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溢れ出すから、押さえこんだ。

どのように自分がその嘘をついていたのか、もう覚えていない。

私はすぐに泣く。

涙は簡単に流れるし、共感性が非常に高い部類だろうと感じる部分はとても多い。

しかし私は、嘘を貫いてきた。

私には、涙がないと。

ーー

何かを見て、感動すること。

それらを全て抑え込んでいたのは、心の奥底で、溢れ出すそれを恐れていたのだろう。

とは言っても、全てに感動するわけではない。当たり前だ。

たとえば、部活動で一年間のスローガンを掲げる、とか。
たとえば、みんなで一緒に頑張ろう、とか。

どちらかと言えば私の感動センサーに響かない部類にあるそちら側に、やる気を見せていたのは、責任感によるものだったと思う。

みんなと同じようにやる。
任されたことをやる。

私は兵隊だった。

役割を与えられ、その名に恥じない行動をし、規律に従い、結果として、疲弊した。

ーー

嘘は昔から苦手だった。
真っ向勝負をしすぎた小中学生だった。

でも、苦手なりに下手な嘘をついていたんだろう。

自分を強化して見せる方法で、自分を守っていたんだろう。

そんな私も可愛かったなあと思うけど、今の私のほうがよっぽど好きだ。

「私はこっちのほうがいいと思うなあ」

その言葉を私に投げかけられるのは、私だけ。

兵隊服を脱ぎ捨てて、溢れ出すものに、ただ素直に生きる。

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