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吉川英治の三国志

  諸葛亮、孔明。誰もが知っている三国時代の蜀の軍師である。蜀の劉備が、歳の離れた、まだ若い実績のないこの若者を「三顧の礼」をもって迎い入れた。物語の中盤頃に登場するこの人物に、僕だけじゃなく誰もが魅せられただろう。
 中学生の頃だったか、吉川英治の三国志を読んで、孔明が好きになった。長い長い小説であるが、寝食を忘れて本に没頭した。
 横山光輝が漫画を描いているので、小説が苦手な方は漫画を読めば、その世界観はわかるとは思う。
 ところが、小説も漫画も読んだことのないのに、やたらと三国志に詳しかった人がいてびっくりしたことがある。
「なんでそんなによくしってるの」
 聞いてみたらなんのことはない、ゲームだった。僕はゲームをしないので、それでそんなに詳しくなるものだろうか不思議に思うのだが、どうなんだろう。
 だってゲームだから、孔明が司馬仲達に勝って、魏を滅ぼすことだってありうるわけでしょう?歴史を捻じ曲げてしまうことになるわけで、そうなったら、三国志の歴史を正確に理解することができるのかどうか?僕には理解できなかった。
 小説の話に戻る。三国志は登場人物が何しろ魅力的である。魏の曹操、呉の孫権、蜀の劉備を中心にそれぞれ登場人物がかっこいい。関羽、張飛、趙雲、董卓、呂布、他多数。登場人物が最も多い小説ということで、ギネスブックに載っていると聞いたことがある。(元の原作三国志演義が、だったかもしれない)
 三国志は中国の物語だけに、いろんな故事もたくさんある。

 髀肉之嘆 泣いて馬謖を斬る 死せる孔明、生ける仲達を走らす
 三顧の礼 天下三分の計 桃園の契り 出師の表 他
 
 日常の会話でも使われている故事なので、読まなくても知っている人が多いと思うが、わからない人は本を読むかwikipediaで調べて下さい。
 
 三国志は桃園の契りに始まり、蜀の滅亡で終わる。ゲームをきっかけに三国志が好きになった人も、是非吉川英治の三国志を読んでもらいたいものである。
 

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