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人事を尽くして天命を待たない
■人事面談
今日は人事との面談でして、朝からどことなくそわそわしていました。
別に悪いことをしたわけじゃないですよ?
定例の面談というやつです。
面談が雑談に入ったところで、突然紙とペンを渡されて、紙に木を書いてみて、と言われるので首を傾げて訝りながらも、拙い手で木を描いたわけです。
わー、幼稚園児の絵みたいだな、と思いつつ、「書きましたよ」と返すと、担当者は首を捻って、「なんで紙の上半分に一本だけ木を描いたんですか」と。
いや、あの、紙全体に描いたら紙がもったいないというか、半分しか描いてなければもう半分は自由に使えるじゃないですか。
そんな説明をしどろもどろとしたわけですが、担当者はこう言うわけです。「紙の上半分は未来を、真ん中は現在、下半分は過去を表すんです。水瀬さんの絵は未来に関してはバランスよく描けているので、未来に対する志向は問題ないと言えます。でも、過去が空白なんです。空白になるような問題や後悔していることが、過去にはあるんじゃないですかね」と。
後悔だらけの人生ですが? と私は腕を組んで首を捻り、そこまで言われるようなものに思い当たりがないので困るわけです。
今思うのは、あと10年若かったらな、という月並みな後悔です。
この間ヨシタケシンスケさんの展示を見に行って、ポストカードが売っていたので買いました。一目で気に入ったのは、「あと5年ください」と書かれたイラストのポストカードです。
心情的には、あと5年ください、なんです。でも、今の年から5年もらってもなあ。せめて10年若かったらその5年が効いてくるんだけど。と思わずにはいられません。
まだお若い方、若さに慢心することなく、年取ってから後悔しないように、その日その日を精いっぱい生きることをお勧めします。若いなら、今5年の猶予を与えられたと考えてください。「あと5年ください」をいますぐやるんです。
私と同じかそれ以上の世代の方、健康診断で色々引っかかったり、健康面での問題が浮き彫りになってくる頃だろうと思います。「あと5年ください」は人生のチャンスでなく、寿命を「あと5年ください」にならないように、心身ともに健康には気をつけていきましょう。
あ、面談は恙なく終わりましたので。
■天命は待たない
5年くださいとお願いしている癖に、天命には従わないわけです。
というのも、やはりヨシタケシンスケさんのポストカードで、「神サマ、神サマ、まだですか」という文言のものがありまして。
まさに今その気持ちです。
天命とやらがあるのならば、早いとこ聞かせてくれないかな? 待っている内に別のお迎えがきちゃうんじゃないの、とそんな風に思ってしまうわけです。
私は小説家になれるのかなれないのか、天命やいかに!
とよく晴れた空に訊ねてみても、返ってくるのはカラスの鳴き声ばかり。
なれないならなれない、と天命を下してもらえれば、はい分かりましたと潔くもできるのですが、一方で神様がこう言っている気もします。「お前人事を尽くしたと言えるのかい」と。
そう言われるとぐうの音も出ず。
そうすると、人事を尽くして天命は期待せずに待つ、ぐらいがいいのでしょうかね。
■結びに
なんだか説教くさいことばっかりですね。あー、やだやだ。人事と面談なんかしたせいですね。
今日私は文字通り人事を尽くしたので、何か一個ぐらいいい天命がありはしないかなと期待せずに待っています。
ちなみにサムネイル画像は、「人事を尽くして天命を待たない」と打ち込んだらAIが生成してくれました。なぜ女性で、軍人風なのか、一切が謎ですが。
女性の方が天命を待つより自分で運命を切り開いていきそうだ、というのは偏見でしょうか。もしそうなら申し訳ありません。
さて、次の5年後にまたあと5年ください、などと言わないように、私も人事を尽くすことといたします。
神は自らたすくるものをたすく、と言います。私の文祐の祐はそのたすく、という意味です。
神の助けを信じ、人事を尽くせば、自ずと天命も降りて参りましょう。
それでは、みなさまが自身の思い描く5年間で人事を尽くし、天命を授かれますように祈りつつ。