A √Aはなぜ公転周期に近似するのか?
問題の始まり
昨日僕の友達(S君)が「新しい公式を見つけた!」と言って。こんな式を僕に見せてきました。(この後も数式や表が出てきますが全て中学生レベルなので辛抱してついてきてもらえるとありがたいです。)
最初は僕も眉唾だと思っていたのですが。S君が木星軌道に対して見事にこの式を当てはめたのを見て。おや?と僕も思い始めました。
そこで、S方程式を太陽系の惑星全てに当てはめてみました。
海王星の時だけ精度が頼りないですがその他の場合には軒並み99.9%以上の精度を維持しています。これだけ小さな誤差は、使用するデータの精度によるものと考えて良いのではないでしょうか?
さて、僕は頭を抱えました。なぜこの式は成り立つのでしょう?地球の場合に成り立つのはまぁわかります。木星の場合に成り立つのも偶然だったかもしれません。しかし、ここまでデータが揃うと逆に海王星の時に式が崩れる理由を考えるのが筋というものでしょう。
僕はS方程式の物理学的意味を考え始めたのでした。
仮説
僕はこの式は他の物理方程式から導出することができると仮定して、成り立つ原理はその後に考えることにしました。しかし僕はどの式から出発すれば良いのでしょう?そこで僕は単純にTとAを含む式を探し、そこからS方程式を導出してみる。(できるように努力する)ことにしました。そこで僕はこんな式を見つけました。(S君がこの式をいじっている最中に方程式を発見したこともヒントとなりました)
これこそまさに僕が探し求めていたものです。ケプラーの第三法則は以下のように変形できるそうです。
$$
\frac{T^2}{A^3}=k
$$
ここからは簡単でした。
$$
\begin{array}{}\frac{T^2}{A^3}&=&k\\\frac{T^2}{A^3}*A^3&=&k*A^3\\T^2&=&A^3*k\\\sqrt{T^2}&=&\sqrt{A^3*k}\\T&=&A\sqrt{A*k}\end{array}
$$
kがくっついていますが。形自体はS方程式とかなり似ています。並べて比べてみましょう。
算出結果も比べてみましょう。(使用する数値による精度の差を少なくするため、公転周期はより厳密な恒星周期に、公転半径は軌道長半径に変えています)
S方程式
ケプラー第3法則
ケプラーの方程式を利用した場合誤差が消失しましたね。このことから、 S方程式において生まれていた誤差は数値の観測精度によるものではなく比例定数kが欠けていたことによるものだとわかります。しかしkが1に極めて近い値だったためkが欠けるS方程式においても近似解を求めることができたのだと考えられます。
また、不自然に精度が低かった海王星の算出値に関してもケプラーの方程式から説明がつきます。
そんでもって一番kが1から離れていたのが海王星だったわけです。
エピローグ
これで全ての疑問が片付きました。最後に皆さんに伝えておきたいことがあります。今回S方程式を発見したS君ですが、みなさんはどんな印象を持ちましたか?「頭が良い」だったり「天才」という印象を持ったのではないでしょうか?しかし、驚くべきことに彼はむしろ体育会系で、天文学なんて無縁な人間でした。しかし彼には好奇心がありました。今回この式を発見した背景も、学校で天文学の授業があり、そこから興味を持ってケプラーの式を調べていた最中のものだったそうです。
とても素晴らしいことだと思いませんか?僕は天文学にも数学にもかなり自信がありますが、そんな僕が何人いても発見できなかったこと彼は好奇心と行動力だけで成し遂げたのです。
そんな彼をみていると、何かを学ぶ時、本当に大切なのは解の正誤ではなく。その背後にある事象に関して興味を持ち、純粋に楽しむことなのだと思い僕は深く思い知らされました。
みなさんはどうでしょう?楽しめていますか?
それではまたいつか👋
アルベルト・アンインシュタイン(1879-1955)
have no special talent. I am only passionately curious.
私には特別な才能はない。私にはただ情熱的な好奇心があるだけだ。
出典:
wikipedia(水星、金星・・・冥王星)