妄想短編小説お試し版「昭和プロレス」
長さ的に掌編じゃないの、と誰かが思う。むしろ正平。
その名前はまずいだろ。アンドレが笑う。せめて京平だろ、今もなお現役だぜブラザー。ホーガンも続く。カブキさん、毒霧の原液はショウガ? ニンニク? そんなの知ってもショウガない。そうだよ。だっていくら書いても新人賞なんてラジャライオンの蹴りほどもかすりもしない。フォークをテリー焼きハンバーグに刺しつつ著者が真面目に呻く。次こそは次こそはでもういい歳だよ。僕が天龍ならそろそろSWSに移籍する頃合いだぜ。小説家になるまえにメガネ屋になりそうだ。もう投げようかな。
俺を投げることはできないぜ。アンドレが笑う。いや、やってみようぜブラザー。サベージが帽子とグラサンを外す。誰だおまえ人間離れした筋肉と頭のてっぺんがまるで俺じゃないかブラザー。ホーガンが人差し指を向け、ちっちっちと三度振る。靴ひもの色が気になって午前三時に電話をかけちゃったぜとサベージ。眠れないのは僕も同じだよと著者。どうして眠れないんだヴァイタミン摂ってるか? 摂ってると言えるほど摂ってる人はまずいないよホーガン。ブラザーと呼べブラザー。ごめんヤッシー。そいつは昭和じゃないぜブラザー。ごめんブラザー。通話が切れたんだよカス野郎とサベージ。気持ちは分かるけどああいう態度は人として駄目だろ。ノーテレフォンいい歌だけど真似すな。あとアックスボンバーで即大森を連想すな。太一とか論外だ。たとえ空港の一件が無実でもあの選手は論外だ。また昭和じゃなくなってる。
切れてないですよと吉田さん。俺を切らしたら大したモンですよ。切れたのはむしろ僕の日々の更新ネタですよと著者。そんな情けないオチで次があんのかこの野郎と三沢さん。やれんのか? バシーン!! モイスチャーミルク配合!!! こんな小説やめてやる!!! ありがとう!!!
そして暴動へ(完)