みている側の立場から【詩】
駅のホームで私の前を
もつれた男と女が通りすぎました
男が女を振りほどきます
その勢いで女は体勢を崩します
女のしゃくりあげたキーが響きます
特急電車がまいります
男と女と喧嘩の理由は知りません
大雨の降ったあと
綺麗に晴れた日ですので
やっぱり参ってしまっているのかもしれません、暑さに
人前で喧嘩をしてはいけません
どんな顔の人が喧嘩をしているのか知りたくなります
私はよっぽどな男前を想像してしまいます
さっきの男の顔は見ていません
見たら、見たなと怒られそうだったから
ただ、後ろ姿のスーツがあんまり似合っていなかったので
どうしてそんなちぐはぐ男を追いかけているんだろうかと
女の顔も見てみたくなりました
私も大人です
他人を刺激してはいけません
もう、電車に乗ります
あの人は誰でしょう
電車には優しい男と女が乗っています
いつも最後まで読んでいただきありがとうございます。