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人生ベスト10冊(ミステリー編)
こんにちは、本男(ほんおとこ)です。
ミステリー専門の小説紹介。2000年生まれ。大学1年次のコロナパンデミックをきっかけに、Instagramでの活動を始める。「日常に、ナゾトキを」というコンセプトのもと、毎日20時に厳選したミステリーをご紹介。
本好きな方なら、このテーマがいかに難問かわかるはず…
好きな本が無限に浮かんで、実際1週間くらい本棚の前でトーナメントを開催してました👑
さすがに10冊に絞るのは厳しすぎるだとということで!
今回はミステリー10冊+ミステリー以外10冊を選びました📚
それでは、早速ランキングを発表していきます🔥
第10位 『さよならに反する現象』 乙一(著)
〈帯を書くなら〉
別れは、最期の出会いでもある。
〈あらすじ〉
僕の趣味は、ニセ心霊写真を作ること。
ある日、いつも通り写真の合成をしていると、画面に謎の女性が映り込む。
映りたがりの幽霊が、青年に伝えたかった未練とは一体?
出会いと別れを描いた、5つの物語からなる短編集。
〈この本のココが好き〉
まず、表紙がカッコ良すぎませんか。
最近はキャラの顔が緻密に描かれているものが多い中、黒背景に幾何学模様ってシンプルでカッコいいと思って、本屋で衝動買いしたのがきっかけです。もちろん本棚に見えるように飾ってます📚
うゎ、怖っ。(油断してた)
乙一さんといえば、ゾクっとさせてくれる作家さんというイメージを持たれてる方が多いと思います。でも、今作は出会いと別れを描くって帯に書いてあったし、感動するほっこり系かなと思いきや、さすがは乙一さん。油断してた分、余計にゾワっと鳥肌立ちました😨
THE 沼作家。
乙一さんって、中田永一、山白朝子っていう別名義で作品を出してらっしゃるのご存知でしたか?僕は去年、初めて知ったんですけど、作風によって名義を分けてるらしいです。どんだけ、多才なの。しかも、その3人格で共作としてアンソロジーまで出版されていて、読んでみたらちゃんと別人が書いてるみたいに錯覚しました。恐るべき沼作家🖊️
第9位 『鏡の国』 岡崎琢磨(著)
〈帯を書くなら〉
「よしっ、騙されないぞ」と心に決めてから本を開いた。
その決心が既に手遅れであることも知らずに。
〈あらすじ〉
伝説的なミステリー作家の遺稿『鏡の国』が発見された。
作者が亡くなっているためその著作権は遺族である、姪が継承することに。
引き継ぎの際に、担当編集者が妙なことを彼女に伝える。
「この物語にはどうやら、削除されたエピソードがある」
削除された部分には何が書かれいていたのか? そして、どうして消さなければいけなかったのか?
〈この本のココが好き〉
伏線回収の数なら、ダントツ1位。
その具体的な回数まで書いてしまうとネタバレになってしまうので控えますが、ひとつ言えるのは、一回騙されたくらいで安心してはいけませんよ😨
キャラ、濃っ。
どんでん返し作品って仕掛けが壮大過ぎる分、キャラが意外と薄いことって多くないですか? その懸念が今作にもあったんですが、読んでみると「あ、このキャラかわいい」ってすぐに掴まれました。それもそのはず。この作者さん『珈琲店タレーランの事件簿』シリーズも書いてます☕️
正直、文庫本を待つのもアリ。
去年発売された作品なので、来年の頭くらいには文庫化されるかなぁとは思っています。ただ、今作は表紙も伏線のひとつなので、デザインが変わるかまではわかりません。ただ、あの分厚さ(488ページ)が本棚に飾った時にカッコいいんですよねぇ。なので、僕は単行本で買いました📘
第8位 『野良犬の値段』 百田尚樹(著)
〈帯を書くなら〉
命は平等だと微笑む大人さえ、それを証明できない。
〈あらすじ〉
突如ネット上に現れた「誘拐サイト」。
そこで公開された被害者は、6人の身寄りのいないホームレスだった。
前例がなく、世間はイタズラじゃないかと半信半疑。
そんな中、誘拐犯が被害者とは全く関係のないメディアに対して、多額の身代金を要求し始める。
もし、イタズラじゃなかったら、身代金を渡さなかったメディアの好感度は底辺まで落ちることになる。
〈この本のココが好き〉
どうやったら、こんなの思いつくの!?
