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『真面目な人ほど報われない』清水なほみ

概要

「真面目な人ほど報われない」は、真面目で努力を惜しまない人がなぜか成果を出せず、日々のストレスやプレッシャーを感じてしまうことの原因に焦点を当てた本です。清水なほみさんは、コーチングを通じて「メタ思考」と呼ばれる新しい視点を提案し、ストレスを軽減し、生きやすさを実現するための具体的な方法を紹介しています。メタ思考は、問題を上から俯瞰して見るような考え方で、固定観念やネガティブな思考パターンを打破する手助けとなります。本書では、さまざまな日常的な悩みに対して効果的な解決策を提示し、真面目に生きる人がより軽やかに生きられるようサポートしています。

本のジャンル

自己啓発、メンタル・マインドフルネス、心理学

要約

この本の主題は「メタ思考」の重要性とその応用です。メタ思考とは、物事を普段とは異なる視点から捉え直し、悩みや問題を解決するための有効な方法とされています。清水なほみさんは、ストレスや生活上の悩みを1段階上から捉えることで、より合理的に対処できるようになると述べています。

1. メタ思考の意義
私たちは通常、自分の見方や考え方に固執しがちです。例えば、職場での失敗を「自分の能力不足だ」と考えるのは、自分への厳しい評価によるものです。メタ思考を取り入れることで、その失敗を客観的に見つめ、他の原因や外的要因も含めて多角的に分析することができ、自己否定を避けやすくなります。

2. フィジカル型フィルター
清水さんは、「フィジカル型フィルター」という思考の枠を説明しています。これは、ストレスや不安などの抽象的な感情を実在する物体のように捉えてしまうことで、心身への負担が増してしまうというものです。このフィルターを解除するためには、感じているストレスを具体的に書き出し、視覚化することで解決策を見出しやすくします。

3. 問題回避フィルター
「○○したくない」という否定的な目標設定は、脳にとって効果的ではありません。清水さんは、「○○したい」「○○が必要だ」といったポジティブな目標に置き換えることを推奨しています。こうすることで、脳が目標達成に向けてより効率的に働き、実際に望ましい成果が得られやすくなります。

4. 他者原因フィルター
他者や環境を原因にする思考パターンは、自己コントロール感を損なう恐れがあります。「自分原因フィルター」を使い、すべての出来事を自分の選択や行動に結びつけることで、自分で問題を解決する力を得ることができます。これにより、人生の主導権を再び自分の手に取り戻すことができるのです。

まとめと感想

「真面目な人ほど報われない」は、真面目に頑張っている人がより自由で楽に生きるための道を示してくれる一冊です。著者が提唱する「メタ思考」は、日常生活の中でのさまざまな問題に取り組むための有用な手法であり、読者に新しい視点を提供します。フィルターを取り外すことで、自分自身をより客観的に見つめ、ネガティブな感情を乗り越えやすくなるのは大きな魅力です。清水なほみさんのアプローチは、特別な訓練がなくても誰でも実践できる点が特徴であり、忙しい日常の中でのストレス解消に役立つと感じました。

本書には、さらに多くの実践的なアドバイスが詰まっています。日々のストレスを軽減し、より充実した人生を歩むための第一歩を踏み出してみてください。

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