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レティシア書房店長日誌

ひらやまなみ木版画カレンダー展

 「猫のボブ」
赤と白のサザンカが咲きこぼれる  緑の垣根のつづく冬の小道で、
猫のボブが言った。平和って何? きれいな水?皿?静けさ?
それからは、いつも考えるようになった。
ほんとうに意味のあるものは、ありふれた、何でもないものだと。
魂のかたちをした雲。 樹々の、枝々の、先端のかがやき。
すべて小さなものは偉大だと。(長田弘「奇跡 ミラクル」より)

ひらやまさんは大阪生まれ。関西大学文学部フランス文学科卒業、会社勤務を経て30年ほど前から木版画を作り始めました。お世話になった人たちには感謝の気持ちを、なかなか会えない人たちには元気で居るよ、と伝えたくて、久しぶりにカレンダーを作ったというひらやまさんの、木版画展です。2013年1月に個展をして頂いて以来になりますが、静かで、簡潔な画作りは変わっていません。季節の小さな変化を楽しみながら制作して来られた木版画は、見る者に安らぎを与えてくれます。
 今回の2024年カレンダーは、敬愛する長田弘さんの詩集からインスパイアされて作られたそうですが、上記の詩「猫のボブ」から表紙絵が出来上がりました。

カレンダー表紙絵「小道をゆく」(猫のボブより)


 流れる雲、木々、澄んだ空気、田んぼを走る小さなトラック、サザンカなど、懐かしい歌が聞こえてきそうなやさしい情景が切り取られています。版木も展示していますので、興味のある方はぜひ見てください。あたたかさが伝わってきます。


「ヒヨドリとワビスケ」

 カレンダーの原画の他に、シンとした琵琶湖の風景や、飼い猫のナナのいる室内、セキレイやヒヨドリの可愛い姿などの作品も並びました。(すべて額付きで販売しています。5000円〜20000円。 カレンダーは1430円)また、ひらやまなみ画文集「沖島の猫」(2200円)、ポストカード(150円)、雑貨店とのコラボ商品ロゴバッグ(770円)、カードセット(990円)などもあります。
 忙しい時期ですが、本屋の中にはあたたかで落ち着いた空気が流れています。本日より28日までと、お正月休みをはさんで1月5日〜7日の間、開催しています。ほっこり一息つきにお越しくださいませ。(女房)

「ストーブのそばで」

●レティシア書房ギャラリー案内
12/26(火)〜 1/7(日 「平山奈美作品展」(木版画)
1/10(水)〜1/21(日) 「100年生きられた家」(絵本)
1/24(水)〜2/4(日) 「地下街への招待パネル展」
2/7(水)〜2/18(日) 「まるぞう工房」(陶芸)

●年始年末営業案内
年内は28日(木)まで *なお26日(火)は営業いたします。
年始は1月5日(金)より通常営業いたします


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