【衝撃】「作家になりたいけれど、本は全く読みたくありません」
あるビジネス書の作家と話をする機会があり、いわれた言葉です。
なんか、本のタイトルになりそうな言葉ですね。
この作家さんはデビュー作で結果を出し(増刷)、2作目で1万部を超えるような本を出したいと考えていました。
「三田さん、今度は起業家になるためのメンタルをテーマにした本が作りたいんですよ」とある会合で言われました。
そこで私は、「どういった本をベンチマークにしていますか?」と聞いてみました。
すると、「三田さん…こういっては、怒られるかもしれませんが、本は書きたいんだけれど、本を読みたくはないんです」
私は「面白い!」と思いその方と話し込みました。
今回は私の過去をテーマに書いていきたいと思います。
「なんか、本って長いじゃないですか」
まず第一声がそれでした。
さらに、
「本の要約もネットにのっています。それを読んでしまえば、本は読まなくても、内容は理解できますよね。それに、それぞれの著者のおしつけじゃないですけど、成功するならこれやれ! っていうのが苦手なんです」
なるほど最近の読み手はこんなことを考えるんだなぁと思いながら
「では、なぜあなたは本を出したいのですか?」
と質問しました。
すると、
「やはり自分がしたのと同じ苦労を後輩にはしてほしくないし、僕の本を読んで後輩が成功していけば、世の中もっとよくなるじゃないですか? 自分は学歴も資金もなかったけれど、起業してたくさんの人と出会い、ある程度の事業規模を作ることもできた。それを後輩たちに伝えたいんです」
と熱い思いを話してくれました。
そこで、
「作家になるために、類書を分析してみては?」
と、彼に伝えました。
まず自分が他の著者よりも書けるコンテンツがあるかどうか、そしてステータスを分析し、強みになる部分はどこなのか?
これを分析することで戦い方も定まるはずです。
コンテンツとしては、
事業計画の立て方なのか、新規事業の見つけ方なのか、アライアンスの組み方なのか、スモール起業なのか、影響力のつけ方なのか、コンテンツの作り方なのか、投資の仕方なのか、決断力なのか、共感の生み方なのか
など、他の作家に比べてユニークなところを分析していくことで、テーマも見えてくるでしょう。
ステータスでいえば、
・企業内実績NO1もしくはトップ1%の実績をたたき出し、起業家に転身し、活躍する
・SNSで影響力をつけ、起業家になる
・泥臭く仕事をし、3年で売り上げ高1億円を達成する
など自分がどのカテゴリーに入るのか、それとも新たなカテゴリーを生み出せるのか考えます。
そして、自分は他の人と違って、どんなストーリーやコンテンツを読者に見せることができるのか、類書を読むことで描けるはずです。
こういったことを彼に伝えたところ、
「それは面白い! そんな観点で考えたことはありませんでした。一回本をしっかりと読んでみたいと思います」
と返答をもらいました。
それから数カ月後、彼から
「三田さんと話してから何冊か本を読んだんですが、本にしかない気づきがたくさんありました。体系的にまとまっているし、時系列で起業家になるためにやるべきことなどがまとまっているものもあって面白いですね。また、自分が書くとしたらというアイデアもわいてきました。ライバルを分析することはよくやっているのですが、現実世界のベンチマークと、書籍の世界のそれとはまた異なっており、これはこれで面白いです」
と連絡がありました。
なぜ、本を読むのか、読んだ方がいいのか? きっと人の数だけ答えがあります。
だからこそ、目的意識を持っている方と話をし、本を読むきっかけを作ることができるのではないか、という自信を深める経験でした。
6割の人が月に1冊も読まない読書離れに思うこと
先日、文化庁国語世論調査で月に1冊も本を読まない人が6割いたことが、大きなニュースになりました。
読書しない人の意見として、
「暇なときは、ユーチューブとか動画を見てしまう」
「携帯電話見ている時間(が長い)」
「読む時間がない。普通に。学生の頃とかは読む時間があった」
などがあがっていると、
宮崎放送の取材でも明らかになりました。
▼宮崎放送 「月に1冊も読書しない」が6割超 進む読書離れ 宮崎県民の実態は?
読書離れが出版業界に及ぼす影響は大きいでしょう。こういった事態にわたしが自分の立場でできることはなんだろうか?
そんなことを最近よく考えさせられますが、一点あげるとするならいろんな方と話をし、本の魅力を伝えていく以外に方法はないのかなと考えております。そしてそれぞれの方の生きる目的に本と一緒に寄り添えたなら最高だなと思うのです。
生きる目的に本が沿えているのなら、
「暇なときにこそ読書しよう」
「時間がないからこそ、読書しよう」
となるかもしれませんね。
今回の記事では、昔私がある著者と読書について話したことを記載してきましたが、たまに過去の記憶を呼び起こし、何か業界を活性化できるようなネタはないか、考えてみたいと思います。