山の上の文章教室
私はこの6月から「山の上の文章教室」に通っています。
「山の上の文章教室」は「ひとり出版社」で有名な夏葉社の島田潤一郎さんが2023年から開いている文章教室です。
なぜ「山の上の文章教室」に参加することにしたか?
昨年から副業でライターをするなかで、どうしても自分の文章に自信が持てなく、スキルアップを目的にライタースクールを探していた。
いくつか説明会や体験授業を受けてみるが、どこも「3ヶ月後にはプロのライターに!」や「現役の講師陣がマンツーマンで指導!」と言ったうたい文句を使い入会を促してくる。
もちろん商売なので否定はしない。
だが、どうしても感覚的に合わない。
「お金も掛かるし無理矢理スクールに通う必要もないかー」と考えていた時、ふと、夏葉社の島田潤一郎さんが2023年から文章教室をやっていたことを思い出す。
「自分が書いた文章を島田さんに見てもらいたい」という強い思いがこみ上げてきた。
そこから夏葉社のX(旧Twitter)をこまめにチェックしていた矢先、5月下旬ごろ2024年度の募集の告知が投稿される。
後回しにすると忘れてしまいそうだったので、すぐに添付のリンクからページに飛ぶ。そこには島田さんの「山の上の文章教室」に対する思いが綴られていた。
実用性・即効性の観点でいえば、説明会を受けたライタースクールのほうがあるだろう。だが、この一文を見て、そこには確実に自分が求めているものがあった。
迷うことなく応募のメールを送る。
それから数日後1通のメールが届き、そこには厳選なる”くじびき”の結果、当選した旨が書かれていた。
メールを見た瞬間、大喜びするわけでもなく「あ、当選したんだ」とあんがい冷静な自分がいた。一方、何かが動き出す期待も膨らんでいたことは確かだった。
島田さんのファンになったきっかけ
そもそも、なぜ島田さんに文章を見てほしかったかというと、私が純粋に島田さんのファンだからである。きっかけは知人に勧められて読んだ『古くてあたらしい仕事』。
この装丁とタイトルの感じからして、作者は70~80歳くらいの大企業の元社長や名だたる大学教授を勝手に想像していた。しかし、作者の島田さんについて調べてみると、夏葉社という出版社をひとりで切り盛りしている40代の優しそうな男性だった。
今まで感じたことのない違和感。
「いったい、どんな本なんだろう?」と期待に胸をふくらませ、いざ本を開き読み始めると、そこには朴訥な言葉が淡々と書き連ねてある。
「嘘をつかない、裏切らない、自分だけが得する仕事をしない。」
自分の中にスッと言葉が入り込んでくる。
澱みのない感覚が、とても心地良かった。
昨今、タイパ・コスパと言った効率ばかりを求める世間の風潮に辟易としていた中で、「同じような感覚のひと」がいることは何よりも救いになった。
この1冊をきっかけに、島田さんが手掛ける作品を追いかけるようになる。
続く