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謎解きはWHY WHYやるものか問題/ レイトンミステリージャーニー カトリーエイルと大富豪の陰謀 DX 【月イチスイッチ批評2018年8月】

今月は、2018年8月9日発売の『レイトンミステリージャーニー カトリーエイルと大富豪の陰謀 DX』。今作は2017年7月20日に発売されたニンテンドー3DS版の移植作となる。
リアル脱出ゲームのような謎解きブームがここ5,6年近くは続いている印象だが、テレビゲームでその謎解きブームを支えていたのはおそらくこの『レイトン教授』シリーズと、『逆転裁判』シリーズあたりであろう。

上記の二大謎解きゲームをざっくり解説すると、
『逆転裁判』シリーズは、いわゆる事件推理ゲーム。ストーリー中に起きる事件の謎を解き明かすために、探索や会話をしていくゲームである。
一方で『レイトン』シリーズは、ストーリーの本筋は事件推理にはなるが、その事件を解くというよりも、途中に与えられたパズルやなぞなぞのようなカンタンなナゾを解くことでストーリーが進む、というゲームである。
『逆転裁判』はいわゆるミステリーアドベンチャーゲームで、『レイトン教授』のほうがよりカジュアルゲームに近いといえるだろう。

今作は主人公がその『レイトン教授』の娘に変わったが、ゲーム内容は同様という、実質シリーズ最新作。 ということで、レビューいってみよう。


◼︎『3DSからの移植作』としてみる

お伝えしたように、元々はニンテンドー3DS版としてリリースされているソフトで、フジテレビ系列でアニメ版も放送されている(2018年9月現在)。
今作は3DS版からナゾは一新、ゲーム中に収録されるアニメも、テレビに耐えうる高画質になったという。
新機能として、「毎日ナゾ」という一日1問与えられるナゾがあり、発売から一年間、毎日配信されるようになった。 

もともとニンテンドー3DS用ということで作られたので、タッチを前提としたようなナゾやクイズが多い印象だ。
スイッチ版でもタッチできるが、テレビにつなぐと専用に用意されたカーソルを動かしていく方法しかなくなる。これは正直、少しやりづらい。
ただ、大昔のファミコンなどのアドベンチャーゲームにはよくある操作方法に戻っただけなので、特に気にする必要はないといえばない。 

一瞬で解けてしまいそうな最初のナゾ。ヒラメキが大事なナゾなので、大勢で挑戦すればだれかが解いてくれそう。ではある。 
マンホールのフタの上を通過すると絵柄が入れ替えるパズル。テレビゲームならではのナゾ解き。

◼︎『アニメ』として観る

ニンテンドー3DS版は未プレイなので比較ではなく感想になるが、ゲーム中のアニメーション映像は素晴らしい。豪華俳優陣によるアフレコと、質の高いアニメーションで、まるで映画を観ているようだった。
ただし、役者が声を演じるとなると昨今問題になってくる、「ヘタクソ問題」。今作でもこの問題はつきまとうことになる。
今回のコレに関してはまぁ、役者の声が合わない。なんのキャスティング選考を経たのか分からないが、役所広司以外のキャストが揃いに揃って合わない、のだ。決して下手ではないというのがお伝えしておきたいところだが、合わないのだから合わせられない役者は下手ということになるんだろう…本当に申し訳無いが。
というかキャスティングが悪いんだ、役者のせいじゃないと言いたいんだ。 

ちなみに全編フルボイスというわけではないが、アニメ以外では、重要な局面でボイス付きの会話が繰り広げられる。
またアニメを堪能できるのはオープニングと、章の冒頭、クライマックスあたりだろうか。最後までプレイする間にかなりのボリュームでボイスを堪能できるだけに、すこし残念な部分ではある。 

 クオリティは非常に高いのだが、じっと見ている時間も多い。有村架純好きなら、ご本人の声、という感じがじっくり聴ける。 

◼︎『ナゾ解きゲーム』として見る

やっぱりシリーズの魅力は「ナゾ解き」。ということでこのあたりをレビュー。
探索がメインで、ナゾ解き自体は1問5分程度で終わる。ここはさすが携帯ゲーム機で出ていたゲームという感じ。しかも、テレビに映し出しても違和感なく遊べる。
TVモードでは、タッチではなくスティックでのカーソル操作がメインとなった。出題されるナゾによってタッチが良いかカーソルが良いかは一長一短である。 

また、本編とは別にナゾが毎日配信追加され、大量のナゾ解きが楽しめるようになっている。ナゾのクオリティも安定していて、飽きのこない作りだ。(現在はナゾ配信終了しているが、毎日ナゾが増えていくシステムでそのまま楽しめる) 

探索中の画面。中央のオレンジの虫メガネがカーソル。人との会話やアイテムなど調べられる部分はレンズ部分がオレンジに光ってお知らせ。 
ミニゲームとして配信される日刊ナゾ通信の画面。解き方の異なる謎が18種程度。これらの難易度が異なるナゾが毎日配信されていく。一年間配信が続くようだ。 

◾️『謎解きをWHY WHYやる』のか問題 

さて、最後に。
タイトルにもつけている『WHY WHYやる』というのは何なのかというと、今回のスイッチ版のキャッチコピーのことである。(任天堂商品紹介ページより『TVでみんなでWHY WHY ナゾトキ!』)
3DS版からスイッチ版に移植されたので、「テレビにつないでみんなで遊ぼう」ということなのだ。(と思う。) 

昨今のナゾ解きブームの人気の理由には、リアル脱出ゲームをはじめとする、みんなでナゾを解く「リアルな体験」がウケているところがある。
スイッチ版レイトンは、そんな「みんなで解く」を実現したかったのかもしれない。 

しかし、そのWHY WHY(=ワイワイ)感本当にいるの?という話。
著者の私は、このWHY WHY感こそ必要ではないかと思っている。実際に複数人でTVモードで遊んでみると、1人でササッと解いてしまうナゾもあるが、2人で悩んで答えを導けた場面もあった。
まだまだ今作では「リアルな体験」「みんなで解く」には遠い気もするが、私は以前の記事でも紹介したように、「脱出ゲーム(ナゾ解き)好き」。スイッチでみんなで楽しめる脱出ゲームソフトがあってもいいのではないか。(3DSではリアル脱出ゲーム出てたよね)
今作は、1人で遊ぶのが当たり前になりがちなナゾ解きTVゲームに一石を投じるような「WHY WHYが楽しい」と感じさせるゲームであると思う。 

  今月のソフト:レイトンミステリージャーニー カトリーエイルと大富豪の陰謀 DX


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