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「勉強」とは「集中」である!大人は集中環境を整えよう!
目次
1 動機「なぜこの本を読もうと思ったのか」
2 課題意識「この本を読んでどんな課題を解決しようと思っているのか」
3 著者の紹介
4 本の結論 「勉強」とは「集中」である!大人は集中環境を整えよう!
5 本の要点
① 小学校では「基礎・基本」が大事。アクティブラーニングは高校・大学!
② 意味がわかってからの計算? 計算がわかってからの意味?
③ モジュール15分の時間の使い方
6 教師としての考え
7 保護者としての考え
8 子育てハッピーアクション
1 動機「なぜこの本を読もうと思ったのか」
・モジュール学習って何をすればいいの?負担は増えない?
私の勤務校でも朝のモジュール学習(15分)が始まろうとしています。休校中の授業時数に充てる考えです。生産性を考える私にとって朝の自習にプリントを毎回用意することは時間的に大変です。また、その割にわかる児童は簡単すぎるし、わからない児童にとっては結局自習でやってもわからないというサイクルが今までありました。
そこで、この本を読んでどんな15分の有効な活用方法があるのかを知りたいと思い手に取りました。しかも、陰山先生は
「学校を変える 15分!!」
という刺激的なタイトルをつけています。これは読むしかないと思いました。
・漢字テストの点数が伸びない!漢字の最適な学習法とは?
私のクラスでも子どもが漢字を「忘れてしまう」という現象に悩んでいます。漢字の小テストでは、まずまずなのに、学期末50問テストの頃になると、すっかり忘れてしまい、
今までの漢字学習に費やしてきた時間は何だったんだ〜〜!
となることが増えてきたので、よりよい漢字習得法がないかと思って読んでみました。
2 課題意識「この本を読んでどんな課題を解決しようと思っているのか」
・モジュールの朝の15分をいかに有効に使うか?
・どのように学習した成果を評価すればよいか?
・生産性は?教員にとって大変じゃないのか?
という課題意識をもって読み進めていきました。すべて答えが書いてありました。
3 著者の紹介
著者は陰山英男さん。現在、全国各地で学力向上アドバイザーを務めています。「百ます計算」というフレーズは教育関係者だけでなくとも聞いたことがあると思います。最近は、Twitter上で教員に学力向上についてのアドバイスをしてくれています。
この本では、今までの陰山先生40年の実践をすべてまとめた「陰山メソッド完全活用マニュアル」として本の帯にも書かれています。それでは、どんな内容なのか早速みていきましょう。
4 本の結論
・「勉強」とは「集中」である!大人は集中環境を整えよう!
・大人ができることは、授業に集中を!テンポを!スピードを求めていくこと。
・集中していない子どもを救ってあげるのが教師(大人)の仕事。声かけ・目線・観察がとても大事。
5 本の要点
① 小学校では「基礎・基本」が大事。アクティブラーニングは高校・大学!
・国際学力調査の低下から提唱された「アクティブラーニング」。獲得した知識をもとに自分たちで考えて活用させていこうという趣旨ですが、日本では残念なことが起こったという一文があります。引用します。
「アクティブ・ラーニングという言葉に高校や大学の先生が反応せず、基礎基本をきちんと固めてアクティブ・ラーニングの土台をつくった義務教育がおかしな反応をすることだけが心配なんだ」
この文章は文部科学省の方がいった言葉のようですが、陰山先生は小学校では基礎基本が大切である。そのことが、後のアクティブラーニングへつながっていくと考えています。
② 意味がわかってからの計算? 計算がわかってからの意味?
・暗唱は意味がない。
・計算はその計算の意味がわかってから指導するべきだ。
・漢字の意味がわかってから読ませて漢字をかけるようにするべきだ。
などという論争が教育界ではたまに起こります。
その論争に答える陰山先生の答えはシンプルです。「どちらでもよい。」
・例えば、円周率「3.14」を知っていたとして、
A:3.14っていう数字は知っているけど、この意味は何だろう?(暗記→意味)
B:円周÷直径の比率って3.14くらいなんだ。覚えよう!(意味→暗記)
AでもBでもどちらでもよくないですか?というのが陰山先生の主張です。
確かに、暗唱で覚えている詩の言葉の意味がわからなくて、調べることもありますし、言葉の意味を全部わかってから暗唱するでもどちらでもいいですね。
ちなみに、漢字がわかって、その熟語が分かれば文章が読めるようになるから読解力もついてくる。新井紀子先生が提唱したRST(リーディングスキルテスト)でも、
陰山メソット実践校は高い成績を残していると陰山先生は主張しています。
③ モジュール15分の時間の使い方
・音読→漢字学習→百ます計算という型を本書では提案しています。詳しくは、本をご覧になって欲しいのですが、ざっくりいうと大事な点は2つ。
① 子どもに集中させる環境を大人が作ること。(声かけ・目線・褒める)
② 子ども達の集中を害さないために極力しゃべらない。システム化する。個別指導する。
点が大事になってきます。
6 教師としての考え
教育改善のアイディアが満載です。
・腕時計を子どもにつけさせたら?
・机間指導のときのポイントは?
・あなたの目線はどこを見ている?
・手をあげない子にわざとあてるポイントとは?
・鉛筆の持ち方は病気状態になっていない?
・学校にルンバ設置したら?
・教師が説明を言い直さない。
・時間で管理する。
・あなたの立ち位置は子どもの集中に寄与しているか?
共通して言えることはすべて「集中環境を整えるために」です。この点は教師として大事なことであると再確認できました。
7 保護者としての考え
・我が子を集中させることって難しいですよね。ただし、親にもできることはあります。
「認めてあげる」
「えんぴつの持ち方を正しくしてあげる」
「一つのことに集中させる(マルチタスク✖️)」
「飽きるまでとことん熱中させる」
「順番を明記してあげる」
「目標は一つだけにする。あれこれを求めない」
「えんぴつが止まったところを見て、支援してあげる」
など「子どもの集中」を意識して声かけ・支援していきたいものです。
8 子育てハッピーアクション
・子どもに集中させる環境を整えてあげよう!
・百マス計算・漢字を5秒で書けなかったらやり直し・音読の暗唱をさせよう!
・時間感覚をつけさせるために子どもには腕時計をつけさせよう!
ぜひ、本を手に取ってみてください。