命の重さは平等であるとよく言われますが、それは果たして本当なのでしょうか?それを試すのに身代金というシステムが残酷なまでに機能して、もはや目を背けたくなるほど、この問いに対するひとつの解を提示した作品です💡
映画化は無理だろうなぁ。
今作は単純な誘拐事件の推理というよりかは、好感度を狙うメディアの闇に迫っています。なので、内容もかなりダークというか、タブーというか。たとえ映画化したいという監督が現れても、出資してくれる会社がいなそうなほどリアル🖊️
上下巻なのに、イッキ読み。
メディアの闇が軸になっているとは言いましたが、決して推理が雑なわけではありません。むしろ、そこだけを目当てに読んでもいいほど最高級な推理劇。上下巻って読む前に身構えると思うんですけど、その分、丁寧に準備された伏線が回収される満足度も最高ですよ✨
第7位 『世界でいちばん透きとおった物語』 杉井光(著)
〈帯を書くなら〉
小説は紙で読む時代。
〈あらすじ〉
癌によって病死した大御所ミステリー作家は、僕の父だ。
彼は妻以外に複数人の女性と交際していて、僕の母はその一人だった。
そんな世間には隠したい息子である僕の元に一本の連絡。
「幻の遺作があるらしくて、何か心当たりはない?」
〈この本のココが好き〉
電子化できない魅力。
効率化・軽量化を目指して電子書籍が流行っている現代に、この本が出版されたことにとても意味を感じます。非効率を愛する趣味としての読書の意義を掲げるような作者の熱量を感じました🔥
伏線回収だけじゃない。
確かにこの本はどんでん返し作品として国内トップレベルの驚きで、僕も読みながら「マジか…」と声が漏れました。ただ、それに隠れて心情描写もめちゃくちゃ緻密なんです。そもそも冒頭から有名作家の死と、残された家族の心情が描かれていますが、それが天才的だからこそ、ラストで号泣できます😭
一冊目に持ってこい。
まだ、ミステリーに挑戦したことがない人に勧めるなら、僕は迷わずこの本を選びます。セリフ多めの良いテンポ + トップクラスの伏線回収 + 700円台の良心的な価格帯。もはや文句のつけどころがありません🛒
第6位 『月』 辺見庸(著)
〈帯を書くなら〉
純度が高くなるほど、善意と悪意は区別がつかない。
〈あらすじ〉
森の中にある障がい者施設で働くある青年は、何も行動せずに善を語るのはズルいと言い、社会のためにと患者19人を一夜で殺害した。
目を逸らしてしまいたくなるような、事件の残酷な真相とは?
そして、あなたは犯人に1mmも共感できないと言い切れますか?
〈この本のココが好き〉
現実に起きた事件がモデル。
2016年に相模原で起こった施設襲撃事件がモデルになっており、取材を経て執筆されているため、キャラクターのセリフや施設のディティールがとてもリアル。その不穏な空気をフィクションの力で膨らませた神作品です🖊️
実写映画版まで最強でした。
予告をご覧いただくとわかりますが、宮沢りえさん・オダギリジョーさん・磯村勇斗さん・二階堂ふみさんなど、豪華キャストで実写化されました。小説版では見逃していた、犯人の周囲にいた人物たちの異常性がヒリヒリ伝わってきます🍿
世界の見え方がちょっと変わる。
きっとこの小説を読む前にモデルの事件をニュースで見ていたら、「犯人、サイコパス過ぎる」「悪意の塊みたいな人だな」としか思えなかったでしょう。でも、この作品を読んだ後、本当に悪意だけで犯行に及んだのか、とニュースの犯人たちの心理を一度立ち止まって考えるようになりました📺
第5位 『リバース』 湊かなえ(著)
〈帯を書くなら〉
コーヒーを飲みながら読んでください。
〈あらすじ〉
美味しいコーヒーを淹れることが趣味の、サラリーマンの深瀬和久。
そんな彼は最近、行きつけのカフェである女性と出会い、何度か通ううちに付き合うことになる。結婚を考え始めた彼女の元へ、一通の手紙が届く。
「深瀬和久は人殺しだ」この手紙はただのイタズラなのか、それとも本当に?
