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ダイヤ「改正」ってなんでしょう

毎年各鉄道会社で行われるダイヤ改正。小規模なものから、大規模なものまで、毎年内容が異なります。そんなダイヤ改正ですが、Twitterを見ていると新しいにダイヤに対し「ダイヤ改悪」と言っている方を時々見かけます。そのような意見がある中「ダイヤ改正」と鉄道会社は呼び続けていますが、ダイヤ改正とはなんでしょう。
とりあえず「改正 意味」とGoogleで検索してみます。一番最初に出てきたコトバンクを開いてみると、そこには「間違いや不十分な点を直して、よくすること。」と書かれていました。言い換えれば「改善」となるのでしょうか。どちらにせよ利便性が悪い点などを、良くすることが、「改正」の意味のようです。
これを踏まえて改めてダイヤ改正を見てみると、2020年以降は新型コロナウイルスが蔓延したことにより、鉄道の利用者が減少しました。それに合わせて減便や運転時間帯の短縮等が全国的に行われています。これらは単純に考えると利用者にとっては不便になることであり、とても「改正」とはいえません。
2022年以降コロナ禍は明けつつあり、鉄道の利用者も少しづつ増加してきました。しかしダイヤは相変わらず減便したままですので、1列車あたりの乗車率は上がります。そうなると決して快適とはいえない電車に、時には長時間乗ることとなるのです。
鉄道会社からしてみれば、採算が取れるかわからない状況なので安全策を取りたいのでしょう。また、ダイヤを変えることは申請も必要になりますので、中々簡単にはできません。しかし混雑が激しくなるにつれホームに留まる人も増えるわけですから、輸送の敵である「危険」も一緒に生まれてしまうのです。
前述の通り、最近の鉄道のダイヤ改正内容は、「改正」とはいえない状況です。ではダイヤ改正以外に別の言い回しはあるのでしょうか。
実はダイヤ改正とは呼ばずに、別の呼び方を長い間していた鉄道会社があります。それが京王電鉄です。京王電鉄では「ダイヤ改定」と呼んでいました。これは、新しいダイヤが全ての利用者にとって良いものとは限らないのに、改正というのは不適切であるという考え方をしていたためです。しかし2018年より他社と同じダイヤ改正と呼ぶように変わってしまいました。
また、大きくダイヤが変わらない際は、「ダイヤ修正」と呼ぶ会社もあります。2023年の小田急電鉄は、ダイヤ改正ではなくダイヤ修正として公表しました。
ダイヤを変更することで、便利になる駅や区間があれば、不便になる場所もあります。全てを良くすることは当然不可能に近いわけですが、かと言って「改正」と称すのも納得できないようなダイヤ改正が増えてきたようにかんじます。

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