NJC妄想対談「高橋ヒロムが石井智宏に勝つ唯一の方法」
Y:そもそも勝てますかね? 石井さんは誰に対しても真っ向勝負を挑む名勝負製造機です。IWGPやG1、NJCなど主要タイトルの戴冠こそありませんが、NEVERのベルトを何度も巻き、シングルでオカダや棚橋、内藤、ケニーを倒した実績もあります。
O:でもここはどうしてもヒロムが勝たないと会社的にも困る。7月3日のNJC準決勝は無料配信だろ? ここで新日本の現在と次の時代を担うのが誰なのかをはっきり打ち出さないといけない。新たな視聴者を取り込む意味もあるし、この先の見えない情勢が続く中でプロレスファンに希望を与える必要もある。
Y:ジュニアのヒロムが恩師とも言える内藤哲也と大舞台のメインで戦う夢を叶えるため、ヘビーの強豪である石井さんに挑む。確かにこのシチュエーションには新たな希望への期待感がぎゅうぎゅうに詰まってますね。逆に言えば、ここでベスト4に残れないようなら、会社側のヒロムへの評価も現段階ではその程度ということでしょうか? あくまでも軽量級のトリックスターに過ぎないと。
O:と同時に、石井は簡単にヒロムを勝たせてもいけない。たとえば一瞬の丸め込み技とかを食らっても全部跳ね返さないとダメだ。禅問答みたいだが、ヒロムは絶対に勝たないといけないし、石井はヒロムを勝たせちゃいけない。じゃないとヘビーの強さなんてこんなもんか、単に身体がでかいだけでジュニアと変わらないなとなってしまう。たとえジュニアでも強い選手ならヘビーにも勝てる。でもヘビーのトップ選手はやっぱりジュニアとはモノが違う。この試合を通じてそのふたつの事実を見ている人に分からせる必要がある。
Y:難しいシチュエーションですね。丸め込み、ダメですか? 私はヒロムが動画で話していた「対ヘビー級用の新技」は丸め込む技だと思っていたんですが。
O:俺も実はそう思ってる。彼はヤングライオン時代に「キャッチ・ザ・ドリーム」というクイック(丸め込む技)を使っていたよな? 確かスーパージュニアに初めて出た時、それでTAKAみちのくから勝ちを収めている。対ヘビー級用の新技と聞いて「あれの改良版かな?」という妄想が真っ先に浮かんだよ。今回のケースに当てはめるなら、石井のフィニッシャーである垂直落下式ブレーンバスターを切り返して大逆転の3カウントかなと。でもそれじゃダメだ。ダメ、というかその手を使うのはまだ早い。
Y:え、どういうことですか?
O:ヒロムが丸め込む技で勝つとしたら、オカダとの準決勝だからだ。オカダは今や業界を代表するトップ中のトップ選手だろ? IWGPヘビーを何度も巻き、防衛記録も塗り替えた。G1もNJCも複数回制した。こんな大物を相手に今のヒロムが勝てるとしたら逆に一瞬のクイックしかない。オカダの商品価値を落とさずにヒロムを決勝へ進めるには他に方法が無いんだ。
Y:ということは、Oさんはヒロムがオカダに勝って決勝へ進むことを妄想してるんですね。
O:そうだな。こういう非日常的なご時世をみんな頑張って生きてるんだ。クソ暑い中でもマスクを着けてな。どうせ非日常的な状況が続くのなら、それぐらいの奇跡が起きてもいいんじゃないかって思ってる。
Y:何かしんみりしちゃいますね。じゃあヒロムが石井さんに勝つ唯一の方法というのは?
O:Time Bombでは多分勝てない。何とか一発決めても返されるだろう。リュウ・リーとの試合みたいに二発決められればいいが、石井はそこまで甘くない。Dという絞め技もあるが、ギブアップとか絞め落とすという結末は3カウント以上に負けたという印象をファンに残すから、ちょっと石井に対して酷だよな。ならば、答えはひとつしかない。
Y:あれですか?
O:そう、今年のドームでオスプレイに使ったTime Bomb2だ。ここで出し惜しみして勝てるほどヘビーは甘くない。俺は高橋ヒロムにIWGPヘビーを何としても巻いて欲しい。だから、ここはあえて真っ向勝負で石井という高くて分厚い壁に挑み、そして誰かのマイクじゃないけど「何が何でも」正面突破して欲しい。その上で次のオカダ戦では、対ヘビー級用の新技であるクイックを駆使してどうにか勝ちを掴んで欲しい。
Y:そうなるとヒロムと決勝で当たる相手はもう彼しかいませんね。
O:その妄想についてはまた別の機会に話そう。しかるべき時が来ればな。とにかく今は高橋ヒロムと石井智宏の熱い試合に期待するだけだ。
Y:明るい希望がうっすらと見えて来ました!!!!