「試合に出る」という目標からの脱却マニュアル
防げる失敗や後悔は、しないほうがいい。
私は、高校生の時失敗が2つある。
今でもたまに思い出して、「あー」って目を細める。
1つは、高校3年生の時、全国優勝常連サッカー部のキャプテンをしていたが、我流でやってしまい、良い結果をのこせなかったこと。
県大会13連覇を止め、選手権でメダルを取ってない代は、私の代だ。
「ああ、なんであの頃にチームビルディング方法やリーダーシップを学ばなかったのだろう」
これを文字にしている今でも、心がちょっと窮屈な感じになる。
2つ目は、同じく高校3年生の時、自分の未来を深く考えずに進路を決めたこと。
入試方法やサッカークラブとの物理的な距離など、今思うと、深く考えずに目の前に出された選択肢からぴょっいっと選んだだけだった。
「社会人の今、学びたい学問がたくさんあるのに.…..。」
という後悔は、多くの大人がしているのか?は、知らないが、
高校3年生で、自分の未来を深く考える時間をとらなかった失敗は、戻せない。
「いろんな分野の人と話す機会をつくろう!」という行動や
「今の環境を存分につかいまくっているか?」という問いを持ち続けていることは、失敗から学びを得たと言えるが、
私は、この失敗を思い出すと、いまだに、心がブレてしまう。
防げる失敗や後悔は、しないほうがいい。
「試合に出られなかったけど、学んだことがある」という人もいるが、
やっぱ、試合に出場して、活躍することほどの学びと経験は、はかり知れない。
私は、控え選手からスタメンになるというルートを高校,大学,クラブチームで経験してきた。
初っ端、4月から試合に出る方法は知らないが、夏以降から試合で活躍する思考方法はもっている。
将来、控えだった選手が大人になり、「〇〇しとけばよかった」を防ぎたい。
目標が、「試合に出ること」から 「チームが勝つこと」に
視座が上がる人が増えるように、試合に出るための思考方法を記載する。
誰よりも、チームを監視しろ!
【把握】
サッカーを含む、チームスポーツ(対戦型)は、自分のベストを尽くしたとて、試合に勝てるわけでも、評価されるわけでもない。
自らに影響を与える可能性がある要素を、最大限に把握する必要がある。
試合に出場するという目標に関しては、監督・自分・チームメイトの把握をすることは必要不可欠であり、1stステップである。
監督(メンバー決定者)の思考回路を知る
「監督のお気に入りになれ!」とは言わない。
監督の構想に、当たり前に入る人になればいい。
監督が変わるとサッカーの内容が変わる。
そのくらい監督がチームのサッカーを司っていることが多い。
監督のことを知らずに自分のサッカーをすることは、難しいと感じる。
だから、まずはどんな監督なのかを知ることが重要だ。
私は、寮やYouTubeにある、高校選手権の母校歴代の試合をほとんど見ていた。
同じポジションの歴代選手の特徴や、試合の進み方を頭にいれて、監督の好きなプレーをインプットしていた。
練習中でも、よく怒られる選手、よく怒られるシチュエーションを観察し、何を嫌うのか、何を好むのかを知るようにした。
(当時の意識は、ただ怒られたくないためでもあったが……)
監督が何を考えているのか、知れるようになろう。
私のことは、誰よりも知る
チームで1番を取れる自分の強みは何か?
わかりやすく、「足の速さ」「キックの精度」「足元の技術」などのざっくりとした枠組みではなく、より具体的に細かい要素で自分の強みを認識しよう。
例えば、
SBとして、FWにドンピシャなアーリークロスを出すこと
ボランチとして、常にFWのパスコースを切り、インターセプトすること
SHとして、カットインからファーポスト付近にシュートを決めること
CBとして、クロスの守備におけるポジショニングとクリアの確実性が高いこと
相手チームのフォーメーションや個人の能力による、弱点をすぐにみつけること。
強みの考え方のポイント
強みを言語化した後は、
「なぜ、それが私の強みなのか?」を考えてみる。
"強み"になっている上で、無意識 / 意識的にやっていることを思いつく限り書き出す。
自分の強みは、細かい意識や特徴が重なっていることが多い。
チームメイトと相乗効果を出すには?
