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いつか出会ってみたいもの

突然ですが、小さい物ってかわいいですよね。ドールハウスのミニチュアの家具や食器。子供の頃、シルバニアファミリーの家具や小物を買ってもらうのがとっても楽しみでした。
今でもミニチュア家具のガチャガチャなどを見かけると欲しくなってしまいます。シルバニアのアウトレットショップに行った時はものすごくテンションが上がりました。
他にもリカちゃんパーラーに付いていた小さな小さなパフェグラスやデザート皿。マグカップやティーセット。指の先ほどの大きさのおもちゃに夢中になったものです。
もちろん小さくてかわいいから、というのもありましたが、それよりももっとこうしたおもちゃを好きにしたのは、『世界のメルヘン』に収録されていた、『小人のニルス・カールソン』です。
主人公のバッティル少年が一人でお留守番をしている時、部屋のなかで何か物音がします。どうやらそれはベットの下から聞こえてくるようで、バッティルがベットの下を覗き込むと、そこには小人の男の子、ニルスがいたのです。秘密の友達ができたバッティル。ニルスの暮らしを助けようと、色んな物を差し入れます。使った後のマッチを集めて薪にしてあげたり、バッティルの死んでしまったお姉さんのお人形用のベットや食器、端布のお布団。
不思議なことにバッティルも小さくなって、ニルスの家に行くことができるのです。取っておいた小さなパンの切れ端も、小人サイズになればごちそうです。二人は兄弟のように仲良しになるのです。

イラストもかわいくて想像が膨らみます。

このお話が大好きで、うちにも小人さん来ないかなあなどと思った物です。ビーズや紙粘土で小さなパンや果物を作ってはミニチュアの食器に乗せて楽しんでいました。
大好きだった『小人のニルス・カールソン』。でもこれだけではないです。
言い方としては違う気もしますが、児童文学には“小人もの”というジャンルがありますよね!『一寸法師』や『おやゆび姫』、『小人の靴屋』『白雪姫』。小学校の国語の教科書に載っていた、時計に住む二人の小人、『チックとタック』、佐藤さとるさんの『コロボックル物語』。アニメから入った『ニルスの不思議な冒険』、『小さなスプーンおばさん』。少し暗いお話ですが、『はなはなみんみ物語』などなどたくさんあります。ジブリの『借りぐらしのアリエッティ』なんかもありましたね。これはもう大人になっていましたが。
バリエーションも様々で、大抵は小人という存在なのですが、一寸法師のように普通サイズの人間になったり、ニルスのようにいたずらの仕返しで魔法を掛けられて小人にされたり、スプーンおばさんに至っては訳もなく急に小人サイズになる特異体質というなかなかのトンデモ設定。コロボックルは小人というよりは神様ですね。
小人そのものが主役でなくても、『指輪物語』をはじめ、ファンタジーにもよく登場しますし、やっぱり児童文学と小人は相性がいいですねぇ。
自分の知らないどこかに小さなおうちがあるってとっても楽しい空想ですよね。もしもそんな小さなおうちに住む小さな秘密のお友達ができたら……。大人になった今だって考えると楽しいです。頼まれてもないのに家具とかいっぱい買っちゃいそう(笑)
あと、大抵小人になると動物と話せるようになりますよね。ニルスやスプーンおばさんがそうです。それもまた楽しそうなんですよね。私もふかふかの動物の背中に埋もれるように乗って運んでもらいたい!などといい歳をした今になっても考えてしまうわけですが。
妖精とか小人とか、いたらいいな、と思うもののお話ってどうしてこんなに楽しいんでしょう。人間にとってはなんの変哲もなく普通に生きている世界でも、彼らにとっては冒険に満ちた世界。人間には見つからないように、でも近くで暮らしている。
もしも彼らと出会えたら?もしも自分が小さくなっちゃったら?
そんな空想が楽しい、小人達のお話についてでした。

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