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【二次元】推しにまつわる不思議な話

 高校二年生の頃、アニメ「戦国BASARA2」の第一話を観て、某戦国武将キャラクター(以下、「推し」)に一目惚れした。一言も台詞を喋らず、OP映像と合わせても十秒程度しか現れなかったのに、なぜか無性に彼の姿をもっと見たい衝動に駆られた。一週間後、私は「戦国BASARA2」の公式コミック、PSPのゲームソフトと本体、攻略本、戦国BASARAのアニメDVDを購入していた。半年分の小遣い(諭吉三人分)が一瞬で消えた。今思い返してみても、性格どころか声すらわからないキャラクターになぜいきなり大金をつぎ込んだのかわからない(ちなみにゲームで性格を知った結果余計にのめりこんで、小説や同人誌も購入してしまった)。
 それから十年以上が経ち、私は婚姻のために戸籍謄本を取り寄せようとしていた。全国に千人程度しかいない難読苗字ともこれでお別れだ。ついでに己のルーツでも見ておくか。興味本位で「●●(旧姓) ××(父の出身地) 由来」とGoogleで検索してみたところ、検索結果の下の方に古文書の名前が出てきた。すかさず古文書の名前で再度検索をかけると、地方自治体のHPが一番上に表示された。
「△△の●●家はこの地方に勢力をもった土豪である。初代はA家に仕えたが、×代目以降はB家に召し抱えられ以降……(以下略」 
B家は彼(推し)の家だった。△△は父の出身地ではないが、同じく●●さんが多い土地柄のようだ。なんとなく気になって「△△の●●家」と推しの関係について調べてみたところ、衝撃的な事実が発覚した。彼は元々△△にいた●●家に××の土地を与え、そこに一部の人間が移り住んで「××の●●家(父の実家)」ができたそうだ。つまり、先祖代々の土地は、彼から貰ったということになる。
 さて、私が推しに一目惚れして大金をつぎ込んだのは、単なる偶然だったのだろうか。


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麻田の雑記帳
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