サッカーは1人ではできない。
私だけが最大限の力を出したとしても、それが評価に値するものではない。
この考えに納得できない人はこの本を読んで欲しい
周りの" チームメイト "と" 私 "が組み合わせることによる、効果的なプレーができるかどうかが重要だ。
サッカーは、1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1=11 ではない。
練習の紅白戦では「チームメイトと話し合う」ことが重要だ。
一方的な会話ではなく、その2人(ないしは、複数人)で、各々のしたいこと、できることをすり合わせ、試合に勝つための効果的なプレーを創り出す必要がある。
控えの選手がいきなり試合に出て、すぐに自分のプレーができるかどうかは、日頃のコミュニケーションの量が大きく左右する。
今一度、チームメイトと紅白戦で、どんな話をしたのかを思い出して欲しい。
私が大学生の時、FW選手と互いの特徴を含めて話し合い、ビルドアップの打開策を1つ編み出していた。
2人にしかわからないタイミングと意識を持っていたからこそ、効果的な配球ができていた。
複数の選手と阿吽の呼吸のような、コンビネーションをいくつも持つことは、互いが良いプレーを創り出せる可能性を高める。
丸くなるな、星になれ!
【戦略】
欠点を補う努力より、強みを磨き続ける。
自分の欠点が、相手チームにとって好物にならないように修正することは必要だが、そこに多くの時間をかける必要はない。
相手チームの脅威、自チームの武器になるものを磨き続けろ。
監督の思考回路・自分の強み・チームメイトの特徴を知るイメージがついたら、自分の立ち位置を定める。
どこで戦うか、ポジションを1つ決める
「〇〇がいると〇〇な試合展開になる」というイメージをつくる。
自分は、どんな影響を与えられるのかを定める。
つまり、どんな立ち位置でチームとして貢献するのか、影響を与えるのかを決める。
途中出場でも、どんな影響を与えにいくのかをイメージして交代する方が、やることがはっきりする。
それは、監督とも認識が合っていると尚良い。
伸ばすポイントを明確にする
自分の戦うポジションが決まれば、そのために何を伸ばすのかポイントを整理しよう。
重要なのは、自分の強みを理解した上で設定すること。
ハイボール勝率を上げる - 個人能力
ハイボールの勝率はどんな変数があるのか。
それぞれの変数において、やるべきことを明確にする。
(以下に記載していることは、一例だ。)
身体のポジションであれば、
ボールが空中にある地点で、相手とボールと自分の身体は、どのような関係性のポジションを取るべきなのかを認知して動けるようにする。
高さに関しては、
ジャンプ力を上げるために
ステップ × 筋力 × 動作 それぞれがかけ合わさり、最大数を出せるようにすべきことをバランスよく行う。
ヒットに関しても、
ボールが最も高い位置で身体がヒットするタイミングをみつける。
それぞれの要素に必要なことを理解して、やるべきことを明確に記していく。
「無自覚な努力」ができる仕組みをつくれ!
【実行】
自分を含む周りの情報をもとに、自分の戦うポジションを定めても、実行しなければ、何もしていないに等しい。
実行したかどうかが全てを握る。
試合に出るという目標が遠い存在であるならば、実行を極端に行わなければ達成できない。
立てた戦略は、中途半端にやらない、極端にやりきってしまおう。
行動計画を1日単位で作成
やるべきことが明確になれば、1日単位で行動計画を作成する。
まずは、やることをそれぞれ分けてみる。
チームの練習中にしかできないこと
グランドやジムでしかできないこと(ボールを使うや広いスペースが必要など)
(練習前 or 練習後 どちらが効果的かも考える)
家でできること
また、実行する日の特徴も分けておく。
試合翌日の練習が休みの日
練習も授業もある日
授業はないが練習がある日
何をどのタイミングで実行すれば効果的に身につくのかを考慮して、
実行する内容と日を定める。
実行コストがかからない生活スタイルの確立
「よし、やるぞ!!」と思わずともやっている状態をつくってしまおう。
継続できる人は、「やる」 「やりたくない」という言葉がそもそも頭にでてこない。
習慣やルーティンにしてしまうことが重要だ。
上手に習慣に落とし込んでいる人の例
生活の導線に、やることをうまく取り入れて、勝手にやっている状態を創り出すことがポイントだ。
記録する
書くことの力はすごい。
現在は、「ジャーナリング」という言葉があり、書く瞑想とも呼ばれ、心の整理にも役立つ。
1日に15分ほど、練習であったことや次の練習で意識したいことなどを心のまま書き出すことをおすすめする。
改めて、今、自分はどこに向かっていて、そのために何をしているのかを、書くことで整理し、意識を分散させず、目標への実行に注力させることができる。
日々の生活の中では必ず、心が乱れることがある。
そんな時にでも、目標を見失わずに進むためには書くことが効果的だ。
頑張る仲間をチーム外でつくる
書くこと以外に、おすすめしたいことは、部活を頑張る仲間を自チーム以外でもつくること。
もちろんチームメイトと一緒に頑張るのもいいが、他の部活動の子や文化部の子、他のことに力を入れている仲間をもつことで、新たな視点をもらいお互いに刺激し合うことができる。
アートの感性が優れている友人からは、サッカーというスポーツの素晴らしさを他の視点から教えてもらい、サッカーを観る視点を変え、私の探究心をくすぐってもらったこともある。
凝り固まった考えや視点を、お互いに刺激し合うためにも、違う分野で頑張っている友人をみつけて尊敬し合いながら仲を深めることをおすすする。
自己中心的に取り入れろ!