〈この本のココが好き〉
たった一度きりの快感。
これからあのラストを堪能できるなんて。まだこの作品を読んだことがないあなたが心底羨ましい。騙される快感は初見さんしか味わうことができない尊い感情です。ぜひ、その大事な一回をネタバレされる前に堪能されてください🕵️
2周目は答え合わせ。
初見しか味わえないってことは、もう読んじゃった人はこれ以上楽しめないってこと? いいえ。それは少し違います。どんでん返し作品は一読目の満足度が高過ぎて再読しない方がほとんどですが、2周目には2周目なりの楽しみがあるんです。それは全部知ってる神様目線で、一読目では気づけなかった隠された細かい伏線を再発見すること。作者の力量を感じて、これはこれで最高なんです🔍
言うまでもないが、イヤミス。
流石はイヤミスの女王、湊かなえさん。今作も切れ味抜群でした。イヤミスからしか得られない独特の快感って絶対ありますよね。だからこそ、僕たちは嫌な気持ちになるとわかっていても、またまんまと読んでしまうんですよねぇ😱
第4位 『秘密』 東野圭吾(著)
〈帯を書くなら〉
一度奪われた人間は、もうこれ以上の最悪はないと盲信する。
二度奪われた人間は、幸せを期待することが恐ろしくなる。
〈あらすじ〉
長野実家へ向かう娘と妻を乗せたバスが、崖から転落した。
妻の葬儀の日、ようやく目を覚ました娘がおかしなことを話し始める。
自分は死んだはずの妻で、娘の身体に魂が宿ったのだと。
家に帰ると、今まで通り手際良く家事をこなしていく。小学生の肉体で。
〈この本のココが好き〉
ちゃんとミステリー。
あらすじを読んで「え、ファンタジー?」って思った方いませんか?僕も最初は泣けるファンタジーかと思って読み始めたんですが、本格的な推理劇でした。東野圭吾先生、いつもありがとうございます🙇
意外と読んでる人が少ないかも。
今作は『容疑者Xの献身』よりも前に書かれた作品で、最近読み始めた方は特に未読の場合が多いです。ただ、これを東野作品のオールタイムベストに選ばれる方も多いほど、長く愛される名作です📚
個人的な意見ですが…
東野さんの膨大な作品数を読破していくうちに、ある傾向を見つけました。それは、タイトルが漢字2文字の東野作品は当たり説。もし次に読む作品で迷ったら、ぜひ参考にしてみてください💡
番外編¦僕が初めて読んだミステリー 『探偵ガリレオ』 東野圭吾(著)
〈帯を書くなら〉
謎の解き方を教えてくれた教授
〈あらすじ〉
発見された遺体は、心臓の周辺だけが腐っていた。
奇妙な事件に翻弄される警察。中には怪現象だと言い出す者まで。
そんな難事件に挑むことになったのは、変わり者の大学教授。
彼いわく、この世にあり得ないことはない。必ず科学で証明できる。
〈この本のココが好き〉
スキマ時間が消えた。
我ながら一冊目として良い本を選んだな、と当時の直感を褒めたいです。読書で挫折する人の多くは、やっぱりページ数に圧倒されて途中で飽きてしまうパターンなので、一話70ページで完結する今作は初心者さんにオススメです🔰
コンビだから良いんだよねぇ。
名探偵とちょっと抜けてる助手。コンビでの推理はもはや王道ですが、個人的にこの二人を超えるコンビはまだいません。恋愛に発展しそうでしなかったり、超論理派の湯川先生が黛さんの感情論に心動かされたり。推せるポイントをあげ出したらキリがない👨🔬👮
20年以上続くシリーズ。
やっぱり何といっても、ハマったらどんどん深掘りできる豊富な冊数が最高ですよね。今年『透明な螺旋』が文庫化されましたが、20年も続けていただいてありがとうございますという気持ちしかありません。ガリレオと育ってきた学生時代でした👨🎓
第3位 『悲しみのイレーヌ』 ピエール・ルメートル(著)
〈帯を書くなら〉
僕はこれ以上、恐ろしい本を知らない。
〈あらすじ〉
「おれは帰ってきた」若い女性の遺体の横に残された、血文字。
第三の事件が発生し、これは様々な推理小説を模した連続殺人だと判明する。
今度はどの小説を真似るのか。予防策を講じている中、次の女性が誘拐された。
