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『本当の人生 人生後半は思い通りに生きる』和田秀樹

概要

和田秀樹さんの『本当の人生 人生後半は思い通りに生きる』は、年齢を重ねることで得られる自由と、その後の人生を充実させるためのヒントを教えてくれる一冊です。老後の人生を「余生」と捉えるのではなく、人生後半を「本当の自分の人生」として積極的に楽しむべきだと著者は主張しています。著者は、社会や家庭の責任から解放された後こそ、自分の本音に忠実に、思い通りの人生を追求する絶好のタイミングであるとし、人生後半の価値と意味について具体的な方法を挙げながら解説しています。

本のジャンル

自己啓発、ライフスタイル、人生論

要約

第一章:第2の人生をどうとらえるか

人生を「第1の人生」「第2の人生」と分ける考え方は一般的ですが、著者はこの分け方に疑問を呈します。特に多くの人が「老後は静かに余生を過ごすべき」という固定観念を持っています。しかし、著者は、人生後半こそ新たな挑戦をするべきであり、そこからが「本当の自分」としての人生のスタートと考えるべきだと説きます。
この段階で私たちは、仕事や家庭という「役割」から解放され、社会的な肩書きが薄れるため、自分のやりたいことに自由に取り組める時期に差しかかっています。著者は、この自由な時間を使って新しい趣味や活動を始め、自分らしい生き方を見つけることが重要だと強調しています。

第二章:本当の自分を見つけるための第一歩

「本当の自分で生きる」と聞くと、多くの人は戸惑うかもしれません。社会の期待に応え、役割を果たす中で本来の自分を見失ってしまった経験がある人も少なくないでしょう。著者は、人生後半において「本当の自分を見つける」ことが大切であると説きます。
ここで著者が提案するのが、「とにかく試してみる」姿勢です。興味のあること、少しでも関心があることに挑戦することで、自分の新たな一面を発見できるかもしれません。また、失敗を恐れず行動することも強調されています。著者によれば、この段階での失敗はむしろ経験としての価値が高く、次の挑戦を生む原動力となると述べられています。

第三章:今を楽しむ重要性

多くの人が「将来のために今を我慢する」ことを美徳と考えてきたかもしれません。しかし、著者は人生後半を迎えた今、未来のために我慢を続けることを見直すべきだとしています。特に、体力や健康が衰える前にやりたいことを実現することが大切で、今という瞬間に集中して楽しむ姿勢が幸福感を高めると述べています。
例えば、旅行や食事といった楽しみは、年齢とともに衰える感覚や体力の問題で後回しにすることが難しくなります。ですから「後でやろう」とせず、「今この瞬間」に実行することが、人生を充実させるために不可欠なのです。

第四章:限られた時間を意識する

著者は、人生には「限られた時間」があることを自覚することで、今を充実させる重要性に気づけると述べています。時間は無限ではなく、むしろ有限であることを意識することで、目の前の瞬間を大切に生きることができるといいます。例えば、残りの人生がどれだけかを考えることで、日常の何気ない瞬間や体験も一層価値あるものとして受け止めるようになると述べています。

第五章:本当の親友やパートナーを見つける

人生後半において、人間関係の再評価が重要だと著者は述べています。これまでは仕事や家庭の役割に応じた人間関係が重視されがちでしたが、ここで著者は「本当に自分が楽しく付き合える人たち」との関係を築くことを勧めています。
特に夫婦関係や長年の友人関係を見直すことで、本当の自分でいられる人間関係が築けるとしています。また、新しい出会いの重要性についても触れており、趣味のサークルや地域活動を通じて自分と価値観が合う仲間を見つけることで、後半の人生が一層豊かになると述べられています。

第六章:お金を理由に諦めない生き方

日本では、お金の心配から「やりたいこと」を諦める人が多いと著者は指摘します。しかし、著者は「お金のために好きなことを諦める必要はない」と強く訴えています。収入を確保しながらも無理なく趣味や興味のある分野に挑戦する方法について触れており、例えば小さな蕎麦屋やパン屋を開業する、趣味としてバイトをするなど、「お金を目的としない活動」も選択肢の一つだとしています。著者のメッセージは、限られたお金でどのように人生の満足度を最大化するかを意識しながら、やりたいことを大切にする姿勢です。

まとめと感想

『本当の人生 人生後半は思い通りに生きる』は、老後の人生を消極的なものとして捉えるのではなく、「本当の自分」を見つける新しい冒険の場として前向きに楽しむべきだと力強く訴えかけます。著者のメッセージは、今を楽しむことで人生に豊かさをもたらし、年齢を重ねることが新たな価値を生むと考えさせてくれます。
特に、年齢とともに増える「本当の自分」でいられる時間を大切にすることで、これまで見過ごしてきた趣味や興味が実現可能なものとなると感じさせてくれる内容です。本書は、人生後半を迎えた人が持つ「今を楽しむ力」を存分に引き出す指南書としておすすめの一冊です。リンク先の口コミも高評価で、ネット上でも評判が良いため、さらに詳しく知りたい方はぜひ本書を手に取ってみてください。

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