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城からスマホを落とした。
こんにちは、ぼんくら大学生です。
この前友達とドライブに出かけた。かく言う僕は免許を持っていないため、後部座席でヤジを飛ばすくらいしかすることがなかったが、とても楽しい一日となった。
車のオーディオ権を握った僕は、前日に録音していた自分の弾き語りを流した。普通に歌っても面白くないため、こぶしを利かせたアレンジや、玉置浩二のモノマネを入れると面白いようにウケた。玉置浩二最高!田園最高!
このドライブ中に僕はケータイを割った。シートベルトを締めるときに、勢いで先の金具が画面にあたってしまったのである。少し良いフィルムを買っていたが、それでも画面はバリバリになってしまった。
しかし、僕はケータイが割れたことに関してそこまで大きいショックを受けなかった。なぜか?それを説明するには半年前までさかのぼる必要がある。
僕がケータイの画面を割ったのはこれが二回目になる。一回目は半年前だ。出かけた場所に有名なお城があった。お城があったら登るしかないだろう。逆にお城に来て登らない男の子はいるのだろうか。
山の上にある天守閣から街が一望できる。あまりの絶景に心を奪われ、柵から身を乗り出していた。今思えば、これがいけなかったのだろう。次の瞬間、胸ポケットに入れていたスマホがポトリ。「ああああああああ!」
何層もの屋根を超えて落ちていくケータイの姿は、今でも鮮明に移る。一種の走馬灯も見えただろうか。さっきまでの天下人の気分から、ケータイもろとも一気に突き落とされた。
急いで下に降りる。「人に当たっていたら…」という不安で胸がいっぱいだった。エレベーターで降りるこの時間があれほど長く感じたことはない。
地上に降りると幸い、人に当たった様子はないが、ケータイもない。係員に尋ねてみても見ていないという。これまた大変。
係員はどこかの屋根に引っかかっているのではないかと考え、ワンフロアずつの屋根を見て回ってくれた。本当に感謝しかない。しかしそれでも見つからず2時間が経った。
落ちている可能性がある場所を一つ一つ潰していって、ラスト一箇所。ここになければ諦めてくださいとまでいわれてしまった。「ケータイ会社に電話しないとな…」とほぼ諦めていたその時、「ありました!!!」との声。振り返るとそこにはバリバリに割れた僕のケータイが。しかし、その時の僕にとっては画面が割れているとか、傷がついているなんてどうでもよかった。電源が入ればいいのだ。
恐る恐る、電源のスイッチを入れる。「ひ…光った…!!!」この時の明かりはどんなダイアモンドよりも輝いていた…
ひどいオチだが、こんな経験をした僕にとって画面が割れたくらい屁でもない。僕を驚かせたかったら、大気圏からケータイを落とすとかしてほしいものである。
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