【学び】
ただ、受け身で与えられたものだけを100%でやっても拡張幅は小さい。
私の「高校3年時に、リーダーシップやチームビルディングに関して目を向けて学ばなかったこと」が大きな後悔となっている。
偶然的なインプットをつくる
能動的に情報をとりにいこう。
そのためには、普通に生活していたら触れられない人に出会おう。
・他の部活の試合を観にいく
・社会人の先輩とご飯に行く
・友人に誘われた、瞑想のイベントに参加している
・短期間のインターンに参加する
・スポーツ以外のバイトをしてみる
・陸上部に走り方を教えてもらう
など
SNSだけの情報ではなく、自分で一次情報を取りに行く癖をつけよう。
情報は全て自分事化する
一次情報を得る時に、ただ頭で理解して終わりではなく、
自分事化して整理しよう。
トップアスリートやビジネスや他の分野で活躍している人は、
「人の話」を自分に置き換えて考える癖をもっているように感じる。
「自分だったら、こうするな。」や
「(ビジネスの内容)サッカーに置き換えるとこういうことかな。」
と何事も自分のフィールドで考える癖がある。
もちろん、サッカーでも同様。
控えとして、外で試合を見ていたとしても、「自分が出たらこんなプレーをすると」イメージをしている控え選手はどのくらいいるだろうか。
人の話や他の分野の方のお話を聴く際も、自分に置き換えるとどうか、を考える癖をつけると、毎日が学びに変わる。
アウトプットする
人によって、インプットとアウトプットのバランスは異なるらしい。
しかし、多くの人は、アウトプットをして学びを身に定着していく。
情報として入れたことを自分の言葉で人に話したり、
noteに綴ったりすることをおすすめする。
自分の考えをもつ
偶然的な学びを取り入れ → 自分事として捉え → 人に話し学びを身に定着ささせる。
その過程で、自分の考えも同時に取り入れていく。
教科書通りの学びを100%取り入れるだけでなく、そこに自分の意見や考えも加えて取り入れよう。
自分の考えをもつ習慣を身につけると、判断の速さや軸の精度の強度が高くなる。
まとめ
ここまで、「試合に出る」という目標を達成するための思考方法を記載してきた。
試合に出て活躍すること、それは、スポーツ選手として最高の瞬間だと思っています。
それを多くの人に味わってほしい。
がむしゃらに練習したとしても、評価されるかわからないスポーツという世界で、この思考法をもとに頑張り方を変えて、よりスポーツが楽しいと思ってもらえる人が増えたらいいなと心から願っています。
そして、「試合に出る」という目標設定から、
スタメンとして、「試合に勝つ」や「どうすればチーム力が向上するか」という1つ視座の高い視点をもつ部活動生が増えてほしいとも思います。
なぜなら、その視点は、社会に出て大きく役立つと信じているからです。
スポーツしかしてこなかったからと、引け目をもつ部活動生がいる中で、スポーツで学んだことをスポーツ以外で活用できる人たちが増えますように。
募集
私は、パーソナルライフデザイナーとして、大学生向けにコーチングを活用した、進路や自己成長に関する悩みに、アドバイスをさせていただく仕事をしております。
今回、スポーツの部活動生を対象に、以下を目的とした相談の時間を無償提供しようと考えております。
- 募集対象
高校生および大学生で、運動部に所属している方(必須)
部活動で部長や副部長などの役職を担っている方(任意)
自己成長や進路に悩んでいる方(任意)
上記の子どもをもつ保護者の方
- 内容
60分の個人セッション、オンラインで実施になります。
最後にアンケートのご回答をいただきます。
- 流れ
お申し込み:リンクはこちら
日程の調整:お申し込み完了の画面にURLが表示されます。
実施
- その他
気軽に相談したい場合は、XのDMよりご連絡をお待ちしております。