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経済産業省「書店活性化のための課題(案)」の初見メモ(5)


19.文化拠点としての書店の重要性の理解の希薄化

・「一覧性」や「セレンディピティ」によって自身の視野が広がるという書店の意義や楽しさ、重要性への理解度を、本好きの地域住民の力を借りながら上げていきたい、といった内容。
⇒全国各地の地域住民が、草の根的かつ自発的に書店活性化につながる運動を始めるのを待っているだけではかなり厳しい。
事例を紹介したり、何らかの啓蒙活動や呼びかけが必要。
それは必ずしも政府でなくてもいいかもしれないが、信頼度を上げて参加者を増やすために政府も後援・協力する方が望ましい。
草の根的に一般消費者たちも声を上げ続け、励まし合えれば理想。それこそSNSを活用したい。なお、こういった活動は一部の内輪ノリで盛り上がり、逆にクローズド感が出て参加しづらくなりがちなので注意が必要。

・参考事例1:狛江市の市民有志グループ「タマガワ図書部」
⇒知ってた。良いと思っていたので、ここで取り上げられてて嬉しい。
啓文堂書店も偉い。

・参考事例2:青森県八戸市公営書店「八戸ブックセンター」
⇒名前だけ聞いたことがあったけど詳しくは知らなかった。素敵。やはり内沼さんが絡んでらっしゃる。この方は本当にすごい。でも八戸市のみなさんもすごい。経緯や内容をもっと詳しく調べてみたいし、なにより行ってみたい。

・参考事例3:福井県敦賀氏公設書店「ちえなみき」
⇒知らなかった。こちらも詳しく調べてみたいし、行ってみたい。


20.書店による新事業開拓の不足

・利益率の高い商材(文具やおもちゃ類)の取り扱い
・カフェの併設
・フェアやイベントの開催
⇒本だけの書店運営ですでに余裕がない書店にとっては、新事業開拓など夢のまた夢かもしれない。本来は本自体の売り上げを伸ばすことが重要であり、そのためには各店であらためマーケティングを練り直し、メインターゲット層やコンセプトを明確化して、それに沿った選書と仕入れをしっかりやってほしい。そして、店内外装の計画、日々の清掃、接客も丁寧にやった方がよいと個人的には考えています。
なので、本来は新規事業開拓に回せる余力がないところのほうが多いと思うので、そういった書店は自身で開拓するよりもコラボレーションを考えた方がいいかもしれない。
立地によっては地元商店街や地元の学生などと連携できるとよいし、難しい場合でもそれらを得意とする人たちと手を組んだ方が良さそう。

⇒あとオリジナルグッズを作ってる書店を紹介しても良かったかもしれない。ユニークなデザインのブックカバーと栞が次々と話題になる正和堂書店さんや、独自のブックトートバックを販売している書店さんなども意外と増えてきている。

21.多様な特色ある書店への展開不足

・独立系書店
⇒独立系書店は日本にもかなり増えてきている印象。それに触れないのかしら?紹介している本もたくさん出ている。でも、有名どころばかり何度も登場している印象もあるので、ごく一部ということなのかな。
新規出店の方が特色を打ち出していけるかもしれない。
既存書店で経営や時間に余裕がなくて、「ここから特色を出していくって言われても余裕ないです汗」って書店はありそう。個人的にはそうではない書店が特色を出していく手助けができたら嬉しい。

22.活性化のための書店主催イベントの支援拡充および手続き緩和

⇒20.に対して書店からの、余裕ないよー泣 という声。

23.国や地方の補助や助成の活用の低さ、手続き負担

⇒「国や地方の補助や助成」って具体的に何があるの?まずそれをわかりやすく提示してほしいよね。
個人的にもちょっと追って調べてみようとは思う。
何のことを言っているのか、対象や条件は何か、申請手続きはどの程度煩雑か。
でも、公式のわかりやすい情報整理が一番大事。補助や助成出している方々、よろしくお願いします。

24.新商材等の導入にあたっての支援

⇒20.に対して書店からの、余裕ないよー泣 という声。

25.DX化、データ管理の遅れ

・本の返品によって年間2000億円のコスト
⇒知らなかった。何この数字!だから返品は基本不可にする流通システムにするしかなくない? 
①委託ではなく買い切りに移行する ②汚破損本はなるべく補修再生などによって地域で活用できる道を探す。など

