メンタルクリニックに行くか迷っている人へ。【僕の体験談】
タイトルの件で迷っている人はほとんどの場合、誰にも相談出来ない上に疲弊しきっておりどうしようもないままインターネット検索の海を彷徨っていると思う。
「メンタル不調を治すたった一つの方法!!」だとか「メンタルを強くする3つの方法!!」的なウンザリする記事はインターネットの海に溢れている上に、(しかも記事の最後には転職のアフィリエイトリンクが貼ってあるし…)全ての人間に適した簡単なメンタル不調の解決方法などこの世には存在しないのでここでは書かない。
あくまでも実際に深刻なメンタル不調に陥った上で、実際に心療内科に足を運んだ一個人の経験談として、今困っている人の判断に少しでも役立てばと思うので、共有させて頂く。
初診の予約がほとんど取れない
検索地獄に陥っている方なら目にしたことがあるかもしれないが、心療内科は初診の予約が非常に取りづらい。
ターミナル駅にあるような大きなクリニックでも2週間から1カ月後、街の小さなクリニックではもはや予約がパンクしており、新規の患者は受け入れられないなどザラだ。
↑まさにこれに近い回答を何件かされた。3か月後まで埋まっているところもあり、どれだけ病んでいる人が多いんだよと思った。
さて、僕は心療内科にあまりポジティブなイメージが無かったため、予約の電話をするだけでもかなりのストレスだった。その上で何件も電話をかけて返ってきた最短の診察可能日が上記のような遥か先の日程だったので心のそこから絶望した。
それでも粘り強く探し続け、家から電車で30分ほどの、駅から少し離れたクリニックの予約をやっと取り付けることが出来た。おまけに評価サイトの評価が滅茶苦茶低く、レビューも散々なところだ。それでも1週間待ったので本当に初診は予約が取れないのだ。
首都圏でこの有様だ。その他の地域ではさらに病院数が少ないため、待つ時間は更に膨れ上がる恐れがある。
初診の様子とその時に感じた事
待ちに待った1週間後、足取りが死ぬほど重かったことを記憶している。
最寄り駅に到着し、クリニックの看板を見つけた時、「ここに入ったら戻れなくなるのかなあ…」とかそんな重苦しいことを考えていたので入る前に10分くらい周りをウロウロしてしまった。(実際に戻れなくなることはあまり無いと思う)
その後、予約時間ギリギリまでウジウジし、緊張と不安で手を震わせながら受付を済ませた。
他に何人か患者が居たが、イメージに反してみんな普通だった。中にはビジネススタイルの身なりの良い女性までおり、内科や歯医者などと、ほぼ変わらない雰囲気で驚いたことを記憶している。
15分ほど待ち、名前を呼ばれた時は不安でヘロヘロだったため、ヨロヨロしながら診察室に入った。
診察の進行としては
①現在具体的に困っている症状は何か
②思い当たる原因はあるか
③生育環境や家族について、仕事の内容や人間関係など
④最終的にどのような状態になりたいか
大まかに上記の点に答える形で進んだ。かなり個人的な領域にまで踏み込んでくるが、抵抗を感じる場合は答えなくても良いという形だった。僕はメンタル不調の原因は、遺伝や生育環境と深く関わっていると聞き及んでいたため、ほぼ全てに答えた。
レビューが散々だったためどんな魔物が出てくるかと思えば、少しサバサバしているだけの人だった。
恐らくだが心療内科の診察に、心の寄り添いや温かい言葉などの精神的なヨシヨシを求めて行った人達が、期待通りのサービスを受けられなかった為、レビューでボロクソ書いたのだろう。医者相手に客商売のようなサービスを求めるのはお門違いだと思う。
ここで誤解を防ぐために確認するが、診察とカウンセリングは違う。
診察は、症状の緩和・軽減・消失・再発の防止を目的として医師が行います。カウンセリングは専門のカウンセラーが行いますが、症状の緩和・軽減に限定せず、人間関係をうまくこなしてゆくには、あるいは、より生きやすくするにはどうすればいいのか、再発を防ぐためにはどうしたら良いのかなどメンタルヘルス全般を扱います。(心のクリニック新横浜・メンタルクリニック 様より引用)
恐らく上記のレビューを書いた人達は、診察にカウンセリング性を期待していたのだろう。
カウンセリング性を求めるなら(つまり悩みや不安に傾聴してもらいたいなら)予約の際にカウンセリングを依頼したほうが良い。カウンセリングを受けたいとだけ言えばそれで済む。
閑話休題。診察が一通り終わりに差し掛かった時、あまりにもメンタル不調がきつかった為、「試しに飲んでみなさい」と安定剤を処方された。
「うわ…ついに薬に頼る事になるのか…」と心底気が重くなったが、生活に支障が出まくっていたため受け入れた。
その後会計をしたが、それがめちゃくちゃ安かったことを覚えている。1000円札と小銭が少しで済んでしまった。ここまでの苦労を考えると何だか拍子抜けしたが、人間のメンタルヘルスなどこの程度の価値なのかもしれない。
処方された薬の効果
薬局で周りの目を気にしながら処方箋を出し、薬を出して貰い、そそくさと薬局から出て行った。
初めての薬局だった為、問診票的なものを書いたのだが、症状のところに「精神的な不調」と書いたとき、自分で書いていて泣きたくなったことを覚えている。
さて、処方して貰った薬は賛否両論のあるデパス(エチゾラム)だった。
この薬は精神的な苦痛を取り除く為だけでなく、酷い肩こりや腰痛にも使われるなどオールマイティな薬だ。その上、効果が出るまでが早く、頓服的に(症状が出た時だけ服薬すること)使用する人も多い。
一方で依存性のリスクが高いことが指摘されているという面もあり、それを知った時かなり怖くなったが、楽になりたいので服薬した。
ネットに書いてある通り効果は短時間で現れ、どうしようもなかった不安や緊張などの苦痛がかなりマシになった。これは依存しても仕方ないとすら思った。
デパス自体に催眠の効果もあり、睡眠も取りやすくなった。
怖い面もあるが、処方された薬(デパス)は自分に効果があり、一時的だが救いになったと思っている。
さいごに
完全に個人の主観に基づく経験談(感想)で、大いに偏見に塗れているが、僕の場合はこんな感じだった。
いや、メンタル不調には医者や薬など必要ない!!だとか、初診でもカウンセリングみたいに寄り添ってくれる医者は沢山いるぞ!!とか、自分の場合は違った!!!とかそういうツッコミも大いにあると思うが、「ふーんこいつはそうだったんだ」くらいに思ってくれれば助かる。
心を病んだことのない人には役にたたないかもしれないが、周りにもしメンタルで困っている人がいれば、頭の片隅で思いだして、「ああ…大変なんだな…」と少しでもこの記事を思いだしてくれればと思う。
めちゃくちゃ困りながら救いを求めてインターネットを彷徨っているあなたは、間違いなく「自分を追い詰めるグランプリ」の日本ランカーであるので、出来るだけ早く誰かに助けを求めて欲しい。
メンタル不調は自分で抱えれば抱えるほど心も体も蝕むので、医者やカウンセラーなどに限定せず、第三者に具体的な助けを求めることが大切だと僕はひしひしと感じている。
サポートは生活費に充てたいと思います。