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文学フリマ大阪12に出店したよ!その感謝と反省と、そして未来へ。

文学フリマ大阪12に出店してきました。これで四度目の文学フリマです。
大阪に参加するのは三度目。
初年度の2022年は右も左もわからず、とにかくひたすら無我夢中で頑張りまくっていた記憶があります。
その中で、まだ生きていた父がブースにやってきて「お前のコピー本はしょぼく見えるな」と悪態をついてきたものでした。(恨みがましく言っている
のではなく、そういうことを四六時中言ってる人だったのです)


四度目の出店ということで、まずはブースの見た目を大幅に改善しようと思いました。
これから過去二回分のブースの変遷を写真で見せていこうと思います。
私はこんな風に出店していたのです。


一年目。テーブル直置きスタイル(テーブルクロスを持ってくるという発想すらなかった)



二年目。本を立てて見せるところまでは成長。あと、怪文書みたいなのを貼っている。


そして今回のブースがこちら。


満面の笑みの両目洞窟人間氏。それにしても今回は色が多いね。

三年目のブースはこのようになりました。
まず段ボール製の棚ができ、小さなポスターが吊るされ、テーブルクロスが引かれ、お品書きやチラシが貼られて……と少しは立派なブースになったのではないだろうか!
とはいえ、これでも友人には「もっとブース磨き上げれるな」と言われたので、やれることはあるのかもしれない。ブース磨き上げたい。


今回、棚に使ったのは「スマート本棚」。前述の通り、段ボール性で慣れれば、だいたい5分~10分くらいで組み立てることができます。
二段式で、四冊置くことができる。前の直置きスタイルよりは良くなりましたし、手にも取りやすくなった。
実際、前回に比べて「試し読み」をする人が増えたように思います。
前回までの置き方だと、どれを試し読みすればいいかわからなかったのでしょう。
試し読みし易い配置になったのだったら、良かったのだと思います。
「スマート本棚」ですが、裏側にはスペースがあり、そこに小銭入れや筆記用具を置くことができたのも良かったです。
結構便利でした。周囲でも使っている人がちらほらいました。
お安いですし、こういう即売会には一つ持っていてもいいかもしれません。



前以上にいいブースを作れてにんまりではあるけども、実のところを言えば、前回よりも売った冊数は少なかったのです。
今回は文芸誌「反省しない犬Vol.4」の委託販売もあり、それは完売しましたし、私の新刊も買ってくれる方も沢山来てくれたのですが、それでも前回には及ばなかったのは事実です。
一つには新規へのアプローチが難しかったなと思います。
嬉しいことに、私のことを知っていて、本を買ってくださった方もそれなりにいてくださってありがたかったのですが、その一方で会場で私の作品を初めて見て、買ってくださったという人はなかなかいなかったのも事実です。
今回、声掛けもやったのだけどもそれがあまり上手くいかなかった印象があります。
前回は「しゃべるねこが出てくる小説を売ってます~」って言って、それで惹かれた人にリーチできるというのがあったけども、今回は、持ってきている作品がしゃべるねこが出てくる小説だけじゃないというのもあって、どう声をかければいいかわからず「小説売ってます~」となってしまった。言いながらこの辺全員売ってるやんかと思っていました。
今回であれば「しゃべるねこやでかい団地が出てくる小説売ってます~」と早い段階で言えばよかったのかなと思います。
とはいえ、それを言うと、よりニッチな印象を与える気もする……。タモリ倶楽部的な小説に思われてしまうかも……と不安になったのも事実で……。
とにかく声をかけるのは難しいと思いました。
でも、ブースに座って待ち続けるのも、なんていうか性には合わないですし……ほどよく、リーチすることも可能な声掛けができたらいいなと思う。
勿論、来場者には負担にならないものが一番いいです。
過度な声掛けで怯えさせたり、ストレスになるのが一番だめだとおもうし……。


当日知ってもらうのはやっぱり難しい。
だからなんだけども、事前に知ってもらう……というか日頃から作品を作っていくというのが大事だと改めて思いました。
その日に私の作品を知ってもらって買ってくれるというのはとてもロマンに溢れるものだけども、やっぱり700ブース以上出店していて、人も4000人以上来場している中で、それは難しいことだと思います。
だからこそ、日頃から作品を作ってはネットの海に放流していくのがいいのだろうなと思いました。
その中で出来がよかったのを短編集『両目猫舌通信』としてまとめて販売をする。
その一方で、ネットには公開しない、そこそこ長い新作をもう一作くらい作って持っていけばベストかなと思いました。


