稲盛さんが語っていた「宇宙の法則」
京セラやKDDIの創業者、故・稲盛和夫さんが、著書のなかで「宇宙の法則」ということについて述べておられ、その部分を抜粋引用させていただきます。
――人生は心に描いたとおりになる。強く思ったことが現象となって現れてくる。まずはこの「宇宙の法則」をしっかりと心に刻みつけてほしいのです。人によっては、このような話をオカルトの類いと断じて受け入れないかもしれません。しかし、これは私がこれまでの人生で数々の体験から確信するに至った絶対法則なのです。
すなわち、よい思いを描く人にはよい人生が開けてくる。悪い思いを持っていれば人生はうまくいかなくなる。そのような法則がこの宇宙には働いているのです。思ったことがすぐに結果に出るわけではないので、わかりづらいかもしれませんが、20年とか30年といった長いスパンで見ていくと、たいていの人の人生は、その人自身が思い描いていたとおりになっているものです。
・・・・・・宇宙には、すべてをよくしていこう、進化発展させていこうという力の流れが存在しています。それは、宇宙の意志といってもよいものです。この宇宙の意志が生み出す流れにうまく乗れれば、人生に成功と繁栄をもたらすことができる。この流れからはずれてしまうと没落と衰退が待っているのです。
ですから、すべてに対して「よかれかし」という利他の心、愛の心を持ち、努力を重ねていけば、宇宙の流れに乗って、すばらしい人生を送ることができる。それに対して、人を恨んだり憎んだり、自分だけが得をしようといった私利私欲の心を持つと、人生はどんどん悪くなっていくのです。
宇宙を貫く意志は愛と誠と調和に満ちており、すべてのものに平等に働き、宇宙全体をよい方向に導き、成長発展させようとしている。このことは、宇宙物理学でいう「ビッグバン・セオリー」から考えても十分納得、説明できるものです。
・・・・・・宇宙には最初ひと握りの素粒子しか存在していませんでした。その素粒子がビッグバンと呼ばれる大爆発によって結合して、原子核を構成する陽子、中性子、中間子をつくり上げ、電子と結びつき、最初の原子である水素原子を生み出した。
さらにさまざまな原子、そして分子が生まれ、やがて高分子ができ上がり、人類のような高等生物までが生み出された。そういう宇宙の進化のありようを知れば知るほど、すべてを成長させ、進化させていこうという何か「偉大なもの」の意志が介在しているとしか思えません。――
いかがですか。憚りながら不肖私もここまで年齢を重ね、あれこれの経験を経てきて強く感じる、非常に納得感のあるお話です。私たち生きとし生けるもの全ては、まぎれもなく宇宙の活動によって生まれた組成物の一つでありますし、宇宙が発するとてつもない力学、すなわち「宇宙の法則」によって我々は生かされている。その宇宙の意志といいますか、宇宙の流れに調和し、誠の心をもって、自分と周りがよりよい方向に向かおうとする思考や行動の大切さ。そして、因果応報。どうか皆さまも「宇宙の法則」を引き寄せ、よい人生を切り開いて参りましょー。