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『コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト』高松智史

概要

「コンサルが『最初の3年間』で学ぶコト」は、世界的なコンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループ(BCG)での経験を活かし、著者・高松智史さんがコンサルタントとして成功するための「仕事術」をまとめた一冊です。著者は、コンサルティング業界の厳しい環境の中で身につけた104の「鉄則」を披露しており、その内容はビジネスパーソンとしての基礎スキルから、クライアントとの信頼関係を築くための方法論、そして問題解決力の向上まで多岐にわたります。コンサルタントとして高い成果を求められる現場で培った実践的なノウハウが詰まっており、コンサルタントだけでなく、すべてのビジネスパーソンにとって価値のある内容となっています。

本のジャンル

ビジネス、自己啓発、コミュニケーション

要約

1. 上司に詰められたら「詰め返す」アプローチ

著者が提唱する一つ目の鉄則は、上司から厳しい指導や詰問を受けた際に、避けるのではなく「詰め返す」ことです。これは単なる反抗的な行動を意味するのではなく、上司との距離を縮め、積極的に関わる姿勢を見せるというものです。

多くの人が、叱られたり厳しく指摘されたりすると、つい上司から距離を置きがちです。しかし、著者はこの行動が逆効果だと警鐘を鳴らしています。上司は通常、部下に期待を持って指導しており、それを避ける行動は信頼関係を損なうリスクがあるためです。そこで、高松さんが提唱するのは、叱られた直後に「次のミーティングの時間をとってもらえますか?」と自ら提案することで、改善への意欲を示すことです。これにより、上司からの指導を「拒絶」ではなく「受け入れ」として捉え、次に何をすべきかを考える時間を確保できます。

たとえば、プロジェクトが遅延した際に上司から厳しく詰められた場合、その場で謝罪するだけではなく、次回の改善ミーティングをお願いすることで、問題解決に向けた姿勢が評価されるでしょう。これにより、上司も「本気で改善に取り組む意欲」を感じ取り、むしろ信頼が強まります。

2. 「大きく3つあります」という表現をやめて「カテゴリー」で説明する

二つ目の鉄則は、プレゼンテーションや会話で使われがちな「理由は大きく3つあります」という言い回しを避けることです。この表現は、よく見かけますが、著者によれば「聞き手にわかりづらさを与える」ことが多いといいます。一流のビジネスパーソンは、聞き手が次に話す内容を予測しやすいように、理由をカテゴリー分けして伝えることで相手の理解を深めます。

例えば、話の構成を「顔、演技力、人間性」といった具合にカテゴリーで示すことで、聞き手は次にどのような情報が得られるかを予想しやすくなります。これにより、情報が体系的に頭に入り、納得感も増すのです。ビジネスにおいては、ただの「3つの理由」という表現よりも、聞き手が関心を持つようにカテゴリ分けを工夫することが重要といえます。

3. 長澤まさみを分解せよ:6ステップで仕事を進める

仕事を進める上で、著者は「論点」「サブ論点」「タスク」「スケジュール」「作業」「アウトプット」の6つのステップに従うことを推奨しています。これは、複雑な課題を解決するために重要なフレームワークです。

たとえば、クライアントから「長澤まさみをハリウッドで売れっ子女優にしたい」という課題が与えられた場合、「長澤まさみがハリウッドで成功するためにはどうするべきか?」という「論点」を明確にすることから始めます。この大きな論点を解決するために、まずは「ハリウッドが求める日本人女優の要素」「ハリウッドで売れている日本人女優の共通点」「まさみの強み」などをサブ論点として設定します。

次に、サブ論点を「タスク」に分解します。たとえば、「ハリウッドでの需要を分析する」「まさみの強みを活かすマーケティング戦略を考案する」などがタスクに当たります。そして、これらのタスクをスケジュールに落とし込み、作業を進め、最終的にクライアントへのアウトプットにまとめます。著者は、この手順を守ることで、ただ知識として持っているだけでなく、成果を出すための「実行力」が養われると強調しています。

4. サブ論点の選定に役立つフレームワーク

サブ論点が膨大に発生する場合、どれに焦点を当てるべきかが難しい場合があります。高松さんは、3C、4P、SWOT分析といった「フレームワーク」を活用することで、この問題を解決することを推奨しています。

ビジネスの現場では、課題解決に向けての方針が定まらないことが多々ありますが、フレームワークを使うことで、解決すべき「論点」と「サブ論点」が体系的に整理され、効率よく進められます。たとえば、3C分析を使えば、顧客、競合、自社の視点から論点を洗い出し、優先順位をつけてサブ論点を整理することが可能です。こうした方法を用いることで、膨大な問題に振り回されず、的確に解決に向けたアプローチを設計できるようになります。

まとめと感想

「コンサルが『最初の3年間』で学ぶコト」は、仕事に取り組む姿勢や業務の進め方を根本から見直すための指針が詰まった実用的な一冊です。特に、上司との関係を構築する方法や、複雑なタスクを整理して進める方法などは、日々の業務にそのまま活かすことができる内容です。著者がBCGでの経験を通して体得した「鉄則」は、他の業界や業務にも応用可能であり、職場での成長に直結するスキルが多数紹介されています。

本書のアプローチを実際に取り入れることで、ビジネススキルが確実にアップし、キャリアの飛躍が期待できるでしょう。リンク先でも非常に高評価が寄せられており、ビジネスにおける「即戦力」としての価値が多くの読者から支持されています。ビジネスでの実力を伸ばしたい方には、この本が良い道しるべとなるでしょう。

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