#垣谷美雨 #後悔病棟
人とコミュニケーションを取るのが苦手で、患者の気持ちがわからない女医のルミ子。
ルミ子は末期がんで余命数ヶ月と宣告された患者達を診ています。
患者やその家族との会話に苦労しているルミ子はある日、心の声が聞こえる不思議な聴診器を拾います。
そこから、聴診器を通じて患者の心の声と対話をしていくのです。
タイトルにあるように患者はおのおの「後悔」を抱えています。
そして、心の声が聞こえる聴診器にはもう一つ特殊能力があります。
後悔している時に戻る力があるのです。
現実ではあり得ない状況を末期がん患者達は受け入れ、後悔している時に戻ります。
どんな人生でも後悔はきっとある。
でも案外、その後悔は要らぬ後悔だったりする。
100点満点までとはいかなくても、60〜70点くらいの合格点だよ。
だから自分の今の人生をそんなに悲観的に捉えなくていいんだよ。
と、勇気づけてくれているような気がしました。
作中の登場人物が全員そうか、と言われるとそうでもないかもしれません。
仕事人間だった男性はもっと家族との時間を大切にした方がよかったでしょう。
全員が今の人生でよかった!とならないあたりが、リアルですごくいい作品だなと思いました。
あの時〇〇しておけばよかった人生ももちろんある。
でも、大体のことは今の人生でよかったんだよ。
過去を悔やまず、生きている私たちは今を大切にしようね。
というような前向きなメッセージを感じました。
次回作の「希望病棟」も読みたいと思います!
垣谷さんの絶妙なファンタジー感がすごく好きです。
「リセット」も過去に戻るお話しです。
こちらは今の経験を抱えたまま高校三年生当時に戻って人生をやり直すお話しです。
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