なんと彼女は、捜査を担当している刑事の妻だった。
〈この本のココが好き〉
一番好きな海外作家さん。
新刊出るたびに初日で欲しくて本屋へ走ります。海外作品を雑食的に読み漁っていた時期に、この方の作品に出会ってからは、とりあえずこの人を読破しようと路線変更。個人的にイヤミスの地球代表はこの方を選びます🖊️
展開が唯一無二。
基本的にミステリーはページが進むほど証拠が揃い、犯人が追い込まれる形をとりますが、今作はその真逆なんです。徐々に警察側を追い込むサイコパスが優位の展開で、初めて読む方にとってかなり斬新な読書体験になると思います👮♀️
真っ暗な本。
今作はランキングの中でも特に、万人にオススメしようとは思いません。この作家さんの世界観は究極にダークなので、読み疲れてしまう方もいるでしょう。ただ、ひとつ断言できるのは彼がその分野における最上級だということです👑
第2位 『怒り』 吉田修一(著)
〈帯を書くなら〉
心に刺さって抜けない本がある。これがそうだ。
〈あらすじ〉
若い夫婦が自宅で殺害され、現場には「怒」の血文字が残されていた。
犯人の身元は判明したが、整形を済ませて逃走中らしく、捜査は難航していた。
それから一年後、別々の場所で現れた犯人に似ている3人の男。
彼らの中に本当の犯人はいるのか?疑う側の人間の本性を覗き込む傑作。
〈この本のココが好き〉
人生で一度は読んでほしい。
個人的に今作のテーマは「疑念と信頼関係」だと思っています。犯人に似ている男が三人登場し、少なくともその中の二人は無罪です。犯人じゃないのに疑ってしまった自分を責めるキャラを描くことで、信じるという行為がいかに脆いのかを教えてくれます📘
時間がない人は映画でも◎
今作の映画版は間違いなく映画史に残る名作です。全キャラを主役級の俳優さんが演じ、日本アカデミー賞も受賞しています。ただ、一部ショックングなシーンが含まれますので、そちらご了承ください🍿
2回読んで、2回泣く。
本好きの方はこれがいかに珍しい現象かわかるはず。今作はバラバラの場所にいる三人を中心に、三つの場面でそれぞれの物語が進んでいきます。そして、その三つともが「これだけで一本の小説になるぞ」というレベルなので、読むたびに感動する箇所が違うレアな作品です😭
第1位 『青の炎』 貴志祐介(著)
〈帯を書くなら〉
小説を読んでいると、ごくたまに自分でも知らなかった自分に気づくことがある。
僕はこの作品で、自分も人を殺す可能性があることに気づいた。
〈あらすじ〉
母は女手ひとつで、僕(高校2年)と妹を育ててくれた。
ささやかな幸せに、10年前に離婚した父が土足で踏み込んできた。
母と妹に手を出そうとする傍若無人な彼を、警察は止めることはできない。
誰も助けてくはくれない、と青年は完全犯罪を企てる。
〈この本のココが好き〉
犯人目線で泣けるって、すごくない!?
サイコパスの目線から警察と騙し合いをして、最終的に仕掛けられた罠に犯人と同じく読者もハマるという構図はよくありますが、今作は犯人目線で泣かせるんです。家族を守るために完全犯罪を企てる青年に共感して、終盤はティッシュタイムで本が全然進まない😭
学生さんには特にオススメ。
今作では、17歳の主人公が今後の自分の人生と他の大切なものを天秤にかけるシーンが多く登場します。将来に不安を抱える学生さんの価値観を固めるために、今作はあなたを支えてくれる作品だと思います。
ハードパンチ過ぎる。
あらすじを読んでいただいてわかる通り、テーマがかなり重い作品です。ただその分、今作を読んで何も感じない人はいないだろうと確信しています。なので、体力に余裕があるタイミングで是非読んでみてください💪
以上です!!
普段の投稿10個分を超える文量なのにも関わらず、ここまで読んでいただき、ありがとうございます🙇
今回はとにかく推しへの愛を、この熱量を伝えたいという一心でまとめた企画です。10冊選んでみて、価値観を揺さぶる重めのミステリーが意外と好きだという発見もありました🔍
ミステリー以外の10冊もぜひ、覗いてみてください!
では、また👋