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旅をする木
星野道夫さんがすきだ。
アラスカの自然を撮った写真家で作家だ。
彼の優しい文体とその人柄、現地アラスカの人とともに過ごした記録が、旅をする木には記されている。
なかでもとびきり好きなのが、冬眠しているクマのねぐらに入って行って、体温を計るシーン。
こんな生き方があるんだ。
10年くらい前に初めて読んだ時に、なんとも言えない衝撃を受けた。
そう思って子供にエピソードを話したら、国語の授業で読んだことがあるとか。
もし、自分が高校に進学するくらいの時にこの本を読んでいたら、人生が変わっていたかもしれないなー、と思う。
もちろんこの本を読んで人生を変えるためには、好奇心とか勇気とか無鉄砲さとかも必要だとは思う。
あのとき、自分にそれだけのエネルギーがあったかは疑問だが。
星野道夫さんの本を読むと、心がおだやかになって、人に優しくなれる気がする。
自然と、動物と、人間を愛した人だ。
ありきたりの言い方だが、大自然のなかで自分の小ささを知る。
そんな星野さんだが、熊の被害にあって亡くなられている。
テント泊中に襲われてしまったとか、そういうことだったと思う。
野生のクマは人間の食べ物をたべないらしいのだが、誰かが捨てていった食べ物をいちど食べてしまうと味を覚え、また食べに来るらしい。そこを襲われた。
昨年は、東京都写真美術館で写真展をやっていたので拝見させていただき、大きなプリントに心が洗われたことを鮮明に覚えている。
つぎの写真展、早くやらないかな。
ぼくは、いつまでもファンで居続けることだろう。