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【読書記録】「残酷依存症」櫛木理宇
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サークル仲間の三人が何者かに監禁される。犯人は彼らの友情を試すかのような指令を次々と下す。互いの家族構成を話せ、爪を剥がせ、目を潰せ。要求は次第にエスカレートし、リーダー格の航平、金持ちでイケメンの匠、お調子者の渉太の関係性に変化が起きる。さらに葬ったはずの罪が暴かれていき…。殺るか殺られるかのデスゲームが今始まる。
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2025/2/27読了
大型書店にも在庫がくて、Amazonで買うしかないのか…と諦めかけていたところで、町の本屋さんで発見し、鼻息を荒くしながら購入。その後立ち寄った喫茶店で早速読み始めた。
そこから読み進める手が止まらず…通勤電車でも眉間に皺を寄せながら読み続け、今回も一気読み。
前作の「殺人依存症」とうまく繋がっていて、まさかのところで、え、またあいつ…?ってやつが登場する。
合間に挟まれる、謎のおばあちゃんのシーンも最後に綺麗に回収され、辛いんだけど面白い。
「だが、〝社会の敵〟と〝犯罪者〟は違うからな……。おれたちサツカンが追うのは、あくまで犯罪者のほうなんだ」(P239)
逮捕するのは警察だけど、起訴・不起訴を決めるのは検察。
逮捕された犯罪者が全員罰を受けるわけではないという事を改めて思い知ったし、司法の難しいところだと感じる。
「ねぇ、この世には悪意があるのよ。あれほどの悪意が存在するの。あなたは知っているでしょう。ええ、知っているわよね。でも、わたしは知らなかった。知っているつもりでいて、知らなかったの。あの歳になって、あの日あの瞬間に思い知ったのよ。」(P337)
想像を絶する悪意が自分や自分の大切な人に向けられたら。
わたしは自分や家族を守れるだろうか…
私的制裁はもちろんあってはならない事だが、復讐したくなる気持ちもわかってしまう。
そんな想像を絶する悪意をぜひこの本で体感してほしい。
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(おまけ)
喫茶店で読みながら食べたチョコレートケーキ
おいしかった。
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