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オンライン書店の始め方。屈強な肉体と、全てを包み込む深い懐を備えよう。

年末から年始にかけて、絵本の選書のお題を募集し、合計28冊の絵本を紹介させていただきました。

抽選を行い、動画で当選の結果発表をしました。

あとは、当選者の方に、発送をするだけです。

さあここからは、「ネット本屋さん」の練習です。


ただ。

発送するだけなのに、実際に絵本をポストに入れるまで、めちゃくちゃ時間がかかってしまいました。

お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。


さあ、いったい、その間何をしていたのか。
以下、その言い訳を始めます!

① 絵本を取り寄せる

某本屋さんで絵本を注文した。3月までは教員の身。まだ仕入れはできない。これをわざわざ開封し、もう一度詰め直し、再度私達の手で送るという、謎の儀式が、今から始まるのである。

直でその絵本屋さんから当選者さんのところに送るのが一番いいと思うんですけど、それをやっちゃったら、ねぇ。


② それっぽい手袋を購入する

高松の本屋ルヌガンガさんが、本を整頓する際に白い手袋を着用されていた。それがめちゃくちゃかっこよかったので、勢いで購入。大事な商品を触るときは、これで。そう、私は形から入るタイプ


③ 先輩方の送り方について調べる

本屋さんのあらゆる紙データを保存している男である私は、こんなときのためにこれまで注文した本をくるんでいた包みも保存している。

段ボールだったり、普通の茶封筒だったり、クッション封筒だったり、厚紙封筒だったり、容れ物は様々。

なるほど、クリックポストの大きさの範囲の中であれば、なんでもいいわけだ。

今、「クリックポスト」と簡単に言ったが、16年間黒板にひたすらチョークを打ち付ける生活をしていた私には、人様に物を郵送するという経験が圧倒的に足りない。メルカリの経験も、残念ながら、ない。

公務員の「郵送」と言えば、「文書交換」というシステムが主流である。各校の業務士さんが、職員が市内の公的機関に送りたいすべての荷物を、毎週決められた曜日に役所へ持っていてって、自力で交換して持って帰ってきてくれるという独特なシステムである。

外部の機関へ物を送るという仕事なんてほとんどないので、私の郵送経験は「年賀状」か、「業務士さんに『これお願いします』と頭を下げる」くらいしかない。だから、こんなことでさえ「練習」が必要になる。で、実際、めちゃくちゃ苦労する。


④ クリックポストに登録し、ラベルを印刷する

人生初のクリックポスト。大丈夫だった。
なんだこれ、意外と簡単だ。

郵便局ホームページ


ホームページにログインし、色々と情報を入力し、amazon payかyahoo!ウォレットで支払い手続きをするだけ。


郵便局ホームページ


なめるなよ、これくらいはできるぞ。


これはサンプル


それで、自宅のプリンタでこんな感じに印刷して、あとは封筒に貼り付けてポストに投函するだけ。

なんなんだ、世の流通システム。
なんて便利なんだ。
知らずに生きてきた。


⑤ 郵送用封筒を手に入れる

あとはさっきのラベルを貼り付けて、送ればおしまい。なんだ、たったの、それだけか。というわけで、アマゾンにて「厚紙封筒」を購入。25枚で2000円くらい。多分アスクルとかのほうが安そうだったから、実際にネットショップを構える際にはもっと安いのを探そうと思う。残りの封筒は、4月以降にとっておこう。

ちなみに、どうしても厚紙封筒じゃなきゃいけないわけじゃないけれど、取り寄せた本屋さんが厚紙封筒に入れて郵送してくれたので、私も厚紙封筒で郵送したかった。謎のこだわり。

無事アマゾンから届いた厚紙封筒


さっそく新品の絵本を入れようとした瞬間に、違和感をおぼえる。

ん?



間違えた!
これB4サイズ!!

クリックポストのサイズの範囲から、大きくはみ出してしまっている!


