた。
これって何かを公開するうえで、結構だいじなことだと思う。
他に選んだ短文も、スマホとPCどちらで読んでも見やすいことがひとつの基準になっている。
思い出がよみがえり共感した
この「断片的に眠る」ライフハックは、もうほとんど徹夜と同じなのではないか。そんなことを思いつつサクッと読んでしまうけれど、短文の中にちゃんとオチを用意しているところがいい。
で、実は私もはじめて取材をして出した本に載せる原稿を書いたとき、この「断片的に眠る」ライフハックをやったことを思い出した。これは確か、アーティスト村上隆の『芸術起業論』に書かれていたことを真似したのだと思う。疲れて時々チョコをかじりつつ、ベッドで原稿を書いていた。
夢と現実のあわいをたどる描写が巧い
この初夜と夏休みの思い出は、せつない。
今と記憶と希望のあわいをたゆたっている感じ。結婚する前や、学生の頃これからどうなるんだろって期待とおそれに満ちていた時間を思い出す。
フィクションみが強いのに、さいごは学生時代の彼と朝まで『塊魂』をしたといった個人的なエピソードが出てくるあたり巧いし、そういう経験がなくて羨ましいと思う。
光・時間・言葉は等しくふり注ぐ
天頂だとか-1.5等だとか聞くのは、小学生ぶりな気がする。
理科の授業以外で星を観測するなんて体験は、私にはまるでなくって、縁遠いからなおさら憧れの対象になる。「永続痕」なる言葉、はじめて聞きました。
検索して解説を読むより、画像を見るより、もっとずっと「永続痕」なのだろうな。
一瞬のひかりと記憶、観測、自分だけの体験を、知っている言葉と知らない言葉がつなげてくれる。
数字と勢いでラグビーに熱狂
「4年に一度じゃない、一生に一度だ」テレビでも似たような言葉を聞いた気がする。日本で強豪同士の試合を生で観られることについて、舘ひろしが語っていたのだっけか。
私はたいていの球技のルールを解っておらず、特にラグビーはさっぱりだ。
だから昨年、どうして多くの人がラグビーに熱狂したのかわからなかった。
だけど、一行目に「ログインまであと9万人」と書いてあると、急に自分ごとのようにイメージが湧く。そうか、みんながみんな純粋なファンじゃないにしても、チケットの抽選に深夜9万人も詰めかけていたのか。
出社10分前まで粘って、13時間かけてやっとチケットを獲得。
やったー! 獲れてよかったと、心から思える。
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「徹夜」をテーマとする222文字以内の短文を読んで、おすすめを紹介する企画でした。