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『シナリオセンター式』で物語『あらすじ』の始まり部分を考える

『シナリオセンター式 物語のつくり方』で作る物語。
前回は『起承転結』の内、『転』の部分について考えました。

今回は『起』の部分について考えます。

プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方
新井一樹 @Scenario_Center

テーマ『自分で決断することが、大切だ』に対して、前回決めた『転』は、

・自分の決断をすべてAIに任せていた優柔不断な主人公が、AIとなんらかの手段で決別し、決断力をつけ、成長する

でした。

『起』は物語の冒頭部分に当たります。
このパートの役割で最も重要なのが『天地人』の説明。
『いつ』『どこで』『誰』といったことを説明する必要があります。

ただ説明すればいい、というものではありません。
読者を物語の世界に引き込めなければ、本筋に入る前に離脱されてしまいます。

なので、ここで物語としての『面白さ』が表現できなければ、勝負はそこで終わってしまう。
いわば『最も力を入れる必要がある』パートと言っても過言ではありません。

プロの方でも、冒頭部分は何度も何度も書き直す、ということを聞いたことがあります。
それだけ、ここで読者を引き込めなければ、評価すらしてもらえない、ということなのでしょう。

なので、この段階で決めた『起』は『仮の仮』決めくらいの気持ちでいるのがいいのかもしれません。
ここでガチガチに決めるのではなく、いつでも直せる、くらいの気持ちで、まずは考えてもいいのかなと。

では、どういう風に考えればいいかというと、『アンチテーゼから始める』です。

『アンチテーゼ』とは何か?
一言で言うと『テーマの反対』だそうです。

なぜ『アンチテーゼ』から始めるのか? というと、物語として最も面白くなる構成だから、です。

『アンチテーゼ』の状況を克服して、『テーマ』に辿り着く。
この過程を読者が一緒に体験することで、物語が面白くなる。

だから『アンチテーゼ』から物語を始めるというのが常道なわけです。

何度も書きますが、私が決めたテーマは『自分で決断することが、大切だ』でした。

この『アンチテーゼ』はどうなるのか?
これを考えるところから始まります。

考え方が分かれば、それほど難しいことではありません。
主人公の性格を『優柔不断過ぎる性格』としたわけですし、とにかく『何も決められない』主人公を描けばよさそうです。

・研究室をどこにしようか、選択できない
・就職先をどこにしようか、選択できない
・履歴書になんて書こうか、まとめられない
・自分の意見を求められると、答えられない
・今日何食べようか決められない
・etc…

いくらでもアイディアが湧いてきます。

というわけで、えいや、で決めてしまいます。

『研究室をどこにしようか』という悩みを、同級生に大学の食堂で友だちに相談する主人公

こんなオープニングが想像できたので、まずはこれで始めたいと思います。

この場面だけで

・主人公は大学3年生なんだろうな
・工学部生の場合、どの研究室を選ぶかって重要だよな
・食堂ってことは、何を食べるのか選ぶのにも迷っていそうだな
・相談する友だちはもうどこにするのか決めてるのかな
・その友だちにはバカにされるか、呆れられるか、からかわれるか、いろいろ態度は考えられるな
・モチーフである『生成AI』の話はどう入れ込もうかな
・etc…

と想像が膨らんでくるのと同時に悩みも出てきます。
悩みはおいおい考えていくとして、ざっくりこれで決めてしまいます。

というわけで、『起承転結』の『転』『起』が決まったので、次回はいよいよ物語の主要部分『承』について考えていきたいと思います。

プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方
新井一樹 @Scenario_Center

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