郵便局ホームページ


急に役目を終えた厚紙封筒25枚(B4)。

ああ、やってしまった。


今思えばこの時点で黙ってもう一度アマゾンで、同じもののA4版を同じ値段で購入すればよかったものの、なぜかその道は辿らず、迷走を始める。


⑤ 厚紙封筒(A4)を探す旅に出るⅠ

100均に行く。厚紙封筒はダイソーで売っているという情報をネットで得る。自宅最寄りのダイソーに駆け込むが、みつからない。


ダイソーは店内商品撮影OKとあったので堂々と撮る


B4の厚紙封筒を余らせてしまった。
この失敗を取り返したいという一心で、探す探す。

見つからない。

他に何店か巡るも、見つからない。


⑥ 厚紙封筒(A4)を探す旅に出るⅡ

100均を諦め、大きな文具屋さんへ。事務キチ、ジムキング⋯を、巡るも、置いていない。フニャフニャの封筒しかないのだ。

もっとこう、屈強な、あらゆる衝撃から大切な絵本を守るムキムキな封筒が欲しい。バッファローマンみたいなやつ。

いや、プチプチ巻いたり、段ボール封筒にしたり、他にもやり方はあるだろうと、どうしてそんなに厚紙封筒にこだわるんだと郵送玄人の皆様は滑稽に思われるかもしれない。

こうなったら意地である。
先輩本屋がこの絵本を厚紙封筒で我が家まで送ってきてくれたのだから、私も本屋の端くれとして、同じように厚紙封筒で送りたいと思うってもんでしょう。

すると⋯。


あった!


文具屋を諦めて入ったホームセンターに、厚紙封筒A4版を、発見!!

やった!

「ドーナツ買ってあげるから一緒に行こ」と着いてきた我が子達と小躍りする。

「見つかってよかったね」

ポン・デ・ショコラを頬張りながら喜ぶ娘たち。

「うん、安心した」

オールドファッションを、ご機嫌に頬張る私。



この後、自宅で悲鳴を上げることも知らずに。



この封筒。

絵本が、ジャストサイズ過ぎて、入らないのだ。

こいつは、屈強だが、器が、身体が小さいのだ。
ミートくんじゃ話にならない。


どんどんいろんなサイズの封筒のストックだけが溜まっていく我が家⋯。


⑦ 厚紙封筒(A4)を探す旅に出るⅢ

もうこうなったらヤケクソ。

あらゆる衝撃から絵本を守る屈強なタフネスと、全てのものを包み込む深い優しさと懐を併せ持つ厚紙封筒をどうしても手に入れたい。テリーマンみたいなやつ。

スマホで検索する指にも自然と力が入る。

次はどこへ行けばいい?

「ヤマトにある」


行くでしょう!!!


実は自宅のすぐそばに営業所がある


「厚紙でできた封筒がほしいんですが⋯」

「こちらになります、はいどうぞ⋯」



うーん⋯。



なんか違う⋯。



⑧ 諦める。

見かねた妻が、タオルを投げた。
ゴングが鳴った。試合終了。

「厚紙封筒じゃなくてもいいじゃない」

そのとおりである。100均で、いくつか封筒を買ってきてくれた。


まず、ダイソーのクッション封筒。

あと数ミリ、サイズが合わず、入らなかった。



セリアの段ボール郵送ボックス。

これも、おしい!
あとわずかのところで、入らなかった。



ようやく入ったのがこれ。クッション封筒。

でもそのままだとサイズオーバーしていたので、角をガムテープで止める。

本当は透明のテープでとめたかった。開業までには準備したい。


ラベルはサンプル


ちなみに中は、こういう透明の袋に絵本を入れて、



本屋らしく、ショップカードも入れて、



ついでに、わたしがコラムを寄稿した、店を構える町のフリーペーパーも入れてみた。



そして、変なこだわりのせいでとても時間がかかってしまったが、ようやく発送することができた。

めでたしめでたし。


◇◇◇


というわけで、当選者の方には遅くなってしまって申し訳なかったのですが、実際にネットショップを開く前に「練習」をさせていただくことができて、本当によかったなと思っています。


揃えておくべき道具が、なんとなく分かりました。

注文を受けてから発送までの手順が、なんとなくわかりました。


始まってからあたふたしていたら、大変なことになっていました。いや本当に、ありがとうございました。



さて、今回の騒動のおかげで、自宅には、サイズが合わずに出番を待っている新品の封筒たちがたくさんいます。いや、最初からアマゾンでA4を買い直せばこうはならなかったのですが。

まあでも、これもなにかの縁だろうと思い、決めました。




封筒がいっぱいあるので、

【第2回 絵本の選書のお題募集】を開催したいと思います!





ちなみに、前回の絵本の選書を終えた時に、めちゃくちゃ嬉しい感想をいただきました。


掲載許可はいただいております!



今読み返しても嬉しい感想なのですが、

その際、「オンライン選書」の話になったのです。




ああ、なるほど!
それは素敵な取り組みだ!と即決。

いずれ、そんなサービスも始めたいなあと考えています。

嬉しい感想と、素敵な提案を、ありがとうございました!



というわけで、【第2回 絵本の選書のお題募集】を開催したいと思います。

詳細につきましては、また後日、note上で発表したいと思います。


たくさんの方のご応募をお待ちしております。

よろしくお願いいたします!