成年後見制度で老いじたく! ④後見人の他の仕事と申し立て、保証人とはどう違うのか
①後見人のその他の仕事とは
後見人は家庭裁判所から選任されるまでに平均2か月くらいかかる。本人の預金通帳を預かって管理し、必要に応じて生活費を下ろして本人に届けたり、他にも権利書や財産管理に必要な書類の引き渡しを受ける。現況届をしていない高齢者は年金収入が止まっている場合もあるので、そういうことをしらべて再支給手続きをしたりもする。なかには親族が年金を取り上げている場合もあるので、振込先を後見人名義の口座に変更したりもできる。
②法定後見の申し立てに向けて
財産管理者選任の申し立てで成年後見人が選ばれるまで2か月くらいの間に財産管理者が選ばれる。また、財産管理者に取り消し権の付与を求める申し立てもできる。正式に後見人が選ばれなくてもこれらの保全処分があれば本人の財産は守れる。
③後見人と保証人の違い
入院したりホームに入る際に保証人が必要となるが、任意後見人を身内に頼んだ場合は保証人になってくれることが多い。しかし弁護士などの専門家が任意後見人である場合は保証人にはなってもらえないことが多い。ホームや病院は費用の支払いを確実にするため、入所中にトラブルがあった際の連絡先として、そして死亡した際に遺体や遺品の引き取り先を確保するために保証人が必要となる。しかし病院は保証人がいないことが入院を拒む理由にはなりえないし(医師法で正当な事由がなければ治療を拒んではならないことが定められている)、任意後見制度があれば後見人が契約を結んだり亡くなった際のやり取りが遺言で供えられているので、最近はそもそも保証人を求められないこともある(本人が判断能力が低下していたらそもそも契約は結べない)。また、手術が必要になった際に本人と理解補助者として立ち会う人へのインフォームドコンセントが求められることも増えた。後見人は医療行為についての同意見はなく本人しか同意はそもそもできないが。ちなみにドイツでは手足切断のような重大な手術の時はセカンドオピニオンを付けて裁判所に許可申請して後見人が同意する仕組みになっている。
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