『死ぬときにはじめて気づく人生で大切なこと33』大津 秀一
概要
『死ぬときにはじめて気づく人生で大切なこと33』は、医師である大津秀一さんが、これまでに数多くの患者を見送ってきた経験をもとに、人生の終わりに「本当に後悔しないために必要なこと」をまとめた一冊です。私たちは普段、健康、成功、お金、競争、外見などに多くのエネルギーを注ぎますが、果たしてそれが本当に大切なものなのでしょうか?著者は死を間近にした患者たちの声を通じて、人生で何を優先し、どのように生きることが大切かを問いかけます。自分の人生を振り返るうえでのヒントが豊富に盛り込まれており、人生観を深く見つめ直したい人におすすめの内容です。
本のジャンル
自己啓発、人生論、メンタル・マインドフルネス、健康
要約
はじめに:死を前にして浮かび上がる後悔と気づき
死を迎える瞬間、多くの人が「もっとこうしておけばよかった」「なぜこんな選択をしたのだろう」と後悔を抱えます。本書の中で著者は、患者たちの最期に感じる後悔や、逆に死の間際だからこそ気づけた「本当に大切なもの」を紹介しています。普段は見落としがちな「心の声」に耳を傾け、豊かな人生を築くための教訓が、具体的な事例を交えて語られます。
1. 健康への執着
「健康がすべて」ではない
私たちは、健康を守るために無理な節制を続けたり、ジム通いに膨大な時間を費やしたりしがちです。もちろん健康であることは大切ですが、健康を追い求めるあまり他の重要なことを犠牲にしている人も少なくありません。著者は、「健康ばかりに意識を奪われては、本当に大切なものを見失う」と述べています。ある患者は、筋トレに励み鍛えた体を誇っていましたが、病気が進行し、その筋肉を維持することが不可能になると、「何のためにそこまで健康にこだわっていたのか」と強い後悔を抱きました。結局、健康であることも一つの手段に過ぎず、全てではないのです。
2. お金と成功の罠
「富を求めすぎた人々の最後」
著者はお金や成功への執着がいかに私たちを束縛するか、いくつかの事例で説明しています。裕福な家庭の人々が財産を巡る争いに巻き込まれた結果、病床でさえ心の平穏が得られないことも多いそうです。死を目前にして初めて、自分が大切にしていたお金や成功が本当の意味で自分を幸せにしていなかったと気づくのです。一方、貧しいながらも愛する人々に囲まれ、満たされた気持ちで最期を迎える人も多くいます。「お金があることは幸せの条件にはなり得るが、決して十分条件ではない」という考えを、本書は読者に投げかけています。
3. 競争心がもたらす孤独
「勝者にも敗者にも等しく訪れる最期」
競争心が原動力になる一方、競争のみに焦点を当てると、周りの人間関係や時間の大切さを見失ってしまいます。競争ばかりの人生を歩んだ人は、病床で自分を見舞う人が少なく、孤独を感じながら最期を迎えることが少なくありません。著者は、「仕事ばかりで家族との時間を持てなかった患者が、家族に疎まれていることを感じ、悲しみの中で逝った」という話を語っています。仕事での地位や成果だけでは、本当の意味で心の豊かさは得られないという教訓がここにあります。
4. 夢と目標に縛られない生き方
「夢を追うこともほどほどに」
現代社会では、夢や目標を持つことが当たり前のように思われていますが、著者は「夢や目標に縛られすぎて苦しむこともある」と語ります。夢に囚われすぎるあまり、今を楽しむことを忘れてしまうこともあります。夢を持つことは素晴らしいことですが、それに囚われて自分を追い詰める必要はないのです。むしろ、夢や目標を「今」ではなく、柔軟に変えられる心を持つことが大切であり、長い人生を生きるうえで必要不可欠です。
5. 他者との比較をやめる
「比較の罠から抜け出す」
人はしばしば、他者との比較で自分の価値を見出そうとします。しかし、著者は「死の瞬間は誰もが平等」であることを強調します。比較から抜け出し、自分にとっての「幸せ」を見つめ直すことが、後悔のない人生につながると述べています。どれだけ競争を勝ち抜いたとしても、死ぬ瞬間に自分の価値が他者との比較で決まるわけではないのです。
6. 性欲や執着心から解放される
「執着を手放す」
著者は、人生を充実させるためには、性欲や執着心から解放される必要があると指摘しています。執着心は人を苦しめ、自由を奪う要因となるため、それを手放すことで本当の安らぎと幸福が得られると述べます。人生の最期には物質的な満足よりも、心の自由が重要だというメッセージです。
7. 運命と死を受け入れる
「死の恐怖から自由になる」
私たちはいつか必ず死を迎えますが、そのことを意識するのは苦痛でもあります。著者は、死の恐怖にとらわれすぎず、「今」を生きることの重要性を強調しています。人間の死亡率が100%である以上、いずれは迎えるものと捉え、日々を楽しむことが最も大切だというメッセージが込められています。
まとめと感想
本書は、日常の価値観に揺さぶりをかけ、何が本当に大切なのかを深く考えさせてくれる一冊です。特に、競争や成功にとらわれる現代社会の中で、後悔しないためには、物質的なものだけでなく、心の豊かさを見直す必要があると強調されています。人生の最期に「これでよかった」と思えるような選択を重ねていくために、いかにして不必要な執着を手放し、今を生きることができるか。心に響く教訓が多く、読後には穏やかな気持ちになれるでしょう。リンク先の口コミにも多くの高評価が寄せられていますので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
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