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地蔵と猫【詩】

茗荷谷の小さな道を行くと
しばられ地蔵は立っていた
人間の欲の深さに縛られて
文句も言わずに立っていた
顔も首も腕も足もぐるぐると
米俵のようになった地蔵の足元に
黒猫の昼寝
飯を食ったばかりなのか
こっちが本物の太陽だと言わんばかりに
天井に突き出した
そこだけ白い毛の生えた腹は立派で
戯れている私と黒猫
その後ろから
誰かがきたと振り返ると
ただ地蔵の影


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東京花束
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