・書籍は年間約7万点が発刊
⇒何度も出てきてるけど、現状発刊数が多すぎるんじゃないかな、やっぱり。そのひずみが各所に出てきてる。発刊数を減らして本の質を高めてほしいな、出版社には。

・「書店においては、在庫管理はいまだほぼ手作業」
⇒なんと!商品数を考えると、気が遠くなる作業になりそう。
書店の規模によっても在庫管理方法はいろいろありそうなので、調べてみたい。バーコード読み取りもそれはそれで大変と書いてあったし、棚の写真を撮ってAIで背表紙や表紙からタイトルを読み取り書誌データと照合して自動で一覧化するとかできないかな。それから次の項目で出てくるRFIDタグを出版時にすべての出版物につけて、既に出てる出版物は手作業でつけるとか……?

26.店頭の在庫情報が未把握

・RFIDタグの導入によって「適正配本による返品抑制と粗利益の向上、万引き防止」を期待
⇒RFIDタグについては15年前くらいから話題に上っていたはす。ほかの小売でも同様にそこまで普及していないのは、ググってみると
「タグが高価、つけるのにもコストがかかる、精度にやや不安がある」などの理由がある様子。

参考事例:「PubteX社」丸紅+講談社+小学館+集英社によって設立
出版社がRFIDタグを添付。2023年夏に実証事業。現状は3社のすべてのコミックに提供。今後の対象範囲の拡大と普及には課題もあり、国等による導入支援に対する要望あり
⇒素晴らしい取り組み。期待。

27.万引き問題

⇒実際どの程度の被害があるのか知りたい。
たしかに、書店はくまな店員の目が届くわけでもなければ、客も動き回るよりもある程度決まった本棚の前で滞留する時間が長いので、そういった面からも万引きしやすいのかもしれない。RFIDタグの普及までの間、どういった対策ができるかとなると、新しいアイディアは思い浮かばない。
今まで通り店員が作業を兼ねて巡回する、防犯カメラや鏡を設置する、アナウンスや挨拶をこまめにかける、警察官立ち寄りどころにしてもらう、窓や本棚の配置を工夫してどこでも人目が感じられるようにする…などできることをしていくしかないのかな。

28.付録付き雑誌などの店頭オペレーションの負担

⇒これって流通の仕組みとして雑誌と付録を別にするしかない現状で、出版社が多少優位な立場だから書店に負担を押し付けてしまっているというイメージ。
解決するなら、流通の仕組みを変えるか、セット組の作業を書店員以外の人にも担当してもらえるようにする。例えば、出版社スタッフを派遣する、セット組だけの作業をタイミーのような短期人材に依頼して、その費用を出版社と書店で折半するなど?
そういった書店からの要望を全国的に取りまとめて大手出版社と建設的に交渉できる場や役割はあるのかしら
一応、「日本書店商業組合連合会」はあって様々な活動はされているけれど、「24年4月1日現在、45都道府県組合の登録所属員数は2536店」と、出版科学協会が発表している全国の書店数2023年現在約1万1千店舗の4分の1に満たない。日本書店商業組合連合会が総会 書店経営の改善に向け取り組み強化 - BookLink (book-link.jp)
どの程度交渉などをしているのか実績、なぜ所属が4分の1以下なのかなど追って調べみないと

29.文化施設、読書推進人材の活用機会が希薄

・公立・私立文学館や作家・文学者の記念館の来館者数の減少
⇒イベントなどの開催、書店とのコラボ企画などの検討はどうかな
もうやってるかな

・読書活動の推進に係る資格「絵本専門士」「認定絵本士」「朗読指導者」「読書アドバイザー」
⇒私は聞いたことあるけれど、世間一般の認知度はどの程度なんだろう?取得者数、活動内容について知りたい。どういった活用機会を想定しているのか。各書店に常勤または定期勤務するようなイメージか。その際、その人たちの人件費は書店や消費者からどの程度で設定するのか。
資格をとった人たちがこれから開拓していくのか。

⇒資格がなくても、SNS上などに読書紹介をしている人たちがたくさんいる。変に持ち上げるのと逆にフォローが離れてしまうかもしれないけれど、そういった人たちが書店とコラボしやすいといいなと思う。書店側の受け入れ体制を整えれば、そこまで難しい話じゃなさそう。有名な人、有名な書店だけじゃなくて、それこそ全国津々浦々各地でそういったコラボがあったら素敵だなと思う。




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