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はやく伝える技術

『これどうなってる?すぐ知りたい』

さあ、なんと返事する?

A「おつかれさまです。少々お待ちください。ただいまお調べします。」
B「(いま忙しいんだよな。えーとえーとなんて返事したらアアアア)」

なによりもォォォオオオオッ!! 速さが足りない!!

とにかく時間が足りない。速さが求められている。
待てない。待ってもらえない。早く返事して相手のターンにしたい。
よし、はやく伝える技術を使おう!

(1)お

『これどうなってる?すぐ知りたい』
「お」

一文字ワンタッチで「お、今見た。読むからちょっと待って」が伝わる。

「いま見た」でも「待って」でも「今調べます」ではなく「お」。
「ん(nを2回)」でもなく「お(Oを1回)」。
はやい。圧倒的に早い。

もし「30分後」みたいなスタンプがあるならそれを押すのもあり。
ただスタンプを探すより、スタンプ名を打つよりはやいのが「お」。

「今見た」だと『いつわかる?』と飛んでくる。

「待って」「今調べます」だと『はやく』と飛んでくる。

だから「いま見たちょっと待って調べます」と言いたい。
それが「お」で伝わる。

書き込まなかったら『見てる?』と飛んでくる。
次は電話がかかってくるかもしれない。
あなたがもし反応できないなら、あなたはきっと忙しい。
忙しいから返事を考えてる余裕がない。
電話なんてかかってきたら余計に今忙しいなんらかを片付けるために使っている余力から更に力を割かなければいけない。
延々とリマインドする度に、その応答を考える度に、お互い余力を削る。
考えて待たせるよりは「お」の方がマシ!

(2)わからん

「わからん」は母音が全部「あ」で打ちやすい。自分のターンも即時終了。相手は「別の人に聞くか」「詳しい説明が必要か」「別の機会か」を再検討する段階に進める。とにかく待たせない。

相手は常に、はやく知りたい。
『見たのか』の次に『わかるのか』『いつくれるのか』を知りたい。

解消されないと、永遠に連絡が飛んでくる。
飛ばす方も、飛ばされる方もジワジワと余力が削られる。よくない。

○○の現在は?恋人は?年収は!?

(中略)

現在恋人はいるかどうかはわかりません。
いかがでしたか?

散々待った挙句「わかりません」という回答は最悪。時間だけ溶けた。
即答できないなら「わからん」で十分。

(3)いまむり

いまむりなら、どうしたらいいのか。

「誰々ならわかるかも」と他のわかりそうな人にバトンタッチすれば、自分のターンは即時終了する。

「明日まで時間くれれば回答できる」と余裕がありそうな未来の自分に託すと自分のターンは先延ばしにできる。

「それだけだとわからないから詳しく聞きたい」と通話してしまえば、数分で内容が把握できる…こともある。テキストでのやりとりは本来時間が縛られるものではないが、余裕のない頭で何かをしながらではまともに読み書き汲み取りすることも難しいことも多い。諦めてすぐ通話する方が、結果的に対応に要した総合時間が短くなることもある

(4)やばい

やばいときに何と伝えたらやばいことが伝わるか。

「やばい」と言うとやばいことが伝わる。

「ただいま問題が発生しました。原因は~症状は~」という報告は限らなく放っておいても大丈夫そうで、やばいことが伝わらない。

「うわああああああ」「たすけて」「まずい」「やらかした」とかだと上司は不安になるので「どうした?」と聞きにくる。そして「ただいま問題が発生しました。原因は~症状は~」という報告を次回からするように言うかもしれないが、そんなことはどうでもいい

(5)遅れます

遅れるときに何と伝えたら

「遅れます」

遅れることを伝えないと、遅れるかどうかわからない。遅れなければやらなくていいが、遅れるとなるとやらねばならないことがあって、それは遅れることが確定しない限りしたくない。だって無駄だから。でも、やらねばならないなら、はやくする以外により良い方法はない。だからはやく遅れることを伝えるべき。遅れそうなときにできることは、できるだけはやくすることではなく、できるだけはやく伝えることだけ。そのあとにできるだけはやくすればいい。まずは、できるだけはやく伝えること

(6)さいごに

伝えないのは絶対に悪い

・「お」 催促する方と受ける方の手間を減らす

・「わからん」 相手の待ち時間を一瞬でゼロにする

・「いまむり」 条件を変える提案をする

・「やばい」 SOSが出せる

・「遅れます」 遅れることが確定する

はやいほどエライ

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