【カメラ】GRの真価
GRというカメラがあります。
最近巷でこのカメラがかなり注目されており、最新のGR3シリーズはなかなか購入できない状態が続いています。
そこで今回は、GRユーザーである私が、GRの真価について考えていきます。
コンデジのように使うならば、GRは普通のコンデジに負ける
GRは、普通のコンデジとは違います。
もし、普通のコンパクトデジカメのように、ポチポチとボタンを押して撮影することを望むならば、GRはあまりおすすめできません。
なぜなら、GRも普通のコンパクトデジカメも、ボタンを押すことで撮影できる点では一緒ですが、GRは普通のコンデジとは違ってズームができません。
最近のGRであれば普通のコンパクトデジカメよりもセンサーサイズが大きいため、その点では高精細な写真が撮れますが、それも3日で慣れて飽きが来ます。センサーサイズが変われば、いい写真が撮れるようになるわけではありません。逆に、普通のコンパクトデジカメでも、きれいな写真を撮ることができる人もいます。
GRの真価は、28mm単焦点であることである
それでは、GRの真価とはなんなのでしょうか。
私は、GRの真価は28mmの単焦点レンズを備えていることにあると考えています。
単焦点レンズを備えていることで、ズームによる絞りの可変がなくなるため、自分で自由に絞りを調整することができます。
後述しますが、GRは絞りを自由に調整できるようにするために、ダイヤルが多く用意されています。
そして、28mmの焦点距離。これがとても面白いです。
28mmの焦点距離は、広角ではありますが、広角特有のゆがみをあまり感じさせません。そうでありつつも、目で見ているもの+αを写真に収めることができます。この画角は、スナップ写真を撮る時に非常に便利です。
28mmの焦点距離について詳しく語った記事がありますので、よければこちらもご参照ください。
GRの真価は、ボタン・ダイヤルの配置である
GRのもう1つの真価は、ボタンやダイヤルの配置にあると考えています。
GRのボタンやダイヤルは、片手ですぐに触ることができる位置にあります。両手で持ち直して、ボタンを触って……というようにする必要がありません。
そして、GRにはダイヤルが複数あるのもポイントです。
例えば、私が使っているGR DIGITAL IVでは、ダイヤルが2つあります。マニュアル露出撮影をする時には、それぞれ絞りとシャッタースピードを設定できます。
GRはコンパクトデジカメではありますが、普通の一眼カメラのように自分の思うように設定を詰めて撮影を楽しむことができます。
そして、GRはどのGRでも同じようなボタン配置になっています。
そのため、例えば初代GRを使っている人がGR3に乗り換えたとしても、多少のボタン配置の変更はありますが、これまで通りの感覚でGRを用いた撮影体験を楽しむことができます。変わらない良さというものが、GRにはあります。
GRの真価は、イメージコントロールにある
GRの真価として、イメージコントロールを挙げないわけにはいきません。
イメージコントロールとは、SONYのαシリーズにおけるクリエイティブルックのようなもので、ある程度の色味を調整できる機能です。
GRには、ブリーチバイパスやポジフィルム調のように、特徴的な色味が用意されており、GRならではの撮影を楽しむことができます。
その中でも、私がおすすめしたいのは「白黒」です。
白黒なんてどのカメラにもあるだろう、という意見もあるかと思いますが、GRの白黒は違います。
GRの白黒は、他のカメラの白黒と比べて、白黒のコントラストがはっきりと出ます。
勿論、他のカメラでもLightroomなどで色味を追い込めば似たような表現ができるのかもしれません。しかし、GRでは現像なしで、この色味を実現しています。コンパクトデジカメのような気軽な撮影機材だからこそ、撮って出しでこの色味を実現しているのは嬉しいところです。
そして、GRの白黒は、普通の白黒だけではありません。
例えば、セピア調のような色を再現した白黒や、よりハイコントラストで白黒がはっきりと分かれる白黒もあります。ただ白黒、といっても、GRには多彩な白黒が用意されているのです。
GRは、写真愛好家のために作られたコンパクトデジカメである
ここまで、GRの真価についてお話してきました。
GRの真価とは、
・28mmの単焦点レンズであること
・ボタンやダイヤルの配置が工夫されていること
・イメージコントロール
に集約されていると、私は考えています。
GRは、その世代によって搭載されている機能が微妙に異なりますが、どのGRにも共通した良さがたくさんあります。最新のGR3を手に入れるのは骨が折れますが、旧型のGRであればそれなりに中古が流通しています。
まずは中古のGRからでも大丈夫です。一緒に、GRの良さを体験してみませんか。