【感想】アウトレイジ
ネタバレを含みます。
ご容赦下さい。
アウトレイジは2010年劇場公開の北野映画。
何度も見てます。DVDポチりました。
好きな作品だから過去の作品でも全力プッシュ。
1.映画の説明
2.見どころ 片岡の魅力
片岡(小日向文世)は大友の大学時代のボクシング部後輩。
ボクシングは相当に弱かったらしいが、映画の終盤には大友の顔面にショートジャブを打ち込む隠れた実力者。
この演出は後にも述べる映画「アウトレイジ」の真髄が凝縮されているシーンだと思う。
片岡は刑事でもマル暴であり、加藤や大友とも職務遂行上、十分な交流が普段から出来上がっている描写になっている。
ただ、片岡は警察という立場を利用し、警察の保持する情報を流してヤクザから金をタカる不良刑事である。
クライマックスに臨む前段で大友に出頭を促すため説得に出向いたと思えば、大友がいるレストラン内の人数と大友の所在を外で待つ加藤に告げ、加藤はヒットマンに手榴弾を投げ込ませて大友の抹殺を実行。
結果、大友爆殺は失敗に終わるものの、片岡は自分の利益のためには犠牲を厭わない性格であり、悪人だらけの映画の中でも異彩を放つ存在感である。
大友逮捕も警察総出で陣頭指揮を取る片岡が逮捕した、という演出を採用している。
大友の出頭という形ではなく片岡による逮捕という形を取ることで、片岡の刑事としての評価を上げる口実に使われてしまった。
比較的、映画の冒頭から登場する片岡だが、一度アウトレイジを観ただけだと片岡という役に込められた、【酸っぱく腐った食べ物を口にしてしまったかの様なバツの悪さ】を理解するのは困難だろう。
片岡の嫌らしさ、悪人魂は決してヤクザの面々に引けを取らないので二度目三度目の御視聴時には意識を凝らして御覧頂きたいアウトレイジ随一の見どころである。
片岡の嫌らしさは、映画「仁義なき戦い」で田中邦衛演じる槇原や金子信雄演じる山守組長に通じる
「お前らの事を想って!的な(内心、死んじまえ)」
のような腹の内で舌を出す巧妙さが味だ。
3.登場人物、全員悪人だよってこと
アウトレイジの登場人物は、ほぼ全員ヤクザ。
ヤクザにくわえて、売人とカジノディーラーと大使館職員と警察でほぼ全員。
登場人物の全員が悪人なのだ。
(DVDのパッケージの宣言通りだ)
ヤクザは裏社会の顔であり当然にして悪人だ。
売人も違法に売るもの売ってるから、当然にして悪人。
裏カジノのディーラーも違法賭博のため悪人。
大使館職員は、違法カジノに違法薬物に遺体まで隠して相当罪が重い。。。
片岡は犯罪にこそ手は染めてないが自分の利益のためにヤクザを利用するから立場がヤクザと違うだけで本質的には悪人側である。
ただ、片岡が犯罪に手を染めていないというのは初代アウトレイジ上の表現なだけで、次回作ビヨンドでは犯罪を匂わす描写が差し込まれている事から実は初代の時点からこっそり裏で手をまわしているかもしれない。
アウトレイジは登場人物が悪人しかいないのにストーリーは成立する。
むしろ悪人がてめぇのためだけに行動するからこそ晴舞台は整うのだ。
これが”全員善人「ハッピーマンズショー」”だったらどうだろう。
クドカンが監督をして、主演:長瀬智也、他にも釣りバカキャラの西田敏行やテルマエの阿部寛が出ていても良い筋のドラマが描けるかもしれない。
それはそれで話の筋が全く違う出来になりそうなので、違う時にお楽しみ頂きたいが、アウトレイジの緊張感はアウトレイジならではである。
アウトレイジに話が戻るが、全員悪人だから結局はほぼ全員が死ぬのだ。
ほぼ全員死ぬからこそエンタメとして映画に締まりがでていて、見た後スッキリするに違いない。
4.最後に
ゆとりウサギが大好きなアウトレイジはお子さんや同居するご両親が寝静まった時間に部屋を暗くしてご覧になって頂きたい。
悲しいかな、ネットでは配信されていないためお近くのTSUTAYAでレンタルされたい。
アウトレイジ三部作(アウトレイジ/ビヨンド/最終章)に評価をつけるとすると、
アウトレイジ=ビヨンド>>>最終章
ビヨンドは山菱会キャラがいい演技してますので、まだ御覧になっていない方も是非ご期待頂きたい。
『てめぇ!バカ野郎!』の北野節が苦手な方でもゆとりウサギの感想をご覧になって是非門戸を開いて頂ければ幸いである。
別の機会でビヨンドの感想も是非noteにしていきたい。
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