真実はパレードの紙吹雪 『鈍色幻視行』
今日はこちら。
恩田陸さんの『鈍色幻視行』です。
昨年、何かのきっかけで「夜果つるところ」を読んで、その耽美的というか妖艶な小説に魅せられました。そしたら、こちらも読まずにはいられなかったので読んでみました!
しかし分厚い。
全部で650ページくらいあって、仕事と育児と家事の合間に読むにはなかなかのボリュームでしたが、三連休の前日に急にスイッチが入って、ほとんど一気に読んでしまいました。
内容はというと、映画化を試みては関係者が死亡するという、いわく付きの小説『夜果つるところ』の関係者が船旅に出て、その小説と、謎の作者である飯合梓について考察を図るというお話です。
自分がこの話を読んで一番印象に残ったのは、「真実はパレードの紙吹雪」というフレーズでした。パレードの紙吹雪は、上から舞っている時はキラキラ見えてとても綺麗なもの。人を魅了するもの。しかし、地面に落ちてみると、綺麗でもなんでもない。真実とはそんなものではないかというのです。
探し求めている時は期待をして『真実』を過大視してしまうが、それでがっかりしてしまうより、違う面を想像してみる、そんなことを教えられた作品でした。
それにしても、恩田陸さんの小説は想像力が掻き立てられるんですよね。
そして、言葉選びが美しい。
ミステリー要素もあって、ハマりそうな予感です。
それではこのあたりで。
読んでいただきありがとうございました!