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緑青色のプレート


Verdigris green.
緑青色のプレート。

昔、ゴッホ展に行った際に装丁が気に入って購入した画集。

油絵のキャンバスみたいな質感と色使いに一目惚れ
爽やかなグリーンに清らかな白の薔薇に釘付けになりました


ゴッホといえばひまわりで有名ですが、私は白い薔薇の絵になぜかとても惹かれました。
この薔薇の絵の色使いがずっと頭の中に残っていて、気づいたらグリーンの釉薬ばかりテストしていました。

土の種類、釉薬をかける厚さ、焼く温度によって毎回違った色の出方をするので
これだ!と思える温度帯を見つけたときは本当にわくわくしちゃいます。

釉薬を薄くかけると、素地の土が少し透けて見える透明感のあるグリーンに。
厚くかけると、溶けて流れた模様が黒く煤けたような質感になり、光に当てるとキラキラと結晶のようなものも見えます。
どの焼き方、質感もそれぞれ個性があって今私の中で1番推している釉薬です。

光に当たると結晶がキラキラとしています
厚く掛けた場所が溶けた時に流れて黒く煤けた感じに



余談ですが、「良い色」ってなんでしょうね。
作品を作っているとよく「これはとてもいい色」とか
「この色は良くない、汚い」とか思うことがよくあったのですが、
結局それって自分の中の価値でしかなくて、何を持って「良い色」と言うのでしょう。
私にとっては汚く見えても、誰かにとっては綺麗で、ユニークで、良い色なのかもしれない。
そんなことを思うようになってから、この頃は窯から出てきた作品をまじまじと観察するようにして、安易にこれは良い!悪い!と0か100かで決める事をしなくなりました。

そうなると作品の評価を客観的にするのにもう少し知識や表現力が必要になってきます。

と言うことで、最近は書籍や図鑑と睨めっこです。
特に自然の色図鑑は仕上がりの色を客観的に言葉で表すのと、創作の際の助けになります。

最近よく見る図鑑
緑青(ろくしょう)


結局、土も釉薬も自然が生み出す物質なので、自然の中にこそ創作のヒントがたくさんあるのかも。
図鑑と睨めっこしては、これも作りたい、あれも作りたい、と頭の中でやりたいことが増える一方で作業が全く追いつかないのが最近の悩みです。



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