それでいえば、もう一つの反省として新刊を作りすぎたところにある。
今回、短編集『両目猫舌通信』を二冊、中編小説『夕焼けパラレル団地城』を一冊と、計三冊の新刊を作ってしまいました。
一応「三冊で1000円キャンペーン」をやってみたものの、なかなか三冊買いなんてしないですよね……。
これは客の立場からすれば当たり前で、見ず知らずの人の本を三つも買うのはリスキーすぎます。
やっぱりとりあえず一冊しか買わないよなと思ったのでした。
しかし、今回は創作意欲が凄まじいことになっていたし、その上、直前になってまさか中編小説を書き上げることができると思っていなかったのです。
なので新刊三冊携えていったけども、その結果、売上が分散してしまった印がありました。
新刊は一冊、もしくは多くても二冊がいいのかと思いました。(二冊にする場合は片方はそんなに刷らないほうがベターかもしれないです)


そして一つ驚きだったのは短編集よりも中編小説『夕焼けパラレル団地城』の方が売れたことです。
短編集が300円なのに対して『団地城』は500円。
値段も差があるけども、『団地城』のほうが売れていきました。
『団地城』が完全新作というのも売れた要因ではあると思う。
その一方で、私は短編を楽しく読んでしまう人だけども、多くの人は少し長くて完結している物語の方が買う甲斐を見出すのかなと思ったりしました。
なので、繰り返しにはなるけども今後もネットで読むのは大変なので紙で読むのにちょうどいい新作の中編も書いて持ってくることができたらいいなと思いました。


あと本の見た目の雰囲気もやっぱあるのだと思う。


今回のお品書き


お品書きを見てもらえばわかるのですが、オールコピー本、オールモノクロ。
友人からも「ちゃんと本として作らんの?」と言われましたし、一瞥して「うーん。特に刺さらないなー」という厳しい目も沢山見たし……。コピー本・モノクロ表紙はやっぱ難しいのかもしれません。
相変わらずお金は無いので、コピー本で作っていくのが基本方針になりますし、キンコーズでコピー本を作るのも大好きなのでしばらくはこれを続けていくのですが、せめて表紙のカラー化は考えていきたいなと思いました。
今後、これは検討していきます。
色とりどりにしていきたいですね。
俺は自分の作品をよりよくしていきたい。

というわけで全力はつくしたものの、少し物足りない気持ちにもなったのも事実です。
「半端なく、頒布したい。」と繰り返し言っていたけども、「半端なく、頒布」はできなかったのは心残りです。もっと、頑張っていきたい。


それでも、繰り返しになりますが、友人たちが来てくれたこと、創作を通して知り合った方が来てくれたこと、毎回私の作品を買ってくださる方、そしてその場で試し読みして買ってくれた方、つまりは今回、私のブースに来て、本を買ってくれた方にはどれだけの感謝を言っても上手く感情を表現できないくらい、それくらい私は嬉しいと思っています。
文学フリマをやっていて一番良かったなと思うのは、書いたものが誰かの手に渡る瞬間で、それが何度もあったのは、本当に幸せだったと思います。
そして、見本誌コーナーで読んで買いに来てくれたという人やブースの試し読みで買ってくれた人がいたのは、本当に嬉しかったです。
ちょっと読んで、買ってみようと思うくらいに、一瞬で刺さるようなものが書けたのだったら、ものすごく嬉しいですし、もっと頑張ろうと思います。


そして文学フリマ大阪、やっぱりめちゃくちゃ楽しかったです。
本当、祭りというかフェスって感じで。
一旦ブースを離れて、歩きながら、ここにありとあらゆる「俺の、私の本を読んでくれっ」って思いが集まっているのだなと思うと、なんかその熱気に当てられてレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのゲリラ・レディオを聞いている時みたいな気持ちになりました。
こういう場を作ってくださる事務局の方々、そしてボランティアスタッフの方々には感謝を伝えても伝えきれないですし。
こんな遊び場を提供してくださってありがとうございます……と繰り返し言いたいです。


今回、作った『両目猫舌通信』のVol.7~Vol.8と『夕焼けパラレル団地城』だけども、できれば通販したいなと思っています。
今のところ考えているのはTwitterのDMでやり取りして通販を行うってものです。これが一番送料安く仕上がるので、お互いにとって金銭的なメリットはあるのだけども、デメリットとしてはお互いの本名と住所を交換するという現代的なリスクがあります。
もう一つはboothでの通販なんだけども、こちらは送料に400円近くかかるらしい。なので500円の『団地城』を買ってもらうのに、合計900円近くなるのです。
というわけでどうしたものかなあ……と今は思っています。
これも今後考えていきます。

というわけで、文学フリマの振り返りでした。
次は来年の大阪にまた出たいなと思っています。
とりあえず来年1月の文学フリマ京都は久しぶりにお客さんだけで参加してみようと思っています。
出店者側だと本当にブースを見て回るってことができないので、久しぶりに色々と見て回りたい気持ちでいっぱいになっています。
そこから沢山いろんなことを吸収したいなとも思っています。

次もまた色々と工夫していきたいですね。
作品面でも、見栄えという面でも。
とりあえず自分が作ったものを、私は一人でも多くの人に届けたいって思っていて、そのためには頑張りたいなと思うのです。


閉場後、OMMビルから見える風景。


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