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「本に救われた」人を考える
ネットの世界で「本に救われた」と語る人を時折見かけます。各事例は違えど「救われた」と言っている以上、ある時期に辛いことを経験したことは間違いないでしょう。挫折したり、深く悩んだり、絶望したり、という中で本と出会い、立ち直るきっかけを得た経験から出てきた言葉なのだと思います。
店主も本に救われた経験がありますし、今現在も本に支えられています。ネガティブな思考を振り払ってくれる言葉を届けてくれる友人のようでもありますし、世の中を冷静に見通すことができる教養を与えてくれる師のような存在でもあります。
しかし、世の中には「本に救われた」経験がない人や、「そもそも、本を読んでも仕方がない」と考える人もいます。それはある意味ラッキーなことではありますが、少し不思議に思います。
そこで、自分の経験を通して「本に救われた」人とそうでない人を分析すると、本と真剣に向き合う経験の差だと気がつきました。
ただ、真剣といっても、本を盲心的に信じることではありません。本をフラットな気持ちで読み、考え、いい言葉があれば咀嚼する行為です。そういった行為の結果、本との関係性が深まっていくのだと思います。
最近の本の中には、読みやすく、わかりやすく、何をすればいいのか明確に書いてある本もあります。店主の考えとしては、そういった本とは関係性が深まりにくい。だから「本に救われた」という人が出てこないのではないかと思います。考えさせてくれる少し難しめの本の方がいいですよね。
「本に救われた」という人の中にも悪い人もいるかもしれないし、教養が足りていない人もいるかもしれない(自分を含め)。もちろんその言葉だけで人を判断することはできません。でも、その人が本と真剣に向き合った経験があるというところについては、誰に対しても信用したいなと思います。