【読書メーター】2021年1月度まとめ
こんにちは、すたんど(@stand_00)です。今回は、1月度の読んで「読書メーター」登録したものをまとめてみます
1)100分de名著放送テキスト『資本論』斎藤幸平著(1月2日読了)
【1回目】これは「圧倒的」な本だ。斎藤さんはもはや、マルクスの研究者であるだけではなく、一人の自律的な思想家として在るのだと思う。生産や商品、疎外、労働といった、いわば「日常語」を梃子の支点として、暴走し、暴力化している資本主義に対する、いわばワクチンのような作用を及ぼそうとしている。しかしそれらは、大塚久雄や内田義彦のような先人から綿々と続く水脈を汲んだ清らかな水でもあったと思う。番組はまもなく放送が開始される。放送のあとで、再度読み返してみたいと思っている。
2)『同調圧力』鴻上尚史・佐藤直樹著(1月8日読了)
【1回目】お二方のお仕事の延長線上に位置づけられる著作と思われる。世間学会と、阿部謹也さんに言及されていて、うれしかった。昨今のコロナ禍の情勢の分析も織り込まれている。西欧流の「個人」も「社会」もないこの国にあって、一人ひとりが息苦しさを突き抜けて生きていくには、複数の「弱い世間」に依拠すること、「社会」への言葉と回路を見つける努力が必要だと読んだ。
3)『頭がいい人の読書術』尾藤克之著(1月10日読了)
【1回目】何でこうも「読書術」は流行るんだろう? 自分の「読み」に自信がないのか、「青い鳥」を探しているのか。特に気にかけたのは、①60%わかればよい、②本の上部の三分の一を通読すればよい、の2点。この三分の一理論を、さっそく適用させてもらった。2020年2月刊。
4)『檸檬』(青空文庫版)梶井基次郎著(1月13日読了)
【1回目】たぶん高校の教科書で読んでいたもの。檸檬を時限爆弾に~という下りは覚えているが、さすがにそれ以外は忘れていた。あと、詩だとばかり思っていたのだが、散文(小説なのか?)であったことも意外に思った。音楽や美術品などへの言及があったので、裕福な家庭に育ったことが想像されたが、肺病で死去したらしい。と、事実の側面しか入ってこなかった。
5)『Kindle出版完全攻略マニュアル』Ray著(1月14日読了)
【1回目】1月14日現在で、3題の出版予定がストックされているので、出版の実現に向けて読んでみました。こういうノウハウ本を読むのには苦手意識が勝ちすぎて、どうしても後半流してしまいます。必要に応じて、項目単位で再読できればいいなと思います。
6)『さよなら、読書論』すたんど著(1月15日読了)
【何回も】私にとっての初Kindle出版です。何人もの方に支えていただいて、発刊にこぎつけました。どうもありがとうございました!
7)『今こそ読みたい児童文学100』赤木かん子著(1月27日著)
【1回目】取り上げられている作品群がすばらしいことはもちろんなのだが、赤木さんの紹介文がまたすばらしい。どれもこれも、読みたくなるものばかりだった。刊行は2014年。その後すぐに入手していたはずだが、長く寝かせていたものだ。本と出会うのは、「タイミング」も重要で、読めるのは、その「タイミング」を逸してはならないものだと思っている。これからは、時々パラパラとページを繰って、にまにまと児童文学の世界にも浸ろうと思う。
8)『希望の資本論』池上彰・佐藤優著(1月29日著)
【2回目】1回目に読んだ記憶が全くないが、アンダーラインはしっかり引いてあって愕然。「100分de名著・資本論」(斎藤幸平)を読んでいたので、かなり理解の助けとなった、それがなければ、両氏のおしゃべりとしか感じられなかっただろう。両氏の共通点は、共に『資本論』から多大な影響を受けているところ。資本の原理(この「内在的論理」というのがどうしてもわからない)を理解することが、大切で、抵抗の拠点となるとしていることだろうか。ただ、お2人ともに、「碩学」「泰斗」といった感じではないんだよな。
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1月は、Kindle個人出版の2冊を除くと、6冊を読了した。さらに、その6冊のうち、2冊は「積読本」だった。今月のベストは、斎藤幸平さんの「100分de名著」解説テキスト『資本論』。同著者による『人新世の資本論』は、必ず読みたいと思っている。
今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。今後とも、よろしくお願い申し上げます。
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