ぼとるれたあ

あの頃吐けなかった毒を吐くための処分場。体験をもとにしたフィクション。フェイクのためセリフは標準語。続きものではありません。

ぼとるれたあ

あの頃吐けなかった毒を吐くための処分場。体験をもとにしたフィクション。フェイクのためセリフは標準語。続きものではありません。

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有名人

”飛行機の距離”にある寮つきの会社に就職してしばらく後、自分には何の関係もない親戚の用事で故郷に呼び出された。行かない選択もあったが、しばらく会っていない友人と合う約束もできたので、友人のすすめで密かにホテルの予約もしておいた。 「ちょっとこれ行ってきてよ。お父さんもお母さんも最近膝が悪くて、車に乗るのも辛いから」 ”実家”に着くやいなや、私は”母”から必要書類のメモと2000円を渡され、役所の本庁に行くよう命令された。「そういえば…アンタ、着替えの荷物は?アンタに貸すタオ

    • おさがり

      ※本文中に機能不全家族や心理的虐待を想起させる場面があります。ご注意ください。 「ほら、神様からの”おさがり”よ」 朝の支度を終えて茶の間に行くと、母は、私に煎茶が入った湯呑みを差し出す。「神様が召し上がった後だから味はないと思うけど、残さないで飲むのよ」 このお茶、味がないどころか、わざと間違った葉の量だろ?と思うほど渋い。”儀式”を最初に受けさせられた小学校低学年のころ、私はその味に思わずお茶を吐き出してしまった。 とたんに母は激昂し「神様の前で何すんの!」と叫